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えへへ
しおりを挟むあわわわわ!
セゥスが激おこになっちゃった!
あわあわ僕は口を開く。
「だってカイは家族だよ。だいすきだよ!」
カイを背にかばうように両手を広げる僕に、セゥスが吐息する。
「わかってる。それでも僕が、しょんぼりしちゃうのは、わかってくれる?」
さみしそうに眉をさげるセゥスに、びっくりした僕は、ぶんぶんうなずいた。
「ご、ごめんなさい……!」
反省しました。
僕にとってカイは家族だけど、他の人から見たら浮気してるようにしか見えないかも!
「心の狭い伴侶(予定)ですね」
ふんと鼻を鳴らすカイに
「あたりまえの反応だから!」
いつも冷静なセゥスが叫んでる。
……それだけ、セゥスは僕を想ってくれているのかな……?
──ずっと、僕が、一方的にあこがれているんだと思っていた。
セゥスはいつだって輝くように完璧な人で、誰もがほしがる、誰もが傍にいきたがる人だ。
僕のことは、治癒魔法が使えるから、仕方なく伴侶(予定)にしてくれた……いや王家からのお願いだったけれど、でもセゥスにしてみたら仕方ない伴侶(予定)だったと思っていたのに。
僕のこと、ほんとうに、ずっと想ってくれていたから、こんな風に、すねてくれる……?
今まで実感がなかった、セゥスがくれた言葉が、セゥスのやきもちで、輝きはじめる。
ちょこんとセゥスの小指をつかまえた僕は、僕よりずいぶん背の高いセゥスを見あげる。
「ごめんなさい、セゥス。
……あの、僕のこと、想ってくれたら、とっても、うれしい」
ほわほわ熱い頬で告げたら、セゥスの周りにお花と♡が飛んだのが見えた気がした。
「ユィリ──♡」
ぎゅうぎゅう抱っこしてくれたら、セゥスのとろけそうな香りにくるまれる。
ふうわり紅い頬で、あなたが笑ってくれたら、僕、とってもしあわせなのです。
「うん、こっちのことも思いだしてくれる?」
ザイお兄ちゃんが、切ない顔になってる!
「いつものことだから」
カイとザイお兄ちゃんが、わかりあってる!
カイの魔力も落ちついたので、皆でふたたびお茶とお菓子を囲むことになりました。
「もっちもっち、これもうまいぞ」
ザイお兄ちゃんが、ふわふわの真白なケーキを取り分けてくれる。
「わーい! ザイお兄ちゃん、ありがとうー。
うまー!」
ぴょこんと椅子からお尻が浮いてしまう僕に、カェザイがやわらかに目をほそめて、カイの瞳が遠くなる。
「……俺よりずっと、ゆりさまのほうが、弟と兄みたいですね」
あわあわ手をのばした僕は、カイの頭をなでなでした。
「そんなことないよ。カイのお兄ちゃんだよ」
ふうわりカイのまなじりが朱くなって、ちょっとセゥスがぷっくりしているので、セゥスの頭も、なでなでした。
「えへへ」
笑ったら、セゥスもふうわり紅い頬で、とろけるように笑ってくれる。
僕をおひざ抱っこしようとするセゥスを止めたのは、ザイお兄ちゃんだ。
「話をしようか」
僕とセゥスに慣れてきてくれたみたいだよ!
「ほんとにカイにカェザ大公国、大公を押しつける気なの?」
凛々しい眉をあげるセゥスに、しっかりカェザイはうなずいた。
「もちろん。カェツァが来てくれたのが分かって、踊りながら迎えに行ったんだぞ!」
おどってた!
「……闘いとか、殺しあいとか、殺伐とした血縁なんじゃ?」
疑わしそうなカイに、カェザイは首をかしげる。
「ころしあいたい?」
「全然」
首をふるカイに、ザイお兄ちゃんが笑った。
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