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羽場との積もる話
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(大学生なのに何でこんな店知ってんだろう?)
積もる話もしやすい個室の料理屋は、なんだかVIPな装いだった。
「ね、羽場、こんないいとこ、大丈夫なの?」
「もちろん。急に予定空けてもらったし。てか、おるがここって言ったんじゃん」
そうだった。
「当然おごりな」と打っていた向井君の悪い顔を思い出した。
「いや、まじで良いとは思わなくて。ごめんな」
「久しぶりに会えたんだから、そんなことで謝んないでよ」
読んでいたメニューを下ろして、笑いかけた羽場の顔に、思わずドキッとした。
「来てくれてありがとな」
「いや…」
(変わんない…)
この笑顔が見たくて、何度だって沼に飛び込んだ。でも結局、どうにもならなくて息もできなくなった。
ひとまず乾杯して、メインの料理も届いたところでぼちぼち本題に入ることにした。
「で…別れるって話、確定なの?」
「うーん。うん、奥さんとも何度か話してて、多分そうなりそう」
羽場の表情は暗く、言葉にも張りが無かった。
いつも冗談みたいに弱音を吐くことはあったけど、今回は本気で落ちている様子だった。
「そうか…理由とか聞いていいの?」
「うん。まぁ俺のせいっちゃ俺のせいなんだけど。奥さんさ、恋人いるじゃん?」
「あぁ、2人いるって言ってたよね?」
(お互い恋人OKだったんだし、浮気とかじゃないよな)
「今更、それが辛くなっちゃって」
「…そうなんだ。何かきっかけとかあった?」
奥さんがそういう愛し方をする人だってことは結婚前から聞いていた。羽場も彼なりに理解したから結婚を決め、5年も夫婦をやってきたのだ。
「うん。奥さんが妊娠したかもってなってさ」
-----
その日、羽場はいつも通り妻と食事をした。
今日は「羽場の日」だったから、朝まで一緒に過ごす予定だった。
愛し合う二人はいつも楽しい時間を過ごしていたが、その日は違った。
「妊娠したかもしれない」という言葉がきっかけだった。
彼女は悪くないはずだった。彼女の身体は彼女のものだから。恋人とも「そういう行為をする」ということは羽場も知っていたから。
問題は、羽場が「当然避妊をしているだろう」と考え、彼女はそうではなかったことだった。
時期から考えると、誰々の子だと思う。これを機に、できれば、私の恋人達と一緒に住むか、近くに住むことをまた検討できないか。また、あなたにも恋人がいるようだけど、その人とも会えないか。
その時の羽場に答えられる言葉は何も無く、心はショックと嫉妬と恐怖に占められた。
-----
「結局、妊娠はしてなかったんだ。でもそれがきっかけで、もう続けられないって思っちゃってさ」
「羽場…」
「要は、分かった気になってたけど、分かってなかったんだよね。奥さんのこと」
「大変だったな。それは…」
奥さんとは結婚式の日にちょっと話したくらいだけど、本当に羽場が好きなんだなぁと思ったし、今もそうなんだろう。
「子どもは何人でも愛せるのに、なぜダーリンは1人じゃなきゃダメなの?」みたいなことを言っていた彼女にドン引きする人もいたけど、自分はちょっと憧れた。
自分もそういう風に、自分を大事にできれば、人のことも本当に大事にできるのかなぁなんて思って、自分なりに羽場を諦めたつもりだった。
(よく見ると羽場、痩せた…?)
「…羽場が悪い訳じゃないよ。奥さんも…自分は、悪くないと思う。奥さんだって羽場のこと愛してると思うけど、その形が思ってたより、思ってた以上に…違かったんだよね」
「うん。…うん。ありがとう」
情けないけど、気の利いたことが何にも浮かばなかった。
重い沈黙が続いた。
二人とも黙って、氷で薄くなった酒を飲んだ。
「あの、羽場…ごめん。元気付けてやりたいのに、ただショック受けちゃって何も良いこと言えなくて」
「ふふっ」
予想外に羽場が笑ったので、驚いて顔を上げた。
「謝んないでって。俺、嬉しいよ。真剣に聞いてくれてありがとね」
「そらそうだろ。何もできないけどさ、心配はするよ」
実際、めちゃめちゃ心配だった。こんな儚げ?というか、危なっかしい羽場を見たことが無かった。
(向井君なら)
向井君なら、こういう悩みにもスパッと答えてやれるのかな。
何となく彼が言いそうなことを考えて言ってみた。
「…今は、何が一番つらい?」
「そうだなぁ。嫉妬とか自己嫌悪とかいろいろあったけど、今は、好き同士なはずなのにダメなんだってのが辛いかなぁ」
「本当にね。嫌いになった訳じゃないのに。でも、奥さんの生き方も含めて奥さんだから、難しいよなって…思う」
「だよね」
「…うん」
何で人ってこんなに違うんだろう。
両想いになるだけでも奇跡なのに、こんなことになるなんて。勝手に奥さんにも感情移入してしまって、胸が痛かった。
(羽場のこと好きなんだよな。結婚するくらいだもん。なのに別れなきゃいけないなんて。でも自分だって、親が悲しむから男を好きなことをやめられるか?って言われても…どうしようもないし)
「おる?」
「…別れるって決めれたの、すごいと思う。二人とも、幸せになって欲しいから…何もできないけど、とにかく…」
何で自分が泣きそうになってるんだ。辛いのは羽場なのに。
「…何かあったら連絡しろよ。絶対、いいことあるから。それまで耐えるしかない。ごめん、そんな事しか言えなくて」
「いいこと…あるかなぁ」
「ある。正直、羽場はイケメンだし性格もまぁいいから、新しい出会いも全然あると思ってる。今はそんなこと考えられないかも知れないけど…」
その先は言えなかった。
「…羽場?」
「うん…おる、ありがとね。ありがとう…」
顔は見えなかったけど、羽場が泣いている気がした。
自分には羽場の背中をさすることくらいしかできなかった。
積もる話もしやすい個室の料理屋は、なんだかVIPな装いだった。
「ね、羽場、こんないいとこ、大丈夫なの?」
「もちろん。急に予定空けてもらったし。てか、おるがここって言ったんじゃん」
そうだった。
「当然おごりな」と打っていた向井君の悪い顔を思い出した。
「いや、まじで良いとは思わなくて。ごめんな」
「久しぶりに会えたんだから、そんなことで謝んないでよ」
読んでいたメニューを下ろして、笑いかけた羽場の顔に、思わずドキッとした。
「来てくれてありがとな」
「いや…」
(変わんない…)
この笑顔が見たくて、何度だって沼に飛び込んだ。でも結局、どうにもならなくて息もできなくなった。
ひとまず乾杯して、メインの料理も届いたところでぼちぼち本題に入ることにした。
「で…別れるって話、確定なの?」
「うーん。うん、奥さんとも何度か話してて、多分そうなりそう」
羽場の表情は暗く、言葉にも張りが無かった。
いつも冗談みたいに弱音を吐くことはあったけど、今回は本気で落ちている様子だった。
「そうか…理由とか聞いていいの?」
「うん。まぁ俺のせいっちゃ俺のせいなんだけど。奥さんさ、恋人いるじゃん?」
「あぁ、2人いるって言ってたよね?」
(お互い恋人OKだったんだし、浮気とかじゃないよな)
「今更、それが辛くなっちゃって」
「…そうなんだ。何かきっかけとかあった?」
奥さんがそういう愛し方をする人だってことは結婚前から聞いていた。羽場も彼なりに理解したから結婚を決め、5年も夫婦をやってきたのだ。
「うん。奥さんが妊娠したかもってなってさ」
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その日、羽場はいつも通り妻と食事をした。
今日は「羽場の日」だったから、朝まで一緒に過ごす予定だった。
愛し合う二人はいつも楽しい時間を過ごしていたが、その日は違った。
「妊娠したかもしれない」という言葉がきっかけだった。
彼女は悪くないはずだった。彼女の身体は彼女のものだから。恋人とも「そういう行為をする」ということは羽場も知っていたから。
問題は、羽場が「当然避妊をしているだろう」と考え、彼女はそうではなかったことだった。
時期から考えると、誰々の子だと思う。これを機に、できれば、私の恋人達と一緒に住むか、近くに住むことをまた検討できないか。また、あなたにも恋人がいるようだけど、その人とも会えないか。
その時の羽場に答えられる言葉は何も無く、心はショックと嫉妬と恐怖に占められた。
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「結局、妊娠はしてなかったんだ。でもそれがきっかけで、もう続けられないって思っちゃってさ」
「羽場…」
「要は、分かった気になってたけど、分かってなかったんだよね。奥さんのこと」
「大変だったな。それは…」
奥さんとは結婚式の日にちょっと話したくらいだけど、本当に羽場が好きなんだなぁと思ったし、今もそうなんだろう。
「子どもは何人でも愛せるのに、なぜダーリンは1人じゃなきゃダメなの?」みたいなことを言っていた彼女にドン引きする人もいたけど、自分はちょっと憧れた。
自分もそういう風に、自分を大事にできれば、人のことも本当に大事にできるのかなぁなんて思って、自分なりに羽場を諦めたつもりだった。
(よく見ると羽場、痩せた…?)
「…羽場が悪い訳じゃないよ。奥さんも…自分は、悪くないと思う。奥さんだって羽場のこと愛してると思うけど、その形が思ってたより、思ってた以上に…違かったんだよね」
「うん。…うん。ありがとう」
情けないけど、気の利いたことが何にも浮かばなかった。
重い沈黙が続いた。
二人とも黙って、氷で薄くなった酒を飲んだ。
「あの、羽場…ごめん。元気付けてやりたいのに、ただショック受けちゃって何も良いこと言えなくて」
「ふふっ」
予想外に羽場が笑ったので、驚いて顔を上げた。
「謝んないでって。俺、嬉しいよ。真剣に聞いてくれてありがとね」
「そらそうだろ。何もできないけどさ、心配はするよ」
実際、めちゃめちゃ心配だった。こんな儚げ?というか、危なっかしい羽場を見たことが無かった。
(向井君なら)
向井君なら、こういう悩みにもスパッと答えてやれるのかな。
何となく彼が言いそうなことを考えて言ってみた。
「…今は、何が一番つらい?」
「そうだなぁ。嫉妬とか自己嫌悪とかいろいろあったけど、今は、好き同士なはずなのにダメなんだってのが辛いかなぁ」
「本当にね。嫌いになった訳じゃないのに。でも、奥さんの生き方も含めて奥さんだから、難しいよなって…思う」
「だよね」
「…うん」
何で人ってこんなに違うんだろう。
両想いになるだけでも奇跡なのに、こんなことになるなんて。勝手に奥さんにも感情移入してしまって、胸が痛かった。
(羽場のこと好きなんだよな。結婚するくらいだもん。なのに別れなきゃいけないなんて。でも自分だって、親が悲しむから男を好きなことをやめられるか?って言われても…どうしようもないし)
「おる?」
「…別れるって決めれたの、すごいと思う。二人とも、幸せになって欲しいから…何もできないけど、とにかく…」
何で自分が泣きそうになってるんだ。辛いのは羽場なのに。
「…何かあったら連絡しろよ。絶対、いいことあるから。それまで耐えるしかない。ごめん、そんな事しか言えなくて」
「いいこと…あるかなぁ」
「ある。正直、羽場はイケメンだし性格もまぁいいから、新しい出会いも全然あると思ってる。今はそんなこと考えられないかも知れないけど…」
その先は言えなかった。
「…羽場?」
「うん…おる、ありがとね。ありがとう…」
顔は見えなかったけど、羽場が泣いている気がした。
自分には羽場の背中をさすることくらいしかできなかった。
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