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たどりつきました!
申しわけなくて涙目になった僕は、ようやく、ようやく! きんにくひめの元まで、たどり着きました。
でもね、僕が倒れてから次の朝だからね。
そんなにお待たせしてないからね!
倒れた翌朝にも、ちゃんと来る僕!
悪役令息じゃなくなる僕です!
えへん!
胸を張る、もちもちな僕の心の中がわかったみたいに、セゥスさまが、なでなでしてくれる。
やさしい。
うれしい。
ほっぺが、ふあふあ熱くなって、がんばる気もちが満ちてくる。
あなたの隣にいられなくなったら、世界が終わってしまうような気がするみたいに。
あなたが隣で笑ってくれたら、どんなこともできる気がするのです。
「よし、じゃあ今日も頑張っていきます!」
カイとセゥスさまの魔力をもらったので、たぶん昨日よりは頑張れるはず!
──と、思ったのですが。
「……んん、カイ、ちょこっとだけ魔力ください」
腕を伸ばしたら、とろけるようにカイが笑ってくれる。
「よろこんで」
「待って、ユィリ、魔力なら僕が」
セゥスさまが補給してくれようとするのを、カイが止めた。
「あなたが光の魔力を補給しすぎて、ユィリさまのなかで魔力の均衡が崩れているのですよ。
水の魔力を補給できるのは、わたくしだけですから」
カイが、とってもいい笑顔だ。
この間から魔力を補給してもらっているので、体の中の魔力のバランスが、ちょこっとわかるようになってきたよ。
今は光が多めなので、魔力探査がちょっとしにくそうなのです。
きんにくひめは体積がおっきいので、万全の状態で臨みたいよ!
またちょこっと頑張って、しゅるしゅる終了とか、さみしすぎるのです。
がんばる僕!
『いや、魔力もらってるだけじゃん』
『自分の力じゃないじゃん』
『がんばってないじゃん』
わかってるから言わないで!
魔力をもらわないと、今の僕はちょっと頑張ることさえできないのです……
これは一朝一夕には改善できないからね。
毎日魔力の修練をがんばって、ちょっとずつ使える魔力を増やしていこうと思います。
ちゅう
カイが、僕のうなじに口づけてくれる。
ひんやり冷たくて、ほんのり甘いカイの魔力が満ちてゆく。
「はい、ありがとう!」
ぎゅう
小さな頭を押しのけた僕に、目を見開いたカイが、ぶっすりしてる。
「……まだ、ほんのちょっとしか……」
「魔力の均衡が、ちょこっと、わかるようになったんだよ!
これでとってもいい感じ!」
ちっちゃな両手を握った僕は、目を閉じる。
「じゃあ、いきます!」
「がんばって、ユィリくん!」
トトラの応援を背に、僕はきんにくひめの、おっきい手を、そっとにぎった。
昨日もしてみたから、やり方は、なんとなく身体が覚えてくれている。
今日はセゥスさまとカイの魔力が補充されたけど、僕の魔力が大きくなったというより、僕の魔力はちっちゃいままなんだけど、補充する魔力タンクが隣に控えてくれてる感じ。
ほっそい蛇口の上に、ちっちゃいタンクがついてたのが、予備の大きいタンクがつきましたみたいな感じなんだよ。
出てゆく魔力は細いままなので、きんにくひめの、おっきい身体のなかにも、そうっと入ってゆけるみたいです。
僕の髪が、こぼれる魔力に舞いあがる。
あぁ、もったいない──!
じゃなくて集中です!
きんにくひめの指から、そうっと僕の魔力を流しこむ。
昨日、行けたところまでは、僕ときんにくひめの間に道ができたみたいで、すんなり通してもらえた。
その先を、傷つけないように、驚かせないように、細く細くした魔力で、そうっとたどる。
カチリ。
硬い、硬い何かに阻まれるように、僕の魔力が止まった。
「…………あ。……何か、ある……?」
僕の魔力、ほっそいほっそい、多分この世界で最弱の僕の魔力さえ入る隙間のない、みっちりした何かが、ひめの魔力の道を塞いでる。
────────────────
ずっと読んでくださって、ありがとうございます!
やっと、きんにくひめ来ました!(笑)
というわけで? のーすちゃんの、あいしてる動画が、しっぱいしたのと(笑)ちょっとカイっぽいけどリベンジしたのが(笑)あがっています。
インスタ @yuruyu0 アイドルっぽいセゥスや、こんなになってたら話が違ってたユィリもいます(笑)
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
もうすぐユィリも2か月になります。連載中にこんなにお気に入りに入れていただいたのは、初めてだと思うのです。
だいふくユィリが、いちばんに……!(笑)
まだ連載させていただいているのは、お気に入りに入れてくださる方、いいねやエール、ご感想で応援してくださる方、だいふくユィリをずっと見守ってくださる、あなたさまのおかげです。
ユィリがほんとうにセゥスがだいすきで、ああこれはお気に入り0になるかもと思ったのですが、それでもずっと応援してくださる方、見てくださる、あなたさまに、感謝の気もちでいっぱいです。
心から、ありがとうございます!
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