176 / 196
ぴかぴか
しおりを挟む「くーちゃんが、よくなって、よかったですね、ノクさま!」
にこにこしてたら、のーすちゃんとくーちゃんとノクさまのお家の周りを警戒してくれていた海くんが戻ってきてくれた。
「ゆり、なんか来た」
海くん、お知らせが、くーちゃんみたいになってるよ!
「?? なんかって?」
首をかしげる僕の頭をなでなでしてくれた海が告げる。
「ぴかぴかなの」
海くんの言葉に、ノクさまも、のーすちゃんも、くーちゃんも、不思議そうに首をかしげた。
「おかあさんが来るときは、ひっそりした馬車で来るけど……」
ノクさまに『おかあさん』呼びされるのが、のーすちゃんと、くーちゃんとセゥスのおかあさん、ロベナ王国王陛下だよ。
セゥスが凛々しい眉をひそめる。
「……まさか……」
「ちょっとぴりっとしてる。暗殺者は乗ってないが、騎馬の騎士を連れてる。俺ひとりで何とかできるくらい。
ぽこる?」
気さくに聞いてくれる海くんが、強すぎる件について!
「ま、ままま待って! いきなりぽこるのは……!」
先制攻撃はゲームなら『わーい! えい!』だけど、実際にすると『ななな何するんだ!』ってなっちゃうよ!
「ぴかぴかしてるのの相手は、僕がしよう」
のーすちゃんと、くーちゃん、ノクさまを守るようにセゥスが微笑んだ。
「セゥス、かっこいー」
ぱちぱち拍手して、うっとりした頬で見あげたら、引きしめた顔を溶かしてセゥスが笑ってくれる。
「ユィリのためなら、なんだって、がんばれるよ」
きゅ、と僕を抱きしめてくれた腕が、硬いノックの音に離れる。
さっきまでのやさしい顔が嘘みたいに、いかめしいお顔になるセゥスが、かっこいー! きゃー! と言っている場合ではないのです!
「海、ノゥス、カイ、戦闘準備」
セゥスのしずかな声に、海もノゥスも、ずっと見守ってくれていたカイもうなずいた。
「了解」
「いつでも来やがれ!」
「必ずお守りします、ゆりさま」
剣を抜く三人の前で、扉が開く。
薄青の長い髪が、夏が香りはじめた風に流れた。
きらびやかな装束をまとう男性の緑の瞳が、見下すように細められる。
「第一王配に剣を向けるとは、さすが第二の下賤な子」
「……っ」
のーすちゃんが剣を引くより、ノクさまが眉を跳ねあげるより、くーちゃんが、ぷっくりふくれるより、セゥスが口を開くより速かった。
「なんてことを、おっしゃるんですか! 先ぶれのない突然の訪問者を警戒するのはロベナ王国では当たり前のことです!
のーすちゃんと、くーちゃん、ノクさまに、謝ってください、セァナ第一王配殿下!」
叫んだ僕に、セゥスとよく似た緑の瞳がまるくなる。
「……きみは……」
「ユィリ・ロドアです、第一王配殿下。
苦しい気もちも、さみしい気もちもわかります。それでも敵をつくっても、いいことなんて、ひとつも返ってきませんよ」
セァナの薄青の眉が跳ねあがる。
「ずいぶんと生意気な口を利くようになったじゃないか、もっちもっち」
第一王配殿下にまで『もっちもっち』呼ばれてしまう僕!
「父上、無礼は、そこまでに。ノクさまも、ノゥスもクゥスも言わないから、私が陛下に奏上することになります」
僕と皆を守るように前に踏みだしたセゥスの、若葉の瞳が切れあがる。
────────────────
ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!
セゥスのこと、ちゃんとしてなかったので、せっかく帰ってきたので、ちゃんと向きあいますね──!
がんばれ、セゥスともっちもっち!(笑)
くーちゃん可愛いとのお声をたくさんいただいたので、くーちゃん大喜びです!
「ぼく、いけないこだったのに、びっくりなの! ありがとうなのー!」
というわけで、くーちゃんの動画を作って、あげる予定です!
この後あがると思うので、もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞですー! → あがりました!
お気に入りに入れてくださった方、いいねやエールやご感想で応援してくださる方、お忙しいなかお時間をつくって読んでくださる、あなたさまのおかげで、もっちもっちユィリのお話が続いています。
もっちもっちと皆といっしょに、心から、ありがとうございます!
486
あなたにおすすめの小説
姉の聖女召喚に巻き込まれた無能で不要な弟ですが、ほんものの聖女はどうやら僕らしいです。気付いた時には二人の皇子に完全包囲されていました
彩矢
BL
20年ほど昔に書いたお話しです。いろいろと拙いですが、あたたかく見守っていただければ幸いです。
姉の聖女召喚に巻き込まれたサク。無実の罪を着せられ処刑される寸前第4王子、アルドリック殿下に助け出さる。臣籍降下したアルドリック殿下とともに不毛の辺境の地へと旅立つサク。奇跡をおこし、隣国の第2皇子、セドリック殿下から突然プロポーズされる。
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
当て馬だった公爵令息は、隣国の王太子の腕の中で幸せになる
蒼井梨音
BL
箱入り公爵令息のエリアスは王太子妃候補に選ばれる。
キラキラの王太子に初めての恋をするが、王太子にはすでに想い人がいた・・・
僕は当て馬にされたの?
初恋相手とその相手のいる国にはいられないと留学を決意したエリアス。
そして、エリアスは隣国の王太子に見初められる♡
(第一部・完)
第二部・完
『当て馬にされた公爵令息は、今も隣国の王太子に愛されている』
・・・
エリアスとマクシミリアンが結ばれたことで揺らぐ魔獣の封印。再び封印を施すために北へ発つ二人。
しかし迫りくる瘴気に体調を崩してしまうエリアス……
番外編
『公爵令息を当て馬にした僕は、王太子の胸に抱かれる』
・・・
エリアスを当て馬にした、アンドリューとジュリアンの話です。
『淡き春の夢』の章の裏側あたりです。
第三部
『当て馬にされた公爵令息は、隣国の王太子と精霊の導きのままに旅をします』
・・・
精霊界の入り口を偶然見つけてしまったエリアスとマクシミリアン。今度は旅に出ます。
第四部
『公爵令息を当て馬にした僕は、王太子といばらの初恋を貫きます』
・・・
ジュリアンとアンドリューの贖罪の旅。
第五部(完)
『当て馬にした僕が、当て馬にされた御子さまに救われ続けている件』
・・・
ジュリアンとアンドリューがついに結婚!
そして、新たな事件が起きる。
ジュリアンとエリアスの物語が一緒になります。
S S
不定期でマクシミとエリアスの話をあげてます。
この2人はきっといつまでもこんな感じなんだと思います。
エリアス・アーデント(公爵令息→王太子妃)
マクシミリアン・ドラヴァール(ドラヴァール王国の王太子)
♢
アンドリュー・リシェル(ルヴァニエール王国の王太子→国王)
ジュリアン・ハートレイ(伯爵令息→補佐官→王妃)
※扉絵のエリアスを描いてもらいました
※本編はしばらくお休みで、今は不定期に短い話をあげてます。
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
徒花伐採 ~巻き戻りΩ、二度目の人生は復讐から始めます~
めがねあざらし
BL
【🕊更新予定/毎日更新(夜21〜22時)】
※投稿時間は多少前後する場合があります
火刑台の上で、すべてを失った。
愛も、家も、生まれてくるはずだった命さえも。
王太子の婚約者として生きたセラは、裏切りと冤罪の果てに炎へと沈んだΩ。
だが――目を覚ましたとき、時間は巻き戻っていた。
この世界はもう信じない。
この命は、復讐のために使う。
かつて愛した男を自らの手で裁き、滅んだ家を取り戻す。
裏切りの王太子、歪んだ愛、運命を覆す巻き戻りΩ。
“今度こそ、誰も信じない。
ただ、すべてを終わらせるために。”
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる