1 / 1
天使の愚痴
しおりを挟む―我々はサービス業じゃないんですよ。毎日毎日、死神から引き渡される魂たちを〈正しく〉導く為にいるんです。なのに!
―最近の魂たちときたら、自分の立場を弁えてない!そりゃね、天国へ行かせろ、とかなら、昔っからありましたよ?最近は違うんです。
「生まれ変わるなら、お金持ちでお願い。美貌もね」…そんな選択権、我々天使にはありません!
振り分け先の神様に直接交渉して欲しい。それを伝えると、「えー、めんどくさい。代わりにやって?」
…自分の運命をなんだと思ってるんだ?そんな事で生きていけると思ってるのか!!?
―失礼。つい、白熱してしまいました。
とにかくね、最近の魂たちは、他者には〈自己責任〉を声高に叫ぶくせに、こと自分の事になると〈他責思考〉になるんですよ。「私は悪くない!!」
トーストにベッタリ塗られたジャムみたいにまとわりついてくるんですよ。鬱陶しい。
天使は、ふぅ、と息を吐いた。
―やぁ、愚痴を聴いてくださってありがとうございました。
あなたのような〈聴き役〉がいてくださって、助かってますよ。
本当にありがとう。
天使は何度も礼を言い、去っていった。
次の天使が愚痴を聴いて貰えるのを待っている。
―やれやれ、でも、生きてた頃に比べりゃ、ラクだぜ…。
天使たちの愚痴を日々聴いている、この魂。前世は某コールセンターのクレーム処理係だったのだ。
だから、天使たちの愚痴など、可愛らしいものだった。
―これで徳を積んで、来世は幸せを掴むぜ…。
こっそりとほくそ笑むのだった…。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
【完結】断罪された占星術師は、処刑前夜に星を詠む
佐倉穂波
恋愛
星は、嘘をつかない。嘘をついていたのは——わたし自身だった。
王宮の卜部に勤める十七歳の占星術師リュシア・アストレアは、ある日、王太子妃候補の婚儀に「凶」の星を読んだ。星が告げるままに報告したに過ぎなかったのに、翌朝には牢に入れられていた。罪状は「占星術を用いて王家を惑わせ、王太子暗殺を画策した」こと。
言いがかりだ。
しかし、証明する術がない。
処刑は五日後の朝と告げられ、リュシアは窓もない石の牢に閉じ込められた。
そこで彼女は気づいてしまう。占いが外れ続けていた本当の理由に。
道具も星図もない暗闇の中で、生まれて初めて、星の声を正しく聞いた。
瞼の裏に広がる夜空が、告げる。
【王太子が、明後日の夜に殺される】
処刑前夜に視た予言を、誰が信じるというのか。それでも、若き宰相クラウス・ベルシュタインは深夜の牢へ足を運び、断罪された少女の言葉に耳を傾けた。
二人の出会いは、運命をどう変えていくのかーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる