58 / 67
昼休みは。
しおりを挟む
重い気持ちを抱えて、机で作業していた。
聞こえてきた嫌がらせも、なんとか飲み込んで少しずつ進めていた。
そんな中だから、昼になったのに気がつかなかった。
「水澄さん~、お昼行きませんか~」
松本さんだ…。
なんだか救われる。
「ありがとう、いっしょに行くよ」
「お疲れ様です」
「山本さん」
「体調は大丈夫ですか?」
「ありがとうございます、中山くんは?」
「銀行窓口に用があるからと、いっしょにいけないと言ってました」
「そうですか」
「何食べますか~?」
そう言っても、女性二人なので結局カフェのランチサービスに落ち着いた。
俺はおまけだ…。
こうやって集まると、色々情報交換もする。新しい抑制剤が出たらしいとか、発情期の前段階として何があったかや、最後に避妊薬の話まで…。
男だから関係ないではなく、オメガにとって切実な話だ。
かと言って、女性とこの話をするのは、わかっているけど、恥ずかしい。
「~すみません、電話掛かってきたので、席外します」
「わかった」
松本さんは、スマホをいじりながら外へ出ていった。
「すごいなぁ」
アクティブというか、動きが早いと言うか、軽やかに進んでいった、中山さん。思わず独り言が出る。
「そう見えるでしょう」
「?山本さん」
「前に聞いたの、あの子どちらかといえば派手でしょう、だからもう少し地味にしたらって言ったの」
「どうなったんですか?」
〘私の戦闘服だから、これでいいんです〙
「だって」
「……」
「そう言われると、気持ちがわからないでもなくて、派手にすることで周りと戦っているのかなと、私はそう思ったわけ」
気持ちはわかる。強くないと負けてしまうから。
「今日だって、言われたんでしょう?、水澄さんも」
「ですね」
「会社が休暇を認めているけど、だからと言って休みをもらっても、それに対して不満を言う人は、たくさんいるわ」
「……」
「性別で区別しないって、難しいじゃない」
その通りだった。認められている権利だと言えど、休みだからとやっかむ人はいる。
「まあ、休暇もらえるだけありがたいけどね!」
「そうですね」
そんな話をしていたら、松本さんからメッセージがきた。
友人と会うので先に行きますと
まって、支払い…。 もういいや、俺払うから…。
というわけで、めんどくさいから三人分の支払いをした。
「水澄くんごめんね、こっちが誘ったのに」
「かまいませんよ」
店を出ると、遠くに松本さんらしい人が走って行っている。
「元気でいいわね」
「そうですね」
お互いに苦笑して、会社に戻る。
なんとなく、
午後からもがんばれそうだ。
聞こえてきた嫌がらせも、なんとか飲み込んで少しずつ進めていた。
そんな中だから、昼になったのに気がつかなかった。
「水澄さん~、お昼行きませんか~」
松本さんだ…。
なんだか救われる。
「ありがとう、いっしょに行くよ」
「お疲れ様です」
「山本さん」
「体調は大丈夫ですか?」
「ありがとうございます、中山くんは?」
「銀行窓口に用があるからと、いっしょにいけないと言ってました」
「そうですか」
「何食べますか~?」
そう言っても、女性二人なので結局カフェのランチサービスに落ち着いた。
俺はおまけだ…。
こうやって集まると、色々情報交換もする。新しい抑制剤が出たらしいとか、発情期の前段階として何があったかや、最後に避妊薬の話まで…。
男だから関係ないではなく、オメガにとって切実な話だ。
かと言って、女性とこの話をするのは、わかっているけど、恥ずかしい。
「~すみません、電話掛かってきたので、席外します」
「わかった」
松本さんは、スマホをいじりながら外へ出ていった。
「すごいなぁ」
アクティブというか、動きが早いと言うか、軽やかに進んでいった、中山さん。思わず独り言が出る。
「そう見えるでしょう」
「?山本さん」
「前に聞いたの、あの子どちらかといえば派手でしょう、だからもう少し地味にしたらって言ったの」
「どうなったんですか?」
〘私の戦闘服だから、これでいいんです〙
「だって」
「……」
「そう言われると、気持ちがわからないでもなくて、派手にすることで周りと戦っているのかなと、私はそう思ったわけ」
気持ちはわかる。強くないと負けてしまうから。
「今日だって、言われたんでしょう?、水澄さんも」
「ですね」
「会社が休暇を認めているけど、だからと言って休みをもらっても、それに対して不満を言う人は、たくさんいるわ」
「……」
「性別で区別しないって、難しいじゃない」
その通りだった。認められている権利だと言えど、休みだからとやっかむ人はいる。
「まあ、休暇もらえるだけありがたいけどね!」
「そうですね」
そんな話をしていたら、松本さんからメッセージがきた。
友人と会うので先に行きますと
まって、支払い…。 もういいや、俺払うから…。
というわけで、めんどくさいから三人分の支払いをした。
「水澄くんごめんね、こっちが誘ったのに」
「かまいませんよ」
店を出ると、遠くに松本さんらしい人が走って行っている。
「元気でいいわね」
「そうですね」
お互いに苦笑して、会社に戻る。
なんとなく、
午後からもがんばれそうだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
30
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる