悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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ぷにぷに




 素行の大変わるい王族さんは、王宮を追いだされて、王都のはずれの離宮にお暮らしだそうです。

 魔法学園にも、ほとんど行ってないんだって。

 試験も受けないし、公式行事も欠席、公務もしないでおさぼり、言葉遣いも粗暴だし、ちっちゃい子に叫ぶらしい──!

 ひ、ひどすぎない……!?

 さすが、あんまりよろしくない素行!

 こわい……!


 でもね。僕もね……!

 主人公にいじわるするために、学校に行ってたんだよ。ちっともお勉強しなかったよ!

 試験は受けないし、公式行事も欠席だし、公務とか『伴侶(予定)だからしなくていいよね♡』だし、言葉づかいは、ふにゃふにゃだし、よくカイに

「かっこいー! きゃ──♡」

 って叫んでるし。


 ……あれ、僕のことじゃない……?

 もしかしなくても、素行わるい仲間じゃない!?

 もしかして、もしかしたら、仲よくなれるかも!



「ぼ、僕、もしかしたら、仲よくなれるかも!」

 期待に満ち満ちて見あげたロドお兄ちゃんは、吐息した。

「……まあ、昔は、仲よかった気がする。といっても、面識がちょっとあるくらいだと思うけど」

「あ、僕、逢ったことあった? だあれ?」

 聞いたらロドお兄ちゃんは凛々しい眉をひそめる。

「……ゆりちゃん、おぼえてない……? ノゥスさまだよ」


 ………………ノゥスさま……?


「ロド兄──! ゆりちゃんに何てことを聞くんだ……!
 今ゆりちゃんは、記憶が混濁して、大変なんだぞ! どうして追い詰めるようなことを言う──!」

 騎士の鍛錬をしていたはずのサザお兄ちゃんが、爆速で駆けてきてくれました!

「ご、ごめんね、ゆりちゃん……!
 ゆりちゃんのお兄ちゃんな僕ともあろう者が、なんてひどいことを……!」

 真っ青になるロドお兄ちゃんに、僕は首をふる。

「へいき、ロドお兄ちゃん。サザお兄ちゃんも、ありがとう」

 感謝をこめて、笑ってみました。
 いつもより、ほっぺが、ぷにぷにだよ。


「あぁ、ゆりちゃん、なんてかわいい……!」

「天使──!」

 お兄ちゃんたちが、僕をぎゅむぎゅむして抱っこしてくれました。


 素行のわるい王族さんは、昔に面識がちょこっとあって、魔法学園に通ってるんだから歳も近いみたいです。


「昔から、態度があんまりよくなかったの?」

 聞いた僕に、お兄ちゃんたちが顔を見合わせた。


「……いや、最近……?」

「いつからだっけ?」

 頭がよくて、記憶力もいいはずのお兄ちゃんたちも、首をかしげてる。

「あんまりご公務にもいらっしゃらないし」

「印象が、粗暴しかない」

 おぉ、印象が粗暴……! だいふくな僕と、ちょ、ちょっとだけ、ちがうタイプかな……??

 ………………。

 でも僕、主人公の教科書を隠したり、ノートを破いたり、突き飛ばしたりしたんだよ──!

 十分すぎるほど粗暴だよ! 酷いよ! さいていだよ!

 ああ、噂が落ちついたら、主人公に『ごめんなさい!』って、ちゃんと謝りに行きたいよ──!


「……僕のほうがひどいから、仲よくできるかも」

 すんすん鼻をすする僕を、お兄ちゃんたちが抱っこしてくれる。


「あぁ、ゆりちゃん……!」

「つらいなら、行かなくったって──!」

 僕はふるふる首をふる。


「行くの!
 光の魔力をもらったら、僕、治癒魔法が使えるようになるかも!」

 ちょこっとしたすり傷だけじゃなくて、ささくれも治せるようになるかも!


「何かある前に、わたくしが全力でお守りします!」

 うるうるの涙目のカイが、何もない今から剣を抜こうとしてる!


「だ、だいじょうぶだよ、カイ。ちょこっとお話するだけだから」

 し、しかし、素行のわるい王族が、だいふくの首にちゅうして、魔力をわけてくれるかな……?


 あ、ありえなくない……?


 で、でも、カイが泣いちゃうから……!

 やれるだけやってみて『大福が何を言ってんだ!』追い払われてから帰ろう!


 何にもせずに、カイが泣いてるのを放置するのは、いやなのです!


 悪役令息を改めたい、ぷにぷにだいふくユィリとしては!







 
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