【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ

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しあわせ?




「カティと一緒に、しあわせになります。
 今までカティを育ててくださって、カティを愛してくださって、ほんとうにありがとう」

 微笑むクヒヤがカティを連れていってしまおうとするので、ルティは跳びあがる。
 両親も真っ青になった。


「え……!? カティをトロテ王国へ連れてゆかれるおつもりですか!?」

「今から!?」

 のけぞる家族に、カティは眉をさげる。


「今すぐ伴侶にならなきゃ死んじゃうって、クヒヤが言うから」

 ほだされてる……!

 ぴんくの髪の主人公なのに!

 しっかりするんだ、カティ!


「いやカティはまだ16歳だから! ドディア帝国属国は成人は18歳だよ!」

 ルティは必死でカティの肩をつかんで揺さぶった。

 思いだして!
 まだ伴侶になれないから!


「そうだぞ、カティ! 早まるな!」

「せめて18歳まで待ってください!」

 両親の懇願に、クヒヤは輝かしいほどの笑みを浮かべた。


「トロテ王国に戻って、伴侶(予定)契約を結びます。
 伴侶となるのは18歳ですが、それまでの間にトロテの慣習に慣れていただくためにも、一瞬もカティから離れたくない僕のためにも、トロテに来ていただかなくては。今すぐに」

 ヤンデレだ──!


「え、いや、クヒヤ殿下は今、留学中で……」

 何とか止めようとするルティを振りかえるクヒヤの水の髪が流れた。


「終了しました。カティに逢ったので」

 イイ笑顔だ──!


「あ、あの、クヒヤはちゃんと、予定していた科目は履修終了したんだよ。僕に逢ったからって、豪速で」

 クヒヤの印象がダダ下がりなことに気づいたらしいカティが、心配そうに弁明してくれる。


「……なるほど、放置して帰るわけじゃないと」

 さすが攻略対象、来たと思ったら学びたかったことを履修して即行帰れるほどハイスペック!


「そこは評価するけど、でもカティ、ほんとにいいの!? 危ないよ──!」

 この人、危険──!

 腕をつかんで説得してみたけれど、カティは微笑んだ。


「クヒヤ、僕がいないと生きていけないって言ってくれるんだ。そんなこと言ってもらったの、はじめてで、僕……♡」

 だめだ、ぴんくの髪の主人公チートが無力化するほど、ヤンデレ攻略対象に陥落させられてる……!


「そんなの当たり前だよ、カティ♡
 はやく、一刻もはやくカティと伴侶になりたいよ。一瞬も離れたくない」

 たくましい腕で抱きしめられたカティが、クヒヤの胸に頬を寄せて、うっとりしてる……!

「クヒヤ♡」


 …………………………。

 ちゅっちゅが家族の前ではじまりそうな二人に、ルティと両親は顔を見あわせた。


「これって、邪魔するほうが無粋なのかな……?」

「心配してるつもりが、愛しあうふたりを引き裂いちゃう……?」

 こそこそ家族会議がはじまった。


「カティだから、何とかできるんじゃないかな?」

「カティだしな」

「……まあ、カティが、ヤンデレでいいなら……?」

「……しあわせそうだし……」

「ものすごくしあわせそうだし……」

「心配だけど……」

「ものすごく心配だけど!」


 家族皆で、カティを抱きしめる。



「世界一、しあわせになってね!」


 突然のさよならに皆で泣いて、世界でいちばんのさいわいを祈った。




 カティは少ない荷物をまとめて、ほんとうにトロテ王国へと旅立ってしまう。


「いつでも帰っておいで! 待ってるから!」

 叫んだら

「帰すわけないだろう……?」

 おどろおどろしい気配を背負うクヒヤが、ヤンデレだ──!

 こわい……!











────────────────

 ずっと読んでくださって、心から、ありがとうございます!

 カティが大変ご不評で(笑)どきどきしていたのですが、めげずにずっと読んでくださった、あなたさまに、感謝の気もちでいっぱいです。

 いいねや、エール、ご感想に、とても勇気づけられました。
 ありがとうございます!

 めちゃくちゃ真面目にシリアスしようとハッピーエンドしか書かない人なので(笑)もだもだしつつ楽しんでくださったら、とてもうれしいです!

 挿絵みたいに、表紙がころころ変わるのは仕様なのですが(笑)商用フリーAIくんが頑張ってくれた絵をインスタにあげています。@siro0088
 https://www.instagram.com/siro0088/

 え!? みたいな楽しい絵も作ってくれるので、出てきたらせっかくなので、掲載してみることにしました!(笑)

 とりあえず井戸に嵌まっている(笑)トトとルティをあげてみました(笑)

 おまけの表紙も一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!





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