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舞踏会編
あるある?
しおりを挟む歌もダンスもそんなにできなくて、しょんぼりするリトを、ノィユたんが励ましてくれました。
やさしい。
感動してたら、ルディア帝都に、到着しましあ!
ぽふぽふしっぽで、ぱちぱち拍手するリトを、皆がなまあたたかい目で見てくれる。
やさしい。
ありあと、ござまし。
「リトかわいー」
ぎゅむぎゅむしてくれるジゼしゃまが、今日もとびきり、やさしいです。
「ではさっそく、父上の友で天才魔道具士のノザ・ロァルドさまに連絡をとる。楽曲と、動きを録画する魔道具を依頼してみよう」
「ありがとうございます!」
透夜とノィユが喜んでる。
アイドルダンスに、動画と曲は必須だよね!
「ルァル殿下に帝都到着を報告し、すぐにノィユさまを帝宮に、父上とノザさまに連絡を」
帝都の衛士に素早く指示を飛ばすジゼは、仕事のできる人だ。
「よい子の隠密団の皆とリトと俺は、ノィユさまとヴィルさま、ロダさまの馬車を警護しつつ、このまま帝宮へ」
「え、あ、あの、帝都観光は?」
ノィユが、めちゃくちゃさみしそうだ。
露店行きたいよね。
買い食いしたいよね。
気もち、とってもよくわかるのでし。
「後でお時間をおとりします。ルァル殿下にまず、お逢いになってください」
たぶんルァル殿下から『帰ってきたら即刻逢わせろ』という指示が飛んでるものと思われる。
敵国ネメド王国から、戦車で来たと思ったら、農耕と治水を研究し、舞踏会で歌って踊ると言いだすだなんて、たぶん、ノィユは相当、規格外だと思われているに違いない。
転生組あるあるだけど……!
たぶん敵国として威厳を見せつけるために、ルァル殿下は帝宮の謁見の間でノィユに逢うだろう。
ネメド王国の国力はわからないけれど、大陸一とうたわれるルディア帝国には敵わないんじゃないかと思う。
緊張してるかなと心配で見たノィユは、見るからに、わくわくしてた。
「帝都、すっごいね! 広いし、高い建物でいっぱいだし、臭くない! 下水がちゃんとしてるんだよね、すごいなあ。
帝宮にご招待なんて、わくわくする!」
駆けだしそうなノィユを、ヴィルが抱っこしてる。
すぐに赤くなっておとなしくなるノィユが、かわいい。
「ノィユ、迷子に、なるから」
「はい、ヴィル」
きゅっとヴィルに抱きつくノィユは、とっても素直で、そうしてると3歳に見えるよ。
いつもはあんまり見えないよ。
「では帝宮に向かう。よい子の隠密団の皆は、馬には乗れるのかな」
首をかしげるジゼに、透夜と皆は顔を見合わせた。
「乗れる?」
「確か訓練した」
「したっぽい」
ひらりと馬にまたがる様は堂に入っていて、たぶん熟達なのだと思われる。
その記憶があいまいなのは……辛い目に遭ったからだと思う。
……どんな目に……思うだけで、胸がくるしい。
「俺らはもう、だいじょうぶだから。リトたんはそんな顔、しなくていい。
やさしい気もちを、ありがとう」
透夜が頭をなでてくれる。
自分が暗い顔をしていたら、非道から解放された、よい子の隠密団の皆も辛くなってしまうと思うから。
ぽふりと揺れるしっぽで、うなずいた。
「あい」
頭をぽふぽふしてくれる透夜の指を、さりげなくジゼが払った。
「いた──!」
さりげなくなかったらしい。
ジゼの独占欲にうれしくなってしまいましたが、痛い目に遭わせて、ごめなしあ、透夜たん。
何事もなかったかのようにジゼは続けた。
「ではよい子の隠密団の皆は、騎馬でノィユさま、ヴィルさま、ロダさまの馬車の護衛を頼む」
「了解」
胸に手をあてた透夜は、ロロァを抱きあげて馬に乗せ、次の瞬間、ひらりと馬にまたがった。
ノィユとヴィルとロダを守るように、よい子の隠密団の皆が騎馬で展開する。
「ジゼさま、帝宮まで敵国ネメド王国の使者殿を護衛する衛士の配備が完了しました」
白馬で駆けてきた、衛士の装束をまとう、小柄な人に、リトはぴょこんと跳びあがる。
『ルァル殿下──!?』
あわあわ口を押さえたリトの隣で、ぽかんと口をあけたジゼが、ひくひくするこめかみで微笑んだ。
「……なるほど、そう来ましたか」
ルァル殿下は、楽しげに唇の端をあげた。
確信犯でし。
────────────────
ずっと見てくださって、ありがとうございます!
最近、表紙絵とかをあげるためにインスタをはじめたのですが、動画がつくれるようになって(笑)自己紹介動画にリトとジゼに出てもらいました!(笑)
リト「僕、出演でしあ! アイコンも、僕でしあ!」
ジゼ「……まさか、自分がリトのように愛らしいと……」
微塵も思ってません!!(笑)
最初にとどまるようにしてあるので(笑)もしよかったら! @siro0088
https://www.instagram.com/siro0088/
皆の踊る動画をつくりたいのですが、それはちょっとむずかしすぎるかも……(笑)
曲を作って、うちわで応援して踊ってもらうまで、世界最終平和(笑)まで、あとすこしですー!
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