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舞踏会編だよ!
ふりつけだよ!
しおりを挟むリトたんも、ノィユたんも
「無理!」
「無理でしあ!」
戦力外を断言したので、仕方なく、作詞作曲 透夜なうえに、振りつけ 透夜+よい子の隠密団 になったよ……?
「え、ほんとにぜんぶ俺でいいの……??」
聞いたけど、リトたんも、ノィユたんも、こくこくしてる。
よいらしい。
理解した。
仕方ない、やってやるぜ!
むんと気合を入れた透夜が、よい子の隠密団No1常葉とNo2柳に一緒に踊ってくれるよう頼んだら
「えー! なんで俺は入ってないの!?」
藤に泣かれた。
なぜ!? そんなに踊りたかったのか、藤……!
「いちばん瞬時にあわせてくれそうな人で選んだから。藤は独創的だから。ほめてるから!」
慰めになってるのか、なってないのかわからないまま、藤の背中をぽふぽふしてたら
「男たらしだ」
ノィユに言われた。人聞きがわるい。
「とーや、すぐ、うわきするの」
ぷっくりふくれるわがきみが、とびきりかわいいけど、人聞きがわるいよ!
「してないから!」
あわてて訂正したのに、ノィユが舌を出してた。なんだそのかわいいの! って思った瞬間、ヴィルの目が刺さってくる。痛い。
リトたんが素早く動いてどれくらいの速さが出せるのかを皆で確認、常葉と柳と相談しながら、曲にあわせて振りつけてゆく。
しかし、歌って、ふりつけて、踊っても、後ろに流れる曲がアイドルな感じじゃないと、転生組としては、がっかりなんだけど!
「ジゼさまー、この曲、電子っぽく、かっこよく作ってくれる人いるかな?」
心配になって聞いてみたら、ジゼは凛々しい眉をあげる。
「デンシの意味がわからないが、ドディア帝国には魔道具士の天才がいる。何とかなると思う」
さすが、大陸でいちばんでっかいドディア帝国!
「頼りにしてる!」
ではでは、思いきりアイドルダンスな感じでふりつけるよ!
なんか、こんなのあったなー、こんなのかっこよかったなー、こんなの可愛かったなーみたいのの集合体に、よい子の隠密団アレンジを加えてみた!
「……え、透夜、ダンサーなの!? チートすぎない!?」
ノィユがのけぞってる。
「すごぃでし!」
しっぽも、お手々も、ぽふぽふしてくれるリトたんが、癒しだ。
一家にひとり欲しい、リトたん。
しかし透夜はうっとりしている場合ではないし、ノィユたんとリトたんも、ありがたいけど、ぱちぱちしてる場合ではないのです!
「これ、リトたんと、ノィユたんと、わがきみで踊るんだからね」
「僕、運動、むり……!」
わがきみが、涙目です。かわいい。
「いっしょにがんばりましょー、ロロァさま!」
常葉が、やる気だ!
柳もいっしょに、こくこくしてる。
柳も、やる気だ!
ざざっと振りつけて、常葉と柳と合わせた。
一回見たらおぼえて、完璧に合わせてくれるんだよ。さすが常葉と柳!
いや、藤も上手だと思うけど、独創性がね……!
「こんな感じでいいかな? 皆、意見ある?」
聞いてみた透夜に、しゃっと手を挙げたのが、紅蓮だよ。はや!
「ここ、ずらすとかっこいい」
紅蓮の言ったことを瞬時に理解して、ずらして踊る常葉と柳がすごすぎる。
さすがよい子の隠密団。意思疎通、かんぺき!
「あ、そっか、わざとずらすんだ。
そうしたらリトたんが遅れるんじゃなくて、ちゃんと、わざとずらして踊ってるように見える!」
拍手する透夜に、紅蓮がうれしそうに笑う。
ちょっと心配そうなリトの、ふわふわの光の髪を、ぽふぽふ撫でた。
「だいじょうぶ。リトたんが無理なく踊れるように作るから」
リトのちいさな顔が、しょんぼりうなだれる。
「……ごめぃわく、おかけ、して……」
「そんなこと、絶対ない。
だから、二度と言わないで」
光の目をのぞきこんで告げたら、きゅ、と唇を結んだリトが、こくりとうなずいてくれた。
「ありあと、ござまし、透夜たん」
ふうわり、笑ってくれる。
ちらちら光が舞いあがるみたいに愛くるしくて、めまいがした。
「……ジゼさまの気もち、ちょっとわかる」
ぽそりとつぶやいたら
「わからなくていい」
透夜の肩に手をおくジゼの瞳が、凍えてる。
──────────────────
ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!
連載中だったお話が完結して、新しいお話をはじめてみたので、もしよかったら、透夜とロロァとよい子の隠密団の皆と仲間たち(笑)と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
たぶん転生組のなかでは、透夜がいちばんチートっぽいチートです(笑)
リトたんは規格外かな(笑)ノィユがいちばんふつうっぽいです(笑)
時間が無限にあったら、作詞作曲してリトたん、ノィユ、ロロァモデルをつくり、透夜、ヴィル、ジゼモデルをつくり、皆で歌って踊ってもらう動画をつくるのですが……!
そんなことしてる間に30万字書けそうです(笑)
というわけで、舞踏会編もそろそろ佳境なので、がんばりますー!
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