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あなたのオメガに
しおりを挟む師匠に『危ないから帰れ』勧告された俺は、工賃をもらい、市場で野菜と、久しぶりの! お肉をちょこっと買って帰ろうとしたら、腕をつかまれた。
「ルゼ──!」
目の下に、すんごいクマができてるけど、それでも輝いてる顔面に息をのむ。
「ジークさま? どうしたんですか、こんな下町で」
俺の腕に喰いこむ指が『もう二度と離さないぞ……!』みたいになってるんですけど……!
「ルゼ、逃げろ、そいつだ──!」
悲鳴に振りかえったら、師匠だ。
心配してくれたのだろう、買い物が終わってから幽霊屋敷まで俺を送ってくれようとしたらしい師匠が、泣きそうになってる。
「え、なにが?」
「ルゼの刺繍を買いまくって、かぎまくってるのは、こいつだ!」
下町が、ざわざわしてる。
ちょっと泣きそうになったジークが告げる。
「魂のつがいに逃げられたアルファは、皆こうなるから!」
涙目だ。かわいい。
「いや、あの、ジークさま『オメガの蜜』をかぶっちゃって、おかしくなったんじゃ?」
首をかしげる俺に、ジークが首をふる。
「おかしくなってない!」
まっすぐな瞳で、見つめてくれる。
「俺のつがいは、ルゼだ!」
…………もしかして、これは……告白、なの、かな……?
え、本気で……?
ほ、ほんと、に……?
じーんとしそうになった俺は
「きゃ──!」
「告白してる!」
「かわいー♡」
「振られるんじゃないか?」
「かぎまくってるらしいぞ」
ざわざわする声に、はずかしくなった。
「どうしてこんなところで、こんな大事なことを!」
泣きそうになる俺に、ジークが告げる。
「またルゼが、逃げるから。
つがいに逃げられたら、アルファはおしまいだ。
魂のつがいのオメガに捨てられたら、アルファは儚くなっちゃうんだよ!」
……そうなの?
「……え、いや、でも、かんちがい……」
首をふる俺にかぶせるように、ジークが叫ぶ。
「じゃないから! あいしてる、ルゼ!」
「……え、でも、オメガの蜜で錯乱してるだけなんじゃ……?」
「あんな違法な薬品で、どうこうなるわけないだろう!」
「……えぇえ……?」
首をかしげる俺の肩で、シフィが笑う。
『一朝一夕で、信じられるものじゃないよね。
がんばって、ジーク!
ルゼに愛が届くまで!』
シフィの指が、ジークにふれる。
目を見開いたジークが、空を見あげた。
「……まさか……精霊の、祝福……? ルゼ、きみは……」
ぼうぜんとするジークの頭を、なでなでする。
「今はちょっと錯乱してるだけで、落ちついたら、理性が戻ってきますからね。
しばらく休養しましょうね。
じゃ!」
しゃっと手をあげて立ち去ろうとしたら、ジークに腕をつかまれる。
「逃げないでくれ、ルゼ!
あいしてる!」
「……うそー……」
最愛の推しが?
俺を?
あいしてる?
「うそー!」
「うそじゃないから! あいしてるんだ、ルゼ!」
泣いてすがってくれるなんて。
最愛の推しが。
ちがう、ゲームより、ずっとリアルで、ずっと情けなくて、ずっと可愛くてたまらない、あなたが。
俺を愛してくれるだなんて。
俺を、つがいにと望んでくれるだなんて。
そんなの全然全く信じられないから。
信じられる日が来るまで、愛をささやいてください。
俺が、あなたのオメガになる日まで。
────────────────
最後まで読んでくださって、ほんとうにありがとうございました!
ルゼとジークのお話は、タイトルのとおりに(笑)これで完結です!
明日の夜くらい? に、ふたりの動画をあげられたらと思います。もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞです! → あがりました!
ジークの愛です(笑)かわいくできたと……!(笑)
いいねやエール、ご感想で応援してくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました!
ちょこっとでも楽しんでくださったら、とてもとても、うれしいです。
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