【完結】残念な悪役の元王子に転生したので、何とかざまぁを回避したい!

  *  ゆるゆ

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もしかして、フラグ?

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 皆の自己紹介かあ、へええ、色んな国があって、色んなところから来てるんだなあ。

 魔法を学べる学校が、この世界では、ビエル王国のキォタナ魔法学園だけだかららしい。

 色んな種族とえっちするためだよ、勿論!!
 R18BLゲームだからな。


 遠いところから折角来たのに、魔力底辺って言われてしょんぼりクラスかと思っていたら、皆あらかじめ解っていたのか、意外に明るい。

 でも魔界出身は、俺だけっぽいなあ。

 
 感心してるうちに、ホームルームが終了してた。
 テチのさわやか、白い歯きらんを沢山見逃してた。



 今日は式だけで、明日から授業だそうだ。

 キォタナ魔法学園では魔法の仕組みと実践、オリジナル魔法の作り方を学んでゆく。

 炎とか雷とか、危険な攻撃魔法も扱うから、成人の18歳になってから入学が許可される。

 ……いや、ほんとは、えろいこと、やりまくりまくるためだと思うけど!
 合法大事!


「じゃあ、明日から授業だ。
 しばらく座学で魔法の基礎を学んでから、魔法の実践へと移ってゆく。
 皆で、魔力最低クラスを抜け出せるようにがんばろーな!」

 白い歯を輝かせて、テチが手を振った。

 思わず振り返したのは、俺だけだった。


 は、はずかし────!


 机に顔を突っ伏してるうちに、皆が立ちあがってざわざわする。
 下校の時間だ。

 前世の記憶はあんまりないのに、さみしかったことや、辛かったことだけ、ぼんやり憶えてる俺の残念な記憶装置は、ひとりぽっちの帰り道を映し出した。


 登校初日から、皆に嘲笑われたしな。

 今世も、ひとりぽっちかな。


 しょんぼりしていたら、隣から声が降る。


「ねーねー、リユィくん、一緒に帰ろーよー」


 …………おぉお!?

 一緒に下校!
 登校初日から!

 俺、すごい!
 じゃない、瓶底眼鏡くん、やさし────!!!


 目がめちゃくちゃきらきらしたと思う。


「そんな喜んでくれると思わなかった!」

 お腹を抱えて、トエが笑う。

 ちょっとぷくりと膨れた俺は、いそいそ一緒に帰ろうとして、アルフォリアに言われたことを思い出した。


「ごめん、トエ、ちょっと約束してて」

 首を傾げたトエが、笑いを引っ込めた。
 俺の顔を覗き込む。


「……もしかして、殿下?」

「う……うん」

 こそっと頷いたら、トエは眼鏡に重なって見える眉を顰めた。



「もしかして、生徒会室?」

「お、おう」

 きゅ、とトエが、桜色の唇を引き結ぶ。



「殿下には、気をつけた方がいいよ」

「え?」

 首を傾げた俺に、トエは声を落とす。




「……目をつけられたら、生徒会室に呼ばれる。
 一回行ったら、もう、戻れないって」










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