【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ

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両親にあいさつにゆくのです

しあわせにするよ!




 ふわふわのくちびるが、そっと、そっと重なって、はなれる。

 ルティの頬は、きっと真っ赤だ。


 きゃ──♡

 トトと、ちゅうしちゃった……!

 もじもじしつつ、トトの小指をつかまえて、きゅ、とにぎる。

 耳まで真っ赤なトトが、ぎゅっと抱っこしてくれる。


「トト、だいすき」

 ぎゅうぎゅう抱きついたら、紅い頬で笑ってくれる。


「あいしてる、ルティ」

 瞳が重なったら、くちびるをかさねたくなって、背伸びしたら、やわらかなくちびるが、くっついた。

 目をまるくしたトトが、とろけて笑う。


「ルティ、耳まで真っ赤だよ」

「トトもだから!」

 むに、とトトの耳を引っ張ったら、ルティの耳をむにむにしてくるトトまで、やっぱりだいすきなのです。






 ルティの両親はトロテ王国で遠いので、まずは近くにいるトトの両親にごあいさつです!

 下町にある、ルティの家からとても近い、ちいさな家の扉をノックする。

「こんにちはー」

 顔を出したルティを、トトの両親は笑顔で迎えてくれた。


「いらっしゃい、ルティちゃん。
 でもごめんね、トトは辺境に行っちゃったままで……」

 眉をさげるトトの凛々しいおかあさんの隣で、トトのやさしそうなおとうさんも、おそろいに眉をさげた。

「いつ帰ってくるんだか、わからないんだ。
 数年は帰らないとか言ってたけど……」

 申しわけなさそうにしてくれる両親に、扉から顔をだしたトトが手をあげる。

「ただいま」


「うわ!」

 びよんとトトの両親が飛びあがる。

「帰ってきた!」

 仰け反ったふたりは、すぐに破顔した。


「おかえり、トト!」

「帰るんなら事前に連絡してくれよ!」

 トトの肩を叩いて笑うふたりを前に、ルティは手をあげる。


「あの、大切なお話があります!」

 どきどきしながら声をあげたら、トトの両親が振りかえる。

「どしたの、ルティちゃん」

 ルティは息を吸いこんだ。


「息子さんと、伴侶になりたいです。
 よろしくお願いします!」

 前世の習慣炸裂で、ぴっしり90度、頭をさげてしまいました。

 トトの両親が、ぽかんとしてる。


「……え、いや……ルティちゃんは、コタ殿下の伴侶になるんじゃ……?」

「お断りしました」

 戸惑うトトの両親に、きっぱり言い切ったルティは、とくとく鳴る胸にそっと手をあてる。


「俺は、はじめてトトに逢ったときからずっと、トトだけが、だいすきです」

 愛する人の両親に、想いを告げるということが、こんなに恥ずかしくて、照れくさいことだなんて、知らなかった。

 燃える頬と、燃える耳で、ルティは唇をひらく。


「俺は、トトだけを、心から愛しています」


 ルティはちいさな拳をにぎる。


「俺が、トトを、しあわせにします──!」


 叫んだ。

 トトの闇の瞳が、うるうるしてる。


「俺、一生、ルティについてく──!」

 叫ぶトトに、両親がなまあたたかい目になった。


「……ああ、うん。トトはついてくな」

 トトのおかあさんの目が遠い。


「……ルティちゃんに振られたから、辺境行くって言ってたけど、勘違いだったなら、よかったよ。
 トト、世界が終わるみたいな顔してたから」

 トトのおとうさんが、うるんだ目をぬぐった。


 あたたかな手で、トトの両親が、ルティの手をにぎってくれる。

「ルティちゃん、トトを、よろしくね」

「しあわせにしてあげておくれ」

 泣きそうになったルティは、胸を張る。


「はい! 俺が、トトをしあわせにします!」

 断言するルティを、トトの腕が後ろから抱きしめてくれた。



「もう、泣いちゃうくらい、しあわせ」

 涙にかすれる声を、だきしめる。


「俺もだよ、トト」


 くちびるを、くっつけて、愛をささやきたくなったけれど、それは、ご両親のいないところでね。



 と、思ったけど!



「ちゅう」


 ほっぺなら、ゆるされると思うのです!












────────────────

 ずっと読んでくださって、ありがとうございます!

 ちゃんとお伝えしたかったので書いたのですが、さみしいことを書いてしまって、どひんしゅくじゃないかとか、お気に入り0になっちゃうんじゃとか、どきどきしていたのですが、それでもずっとお気に入りに入れてくださる方、いいねやエールをしてくださった方、おやさしいご感想をくださった方に、とても、とても励まされました。

 ほんとうに、ほんとうにありがとうございます!

 感謝のきもちでいっぱいです。

 ちょこちょこ更新できたらと思うので、もしよかったらルティとトトのお話を、楽しんでくださったら、とても、とてもうれしいです!







感想 46

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