あくまくん

ワタガシ 啓

文字の大きさ
1 / 1

しおりを挟む
橋の下に小さい影をみつけた。
橋の下に行きその影に話しかけた。
「どうしてこんなところにいるの?」
すると小さな影が
「僕は周りを不幸にしてしまう」
「どうして?」
「僕といるとみんなが嫌な思いをするんだ」
影はそう言うとサーと消えていった。

次の日また橋の下に行ってみると影はまたいた。
「また会ったね」
今度は影の方から話しかけてきた。
「僕といると君は不幸になる」
「どうして?」
「僕の関わった人はみんな嫌なことが起こるんだ」
「どうして?」
「今までがそうだから」
そう言うと影は消えていった。

また次の日に橋の下にいくとまた影はいた。
「君は懲りないね」
影は少し笑った。
「君は不幸になるのが怖くないのかい?」
「どうして?」
「僕は怖いからね、君には不幸になってほしくない」
「どうして?」
「どうしてって、、、ね」
影はそう言うとまたきれいに消えていった。

次の日の橋の下には影はいなかった。
また次の日は雨で橋の下は行けなかった。

なかなかいけない日が続き、久々に橋の下を訪れた。

「久しぶりだね」
影はそう言うと嬉しそうに笑った。
「もう来ないかと思ったけど、また来てくれた」
「嬉しそうなのはどうして?」
「話してると楽しいんだ」
「どうして?」
「僕を避けないで接してくれるし、僕といても不幸にならない」
「どうして?」
「どうしてって、君はどうしてしか言えないのかい?」
「どうして?」
「どうしてって僕が知るわけが、、、、」
影はそう言うと少し間をおいた。
「どうしてってなんだろうね?」
橋の下に光がさしこんで影は消えて逝った。

以降、影は現れなかった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

ローズお姉さまのドレス

有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です* 最近のルイーゼは少しおかしい。 いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。 話し方もお姉さまそっくり。 わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。 表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。

桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。 それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。 でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。 そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。

ママのごはんはたべたくない

もちっぱち
絵本
おとこのこが ママのごはん たべたくないきもちを ほんに してみました。 ちょっと、おもしろエピソード よんでみてください。  これをよんだら おやこで   ハッピーに なれるかも? 約3600文字あります。 ゆっくり読んで大体20分以内で 読み終えると思います。 寝かしつけの読み聞かせにぜひどうぞ。 表紙作画:ぽん太郎 様  2023.3.7更新

魔女は小鳥を慈しむ

石河 翠
児童書・童話
母親に「あなたのことが大好きだよ」と言ってもらいたい少女は、森の魔女を訪ねます。 本当の気持ちを知るために、魔法をかけて欲しいと願ったからです。 当たり前の普通の幸せが欲しかったのなら、魔法なんて使うべきではなかったのに。 こちらの作品は、小説家になろうとエブリスタにも投稿しております。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

稀代の悪女は死してなお

朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「めでたく、また首をはねられてしまったわ」 稀代の悪女は処刑されました。 しかし、彼女には思惑があるようで……? 悪女聖女物語、第2弾♪ タイトルには2通りの意味を込めましたが、他にもあるかも……? ※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。

処理中です...