【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

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ひみつなのです

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 エヴィに腕枕するヴィルの背中にくっついて、ノィユは寝ることになりました。

 後ろ抱っこだよ!

 真っ赤になるヴィルの耳が見えてかわいい。

「えへへへへ」

 ちょんちょん赤い耳をつついたら、もっと真っ赤になって、もっとかわい──!

「く──! め、目の前でいちゃいちゃするなぁアァア──!」

 叫ぶエヴィが、ヴィルの腕枕なので顔が真っ赤で、いつもの百分の一も、こわくない。
 精霊さんみたいなエヴィのかんばせが、にやけ崩れてる。

 エヴィの向こうのトートが泣いてる。
 かわいそうなので、ハンカチをたくさん差し入れてみた。

「うぅ、ありがとう、ノィユ」

 鼻をすするトートもエヴィを後ろ抱っこしているのだけれど

「なんかしたら、本気で蹴るから」

 エヴィの潰す発言が、本気だ。

 カタカタしてるトートは、たぶん『めちゃくちゃ燃える』体勢だったのが、しょぼんとしたみたいだ。

 よ、よかったよ、隣で、はじまらなくて!

 ……いや? 後学のために見せてもらったほうがよかった……?

 ヴィルは近寄りがたいほどのかっこよさ、エヴィは息をのむほどのきらきらさ、と系統がちょっと違うのだけれど、ちゃんと血が繋がっていることがわかるくらいは、似ている。

 ということは、トートとエヴィのは、ヴィルのが香るはずで──

 きゃ────────♡♡♡

 燃える頬で、もだもだした!
 それは、それは是非参考にさせていただいたほうがよいのでは!?

 こ、ここはトートに元気を取り戻してもらって、是非、目の前で──!?


「またえろいこと考えてるだろう、このえろ3歳児!」

 真っ赤なエヴィが頭の中を読んでくれます。不思議!

 ……すごい修飾語がつく3歳児になってしまいました。

 ちょっと赤くなってるヴィルが、とってもかわいー!


 エヴィにくっつくトートと、エヴィに腕枕なヴィルと、ヴィルにくっつくノィユという密着4人で眠りました。

 後ろ抱っこでも、ヴィルのとろけるようないい匂いを胸いっぱい、心ゆくまでふんふんできるので、あったかくて広くてたくましいヴィルのお背なを思う存分抱きしめられるので、とってもしあわせでした。


「……ノィユ、やきもちは……?」

 朱い頬で、すねたみたいにささやくヴィルが、最高にかわい──!




 

 やすらかな寝息が夜を揺らす。

 いつエヴィとトートがはじまるかと息をつめて伺っていたノィユは、至福のかんばせでヴィルの腕枕で眠るエヴィと、エヴィの肩によだれをくっつけながらくーくー眠るトートに、非常に、非常にがっかり吐息した。

 ノィユの息が、ヴィルの背にふれる。
 そっと指をすべらせたら、なめらかな筋肉の隆起や、つややかな肌が、あたたかなぬくもりが、しみてくる。

 ちゅ

 こっそりヴィルのうなじに、うしろから口づける。


 ちゅうなら、だいじょうぶ。

 ……なら、キスマークは……?

 だいじょうぶ、かな……?

 ちゅうって吸うだけ、だから、平気、だよ、ね……?


 とくとく、鼓動が跳ねる。

 ぎゅう、とヴィルに抱きついたノィユが、ヴィルのうなじに吸いつこうとしたら

「……ん……のぃゆ……?」

 あまい声で、抱き寄せてくれた。

 いたずらが、ばれた時よりずっと恥ずかしい燃える頬を、ヴィルの背中にうめる。


「……ねむれ、なぃ……?」

 寝ぼけたやさしい声に、熱い頬でノィユは笑う。

「どきどきしちゃって。だいじょうぶ。おやすみ、ヴィル」


 ちゅ

 やさしい伴侶の頬に、くちびるを、くっつける


 ねぼけてるのに、ヴィルがとろけるように笑ってくれる。


 最愛の伴侶を抱きしめて眠る夜は、いつだって、至福なのです。






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