35 / 179
物理系魔法少女、深まる絆
しおりを挟む
「俺はまず術士をやる。ホブは頼む。俺が終わったら援護する。魔法は使わずにいて欲しい」
「しかたない」
術士を倒すのは簡単だ。近づいて、殴る。
それだけだ。
それを邪魔するのが⋯⋯ホブゴブリンお前だ。
「だけど、もうお前の相手をする気は無い」
振り下ろされる大剣を蹴って弾く。その瞬間に背後に移動するミズノさん。
斬撃の雨がホブゴブリンを襲う。これでヘイトは変わった。
次は俺だ。
「ここは⋯⋯棒だな」
術士は二体、魔法が俺とミズノさんに襲いかかる。
どっちも火球。
「シッ!」
ミズノさんの方に飛んだいる魔法に向かって棒を投擲し、破壊する。
俺に来た魔法はキャッチして、そのまま走って運ぶ。
「戻れ」
棒を掴み、地面に強くぶつける。
その反動で俺は高くジャンプ。
「それっ。まずはお返しだ!」
一体の術士に火球を回転を乗せてお返しておく。
加速した火球はお前らが普通に使う時よりも脅威だ。
「氷の矢か?」
残った奴の悪あがきの魔法。そんなのは砕いて終わりだ。
着地と同時につま先に力を入れ、駆ける。
素手で、貫く⋯⋯のは避ける。
なのでステッキを槍にして突き刺す。
「げっ。急所でも外れたのか?」
魔法を使おうとしたので、両手でゴブリンの頭を掴んで、上に引っ張った。
うん。惨い殺し方をしてしまった。
さすがに同情してしまう。犯人俺だけど。
「さて⋯⋯今のミズノさんならちょっとした言葉は聞いてくれそうだよなぁ」
そのまま槍の先端をホブゴブリンに向ける。狙いを定めて、投げる。
「ミズノさん! 避けて!」
「⋯⋯ッ!」
ホブゴブリンを蹴って回避するミズノさん。槍は見事にホブゴブリンに命中した。
「ウオオオオオ!」
ひぃ。うるさい断末魔。
隣に並んで来たミズノさんは俺のスネを蹴った。痛いでござる。
「お前、ミズノ狙った!」
「ごめんなさいね? アイツ、狙いとか軌道とかかなり読めるからさ。ギリギリまで気づかせないために遮蔽物を利用した」
「⋯⋯お、ま、え。ミズノを道具だと言うのか?」
「言葉のあやだよ。ミズノさんはミズノさんだろ? 水色の髪が良く似合う女の子、回避できるって信じてたからできたんだよ。それでもあまりダメージは期待できない。行くよ」
「チィ。今から斬撃範囲と火力を上げる魔法を使って攻撃する。チャンスを作れ。⋯⋯狙いは両目だ」
「りょーかい」
俺はホブゴブリンに拳を突き出した。
「グオ!」
手のひらで防がれる。掴まれるのは嫌なので、蹴って逃げる。
槍のステッキは回収しておく。バットに変更。
「アカツキスイング!」
大剣でスイングを塞ぐか⋯⋯やっぱりコレは高く売れそうだ。
そら、キックだ。
「下半身に重心を変えたか。少しは傾いてくれよ」
キックはイマイチの結果で終わり、反撃の剣が舞う。
バットで防ぐが、飛ばされる。
「アカツキ!」
「大丈夫! 俺ちゃん打たれ強いんでね」
防御評価はBだけど、筋力で補ってます!
それにバットで直接の攻撃は防いでいる。
「水の魔、付与、水刃!」
ショートソードが水の刃を纏う。そこから繰り出される斬撃はホブゴブリンの身体を深く抉る。
両目を切り裂くのに成功した⋯⋯が、空中に投げ出された身体に向かって空いていた左手が向かう。
「させねぇよ!」
さすがに俺のようなタイプじゃないと、掴まれたら終わりだ。
スピードと魔法を兼ね備えたミズノさんには良くない。
それに、女の子を守るのが男の役目だしな。
「何よりもパワーは俺の方が上だ!」
「⋯⋯ッ! 助かった」
手を蹴って弾いた。
「グオオオオオオ!」
大剣の攻撃か。避けるのは間に合わない。防ぎ切る!
「任せろ。受け流す」
「了解」
俺はステッキを捨てて、体勢を正す。
「ふんっ!」
ミズノさんが受け流し、大剣が俺の横を過ぎ去る。
「必殺マジカルシリーズ」
全力で拳を固める。
「本気殴り」
強い衝撃音と共に、ホブゴブリンが宙に舞って地面に激突する。
魔石に変わる雰囲気は無い⋯⋯耐えられたのか?
「満身創痍、時期に死ぬ」
「そっか⋯⋯大剣貰って良い?」
「持ち帰れ⋯⋯るか。⋯⋯ドロップしたらな?」
「大丈夫。だってほら、手から離してるんだよ? 確ドロ演出だよ!」
ホブゴブリンの魔石ゲットだぜ!
「武器を捨てたから、ドロップアイテムとして手に入る訳じゃない。良い学びになったな」
「⋯⋯そうだね」
魔石をリュックに入れる。最後に討伐したから、俺にくれた。
「ナイスバトル、ミズノさん」
「ミズノで良いよ。少しは⋯⋯まぁ、アオイちゃんの一パーセントくらいは信用してやる」
「そりゃあ良かった」
良かったのかな? むしろ、自分の正体を隠す全力度が上がった気がする。
信用してくれている相手を騙しているんだよなぁ俺。
継続的に精神攻撃を受けている感じだ。
「⋯⋯にしてもこれ程の群れは中々無い。人が来ないってのも無いだろうし⋯⋯何かあるのか?」
「まぁ、どうでも良くない?」
「⋯⋯世界の平和を守るのが魔法少女の役目。だけどアオイちゃんが居ないから何かを考える気力は出ない。無視だな」
「そうそう」
「レベルは上がった?」
ステータスカードを見られないように確認する。
お、上がっていた。
上がるんだな。正直意外だ。
「ふっ。完璧だ」
「おお。この短時間で上がったのか」
「あぁ。上がったし増えたな」
「⋯⋯は?」
「『自己再生スキル.3』に上がり『衝撃耐性.1』が増えた」
「ヘェー(棒)」
「しかたない」
術士を倒すのは簡単だ。近づいて、殴る。
それだけだ。
それを邪魔するのが⋯⋯ホブゴブリンお前だ。
「だけど、もうお前の相手をする気は無い」
振り下ろされる大剣を蹴って弾く。その瞬間に背後に移動するミズノさん。
斬撃の雨がホブゴブリンを襲う。これでヘイトは変わった。
次は俺だ。
「ここは⋯⋯棒だな」
術士は二体、魔法が俺とミズノさんに襲いかかる。
どっちも火球。
「シッ!」
ミズノさんの方に飛んだいる魔法に向かって棒を投擲し、破壊する。
俺に来た魔法はキャッチして、そのまま走って運ぶ。
「戻れ」
棒を掴み、地面に強くぶつける。
その反動で俺は高くジャンプ。
「それっ。まずはお返しだ!」
一体の術士に火球を回転を乗せてお返しておく。
加速した火球はお前らが普通に使う時よりも脅威だ。
「氷の矢か?」
残った奴の悪あがきの魔法。そんなのは砕いて終わりだ。
着地と同時につま先に力を入れ、駆ける。
素手で、貫く⋯⋯のは避ける。
なのでステッキを槍にして突き刺す。
「げっ。急所でも外れたのか?」
魔法を使おうとしたので、両手でゴブリンの頭を掴んで、上に引っ張った。
うん。惨い殺し方をしてしまった。
さすがに同情してしまう。犯人俺だけど。
「さて⋯⋯今のミズノさんならちょっとした言葉は聞いてくれそうだよなぁ」
そのまま槍の先端をホブゴブリンに向ける。狙いを定めて、投げる。
「ミズノさん! 避けて!」
「⋯⋯ッ!」
ホブゴブリンを蹴って回避するミズノさん。槍は見事にホブゴブリンに命中した。
「ウオオオオオ!」
ひぃ。うるさい断末魔。
隣に並んで来たミズノさんは俺のスネを蹴った。痛いでござる。
「お前、ミズノ狙った!」
「ごめんなさいね? アイツ、狙いとか軌道とかかなり読めるからさ。ギリギリまで気づかせないために遮蔽物を利用した」
「⋯⋯お、ま、え。ミズノを道具だと言うのか?」
「言葉のあやだよ。ミズノさんはミズノさんだろ? 水色の髪が良く似合う女の子、回避できるって信じてたからできたんだよ。それでもあまりダメージは期待できない。行くよ」
「チィ。今から斬撃範囲と火力を上げる魔法を使って攻撃する。チャンスを作れ。⋯⋯狙いは両目だ」
「りょーかい」
俺はホブゴブリンに拳を突き出した。
「グオ!」
手のひらで防がれる。掴まれるのは嫌なので、蹴って逃げる。
槍のステッキは回収しておく。バットに変更。
「アカツキスイング!」
大剣でスイングを塞ぐか⋯⋯やっぱりコレは高く売れそうだ。
そら、キックだ。
「下半身に重心を変えたか。少しは傾いてくれよ」
キックはイマイチの結果で終わり、反撃の剣が舞う。
バットで防ぐが、飛ばされる。
「アカツキ!」
「大丈夫! 俺ちゃん打たれ強いんでね」
防御評価はBだけど、筋力で補ってます!
それにバットで直接の攻撃は防いでいる。
「水の魔、付与、水刃!」
ショートソードが水の刃を纏う。そこから繰り出される斬撃はホブゴブリンの身体を深く抉る。
両目を切り裂くのに成功した⋯⋯が、空中に投げ出された身体に向かって空いていた左手が向かう。
「させねぇよ!」
さすがに俺のようなタイプじゃないと、掴まれたら終わりだ。
スピードと魔法を兼ね備えたミズノさんには良くない。
それに、女の子を守るのが男の役目だしな。
「何よりもパワーは俺の方が上だ!」
「⋯⋯ッ! 助かった」
手を蹴って弾いた。
「グオオオオオオ!」
大剣の攻撃か。避けるのは間に合わない。防ぎ切る!
「任せろ。受け流す」
「了解」
俺はステッキを捨てて、体勢を正す。
「ふんっ!」
ミズノさんが受け流し、大剣が俺の横を過ぎ去る。
「必殺マジカルシリーズ」
全力で拳を固める。
「本気殴り」
強い衝撃音と共に、ホブゴブリンが宙に舞って地面に激突する。
魔石に変わる雰囲気は無い⋯⋯耐えられたのか?
「満身創痍、時期に死ぬ」
「そっか⋯⋯大剣貰って良い?」
「持ち帰れ⋯⋯るか。⋯⋯ドロップしたらな?」
「大丈夫。だってほら、手から離してるんだよ? 確ドロ演出だよ!」
ホブゴブリンの魔石ゲットだぜ!
「武器を捨てたから、ドロップアイテムとして手に入る訳じゃない。良い学びになったな」
「⋯⋯そうだね」
魔石をリュックに入れる。最後に討伐したから、俺にくれた。
「ナイスバトル、ミズノさん」
「ミズノで良いよ。少しは⋯⋯まぁ、アオイちゃんの一パーセントくらいは信用してやる」
「そりゃあ良かった」
良かったのかな? むしろ、自分の正体を隠す全力度が上がった気がする。
信用してくれている相手を騙しているんだよなぁ俺。
継続的に精神攻撃を受けている感じだ。
「⋯⋯にしてもこれ程の群れは中々無い。人が来ないってのも無いだろうし⋯⋯何かあるのか?」
「まぁ、どうでも良くない?」
「⋯⋯世界の平和を守るのが魔法少女の役目。だけどアオイちゃんが居ないから何かを考える気力は出ない。無視だな」
「そうそう」
「レベルは上がった?」
ステータスカードを見られないように確認する。
お、上がっていた。
上がるんだな。正直意外だ。
「ふっ。完璧だ」
「おお。この短時間で上がったのか」
「あぁ。上がったし増えたな」
「⋯⋯は?」
「『自己再生スキル.3』に上がり『衝撃耐性.1』が増えた」
「ヘェー(棒)」
0
あなたにおすすめの小説
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる