【R18】耐えきれなくなってからが始まり

立花

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忘れた頃にVS.羽場

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「はぁ~」

(なんか、思ってたより平和だな)

傷つくことが恋をしてる証拠だと思ってたのかも知れない。乾いた洗濯物をクローゼットにしまいながら、穏やかな日常を噛み締めた。

自分の気持ちは誰も幸せにしないどころか迷惑になるだけだって、勝手に思い詰めた挙句に体調を崩して、みんなに迷惑をかけてよく分かった。

向井君には情けない姿も見られたし、今さら意識するも何もない。どうせ卒業したら自分とは別の世界にいるような子だから、今くらいバイト先の店長としていい関係を築きたい。

(今は大家でもあるし)

仕事して、部屋に帰って、お互い時間が合えば向井君と遊んだ。一人では行きにくかった場所や、スポーツ観戦も行った。羽場からのLINEが来ないか考えたことは一度も無かった。

これはいけるかもしれない、と思っていた時期が私にもありました。


『奥さんと別れることにしたわ。ちょっと話聞いてくれん?』

そのLINEを見たときから、束の間の平和は終わった。

-----

「…」
「織さん!」

大きな声にビクッとして振り返った。
せっかく時間が合って一緒に夕食を食べているのに、完全に上の空だった。

「ごめん向井君、何?」
「羽場さんから何か言われました?」
「えっ、名探偵すぎない?」

たった一つの真実を見抜かれて、ごまかす気も失せた。向井君にLINEを見せて、様子を窺った。

「それで、なに悩みですか?」
「あ…えっと、どうしたらいいのかなって」

(言われてみれば、何に悩んでいるんだろう?)

友達ならすぐ「どうした大丈夫か!」って、電話とかするんだろうか。
向井君は黙ってこっちを見ていた。

「友達なら、会って話聞いてあげたらいいと思いますけど。会いたくないんですか?」
「あぁ、だよねぇ。…いや、会うのが怖いというか…せっかく今、向井君のおかげで会わないでいられてるのに、会ったらちゃんと友達できんのかな、というか…」

向井は「で?」とか「理由は?」とか詰めてくるのは怖いけど、どんな答えでも怒らないのは助かる。まぁ、LINEひとつでゴニョゴニョ言ってる自分になんて期待してないんだろうけど。

「よし。会いましょう」
「えっ!向井君が決めんの?」
「じゃあやめます?」
「いや…」
「じゃあ会いましょう」
「いやっ、あ…わかりました…」

威厳はとっくに無いと思ってたけど、拒否権も無かったとは。
でも、背中を押してもらって正直ありがたかった。

そうこうしている内に、羽場と会う日がLINE上で確定していた。
向井君から返ってきたスマホでトーク内容を見てドン引きした。

「嘘…あいつも何で普通にやりとりできてんの?」
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