【完結】断罪された占星術師は、処刑前夜に星を詠む

 星は、嘘をつかない。嘘をついていたのは——わたし自身だった。

 王宮の卜部に勤める十七歳の占星術師リュシア・アストレアは、ある日、王太子妃候補の婚儀に「凶」の星を読んだ。星が告げるままに報告したに過ぎなかったのに、翌朝には牢に入れられていた。罪状は「占星術を用いて王家を惑わせ、王太子暗殺を画策した」こと。
 言いがかりだ。
 しかし、証明する術がない。
 処刑は五日後の朝と告げられ、リュシアは窓もない石の牢に閉じ込められた。

 そこで彼女は気づいてしまう。占いが外れ続けていた本当の理由に。

 道具も星図もない暗闇の中で、生まれて初めて、星の声を正しく聞いた。
 瞼の裏に広がる夜空が、告げる。

 【王太子が、明後日の夜に殺される】

 処刑前夜に視た予言を、誰が信じるというのか。それでも、若き宰相クラウス・ベルシュタインは深夜の牢へ足を運び、断罪された少女の言葉に耳を傾けた。

 二人の出会いは、運命をどう変えていくのかーー。
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