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両親にあいさつにゆくのです
えぇえ?
王太子殿下が、ルティとトトに慰謝料をがっぽりくれました!
いやなこともあったけれど、でもどんなにトトを愛してるか、どんなにトトなしじゃ生きていけないか自覚できたし、トトとの愛が深まったし、よかったかもとルティは思う。
お金もいっぱいもらえたしね!
貯蓄だよ、貯蓄。建国のためにね。
というわけで、ちょこっと使ってトロテ王国へと出発です!
カティとこんなに離れたのは初めてで、しばらくカティのところでゆっくりしたいなと思って、ちょっとした旅行です。
ガタガタする乗り合い馬車で、お尻が割れそうになることまで、トトと一緒なら、楽しい。
「ルティ、おいで。抱っこ」
おひざ抱っこして、ルティのお尻を守ってくれようとする、やさしいトトに首をふる。
「トトだけが、お尻痛いなんて、絶対やだ。一緒に痛くなる」
でも抱っこはしたいよ!
というわけで、お隣抱っこです。
「……あー、その、俺らもいるんだけど……」
乗合馬車に一緒に乗った人たちが、戸惑ってる。ごめんなさい。
ちょこっと離れていたので、よけいにトトにひっつきたい熱が……!
仕方ないので、トトの手をにぎる。
指をからめてにぎるだけで、にぎにぎするだけで、ふわふわ頬が熱くなる。
見あげたら、トトの瞳がやさしくて、愛にあふれていて、とろけてしまう。
「ルティ、だいすき」
ちゅ
頬に口づけてくれたら、しあわせすぎる……!
「だから、俺らもいるんだけど!」
めろめろしちゃうルティを、紅い頬で抱きしめてくれるトトが今いるのは、乗り合い馬車でした……!
「くぅ……! いちゃいちゃしやがって……!」
おじちゃんやお兄さんたちに、泣かれました。
ごめんなさい。
ちょっと大きめの荷を持って、馬車を乗り継ぎ乗り継ぎ、ルティとトトは、トロテ王国へと向かう。
ほんとに真剣にお尻が割れそうで心配になってきたころ、ようやく国境の検問が見えてきた。
石造りの砦には衛士たちが詰めていて、入国する人や物品を審査しているようだ。
「トロテ王国の検問だ! ココ王国の王侯貴族は入国できない。魔紋を提示するように!」
この世界では、ひとりひとりに違う魔紋、魔力の紋様があって、王侯貴族の魔紋は周辺国に通知されているから、検問を通るときにわかるシステムになっている。
それで王侯貴族の入国を阻んだり、国賓として丁寧にもてなしたりするんだよ。
「貴族ですね、お帰りを」
ちょっと豪華な服を着ていたおじちゃんが、衛士に、ぺいってされてる。
「くぅ──! 貴族っていっても、底辺なのに!」
泣いてる。
「とりあえずぜんぶ入るなと、クヒヤ殿下のご命令です」
クヒヤがカティのために強権を発動してくれてる!
自分を虐げるために発動する強権は『ふにゅにゅにゅにゅ!』って思うのに、自分を守るために発動してくれる強権は、うれしいだなんて、強欲だ。
ちょっと反省しつつ、ルティはトトと一緒に検問の列に並んだ。
ドディア帝国属国同士であっても入国のときは、麻薬とか毒物とか魔物とか、危険な魔道具とか、呪いのブツとか、輸入禁止なものを持っていないか、チェックされるんだよ。
防衛がきっちりしてる国は、信頼できてよいと思う。めちゃくちゃ待たされるけど!
でも、トトと手を繋いでたら、何時間待っても平気だ。
「トト、抱っこ、つらくない?」
「全然。ルティ、羽みたいにかるいから」
にこにこトトが抱きあげて、ちゅっちゅしてくれる。しあわせ♡
「検問なのに、まだいちゃいちゃしてる……!」
馬車で一緒だったおじちゃんやお兄ちゃんたちが、泣いてる。
「次の者!」
身体をぱんぱんされて、鑑定魔法で所持品や悪意を看破するのだろう、青い光が身体を伝った。
魔紋を出して、平民なことも証明できたルティは、手をあげる。
「こんにちは。クヒヤ殿下の伴侶(予定)なカティの弟、ルティです。
カティにルティが来たって伝えてくれますか。クヒヤ殿下にも」
ルティの言葉に、衛士たちの間に、戦慄が走ったのが見えた気がした。
「また来やがった!」
「187人目のルティか──!」
…………えぇえぇええ…………?
ルティって、俺のほかに、186人もいるの……?
────────────────
ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!
連載中だったお話が完結して、新しいお話をはじめてみたので、ルティとトトと一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
すんなり逢えるかと思ったら、偽者がいっぱいなルティです(笑)
トトがいっしょなら最強なので、両親とカティに逢えるまで、ルティ、がんばります!(笑)
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