僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ

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ぽんぽん




「ぽて……!」

 泣いた僕を、泣きそうなムニャが抱っこしてくれて、あわあわ僕は、目をぬぐう。

「しあわせ、しゅぎて、なぃちゃたの。ごめんな、しゃい、むーちゃん」

 きゅう。

 抱きついたら

 ぎゅうう。

 抱きしめてくれる。


「くるしいも、いたいも、せつないも、ない?」

 こくこくうなずいた僕は、ちいさな腕でムニャを抱っこした。

「しあわせで、なぃちゃうの。
 むーちゃんが、おしぇて、くれた」

 ぽわぽわ熱い頬で見あげたら、ムニャの瞳が泣きだしそうに揺れる。


「……僕も」

 にじむ夜空の瞳で、抱きしめてくれた。




 ふたりで、ちょこっと泣いて、おいしーご飯を、おなかいっぱい、食べました!

「おなか、ぽんぽん! ぉにくで、おなか、ぽんぽんなんて、しあわせ、しゅぎゆ……!」」

 くねくねしちゃう僕に、ムニャが笑う。

「これからしばらく、お肉でお腹、ぽんぽんになれるよ。たくさんあるから!」

 ぴょこんと僕は跳びあがる。

 わすれてた!

「ぉにく、しお、づけ、しないと、だめに、なちゃう!」

「そうなの?」

 きょとんとするムニャに、こくこく僕はうなずいた。

「なまの、ぉにく、おいて、ぉくと、くさっちゃう!」

「なるほど」

「でも、でも、おしお、たっかぃ、の……」

 買うのを忘れちゃったくらい、たっかいのです……!

 ちょっぴり使うのも、ぜいたくなんだよ。

「お肉を、やすく買えても、保存するためのお塩で、お金をたくさん使っちゃったら、意味がない?」

「しょの、とーりなの……」

 しょんぼり落ちる僕の肩を、ムニャがやさしくぽんぽんしてくれる。

「僕の影のなかで、くさっちゃうかもしれないけれど、くさっちゃったお肉を投げつけたら、野獣に攻撃できるかも!」

 にこにこしてる!

 さすが、むーちゃん!

 ぴょこんと僕は跳びあがる。

「むーちゃん、つよつよ!」

「えへへ。つよつよ!」

 ふたりで、おでこをくっつけて、笑う。


「ぉにく、ちょこっと、ほじょん、できる、よぅに、あした、こーそー、とりに、いこー!」

 ちっちゃな拳をかかげる僕に、ムニャが首をかしげる。

「香草? さっき摘んだのとは違うの?」

 こっくり僕はうなずいた。

「きょうのは、かおり、が、いーの。しょーか、たしゅけるの。
 ほじょんの、こーそーは、ばいきん、なぃなぃ!」

「おぉお! ばい菌が、いなくなる草なんだね!」

 こくこく僕はうなずいた。

「ぉにく、みっか、くらい、がんばれゆ、かも!」

「しあわせが、三日も続くなんて、すてき!」

「しゅてき!」

 ふたりで手をつないで笑う。

「じゃあ明日は朝から、香草を摘みに、森の浅いところに行ってみる?」

「あい!」

「その後、お塩と、食器と、おたま? 使いやすい、おなべ? 買いに行こうか」

 にこにこしてくれるムニャに、眉をさげる。

「……ぼく、むーちゃんの、だいじな、おかね、ちゅかって、ばっかり、なの……」

「僕も使うものだから。ね?
 これから一緒に稼ぐんでしょう? ぽて博士!」

 そうっとムニャを見あげる。

「……はかしぇ?」

「博士。ぽてがいてくれないと、真剣に、僕は何にもわからない。何にもできない」

 ものすごく真面目な顔で告げるムニャの、ちいさな頭をなでなでする。

「ぼくが、むーちゃんに、おしえて、あげゆ!」

「ありがとう、ぽて。とっても頼りにしてる」

 星のきらめく夜の瞳で、笑ってくれる。



「むーちゃんと、いっしょ、なら、なんでも、できゆ、きが、しゅゆ」

 広いムニャの胸に、顔をうずめる。

「ぽてと一緒なら、どこまでも行ける気がする」

 僕を抱っこして、笑ってくれた。



「お腹もふくれたし、今日はもうお風呂に入って、寝ようか」

 僕の頭をなでなでしてくれるムニャに、こくんとうなずく。

「あい! おしょーじ、あした!」


「……するんだね……」

 むーちゃんが、泣きそうになってる!






感想 53

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