おひめさまな俺、帝王に溺愛される

  *  ゆるゆ

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いや




 誘惑しないなんて

「いやです」

 あなたに、もっと、愛でてほしいから。


 思うだけで、顔が熱い。


 ラザさまの、おねだりなら、何だって聞いてあげたい俺ですが。
 ラザさまの、おしかりは、あんまり聞く気もちが起きないのですよ……!
 ごめんなさい!


 火照る頬を隠すように

 ぎゅう

 抱きついたら、紅くなったラザが、抱きしめてくれる。

 低く、かすれた声が、耳朶に降る。

「……抱くぞ」

『うれしい』

 つむぎかけた言葉は、口のなかで消えた。


 ……俺は、男です。

 打ち明けても、あなたは、そう言ってくれますか……?


 ──そんなこと、天が裂けても、ありえない。

 思った瞬間、泣き崩れそうになる。



 ──俺は、ずっと、あなたを、だましている。

 真実が、胸を刺す。



「レイ?」

 心配そうに、ラザが俺の顔をのぞきこむ。

「心配するな。これでも理性は鋼鉄だ。今まで耐えたんだから。あと2年くらい、耐えてやる」

 ささやきに、涙を隠すように、うなずいた。


『ごめんなさい、ラザさま。
 その2年後は、きっと来ない』


『──俺は、男だから』

 言えない言葉が、苦く、苦く、胸を裂いた。

  



 しょんぼりする俺をあやすように、ラザが抱きしめてくれる。
 白い天蓋に包まれるたび、あなたとふたりだけの世界になる気がする。

 ……ほんとは向こうにヤヤや騎士が控えていたりするけれど、見えない、聞こえないふりは、とっても上手になった。


 白い寝台で、俺の髪をすきながら、ラザがささやく。

「メゼア帝国は、巨大だ。
 歴史も長く、国も大きく、貴族たちは血で繋がって、強大な権力をほしいままにし、不正や収賄、権力をかさに着た差別や暴行や理不尽な徴収が横行している」

 俺はラザの陽の瞳を見あげる。

「お父上の代で、腐敗が更に進んだと、うかがいました」

 ラザは、うなずく。

「父は……弱い人だったんだと思う。腐敗した貴族たちに立ち向かうより、流されるほうを選んでしまった。
 そういう父を見ていたから、俺のような子どもが育ったのだろう。わるいことばかりでは、ないのかもしれん」

 ちいさく笑ったラザが、俺の頭をやさしくなでる。

 国と国との関係を理解するための基礎知識として、メゼア帝国の歴史も学んだから、知っている。

 上位貴族、高位貴族たちを断罪しようとした帝王が暗殺され、高位貴族が産んだ子が王となり、傀儡の帝王が生まれたことさえあったことを。


 ──今も、ラザさまは刺客を差し向けられている。

「ラザさままで、お命を狙われるなんて……」

 唇の端をあげたラザが、俺の額に口づけてくれる。

「命を狙われようと、返り討ちにできる。
 自信ができたからこそ、はじめたんだ。
 ──一掃を」











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 ずっと読んでくださって、ほんとうに、ありがとうございます!

 近況ボードにもお書きしたのですが『もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています』というお話が、第12回BL大賞さまで選んでくださった編集部の皆さま、多大なるご尽力をたまわりました編集者さま、応援してくださった皆さまのおかげで、本になることになりました! イラストは、サマミヤアカザさまです!

 web版3人称から書籍1人称になり、骨折した肩で(笑)ほぼ全文を書き直し、新しいエピソードがたくさん入って376Pで、web版は5月17日まで無料です!

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 いつもなら、すぐ力尽きて1日1回更新になるのですが(笑)そろそろあやしいですが(笑)まだ何とか2回更新をつづけていられるのは、お忙しいなか、お時間をつくって読んでくださる方、お気に入りに入れてくださった方、いいねやエール、ご感想で応援してくださる方のおかげです!

 レイちゃんとラザを書くのは、とっても楽しいのです!(笑)
 楽しさが伝わっていたら、ふたりと一緒に、とてもうれしいです。

 ずっと読んでくださること、心から、ありがとうございます!



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