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一日終わり⑵。

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 やっと帰ってきた……。
 たった一日なのに、すごく働いた感がする…。

 朝あったことが、嘘のように思えてしまう。


 部屋に戻って、一人になった。

 誰もいない部屋にポツンと座り、ぼ~とする。
 たった五日間だったのに、その前まで、一人でいたのに。

 あまりにも、濃い時間だったから、
 一人の時間に、ぼんやりしてしまう。
 そういえば、言われてた洗濯もしないと。
 明日でもいいか…。

 何をするでもなくボケていた。そして、いきなり電話が掛かってきた。

『星也?』
『母さん』
『良かった、今回もなんとかなった?』
『うん、あっ、買い物ありがとう助かった、それに連絡忘れててごめん』

『それはいいけど体は?、悪くしてない?』
『心配かけてごめん、だいたいいつも通りだったから、もう大丈夫』

『あんたも自分のこと考えたら?』
『またその話?』
『だって、何かあったら助けてもらえるじゃない!』
『そんなことないよ、一人でも大丈夫だから』
『でも、ずっと一人でいるのは…』

『もういいって、その話ばっかりなら、切るよ』
『ちゃんと考えなさい、何かあってからじゃ、困るのは自分なのよ』
『色々ありがとう、それじゃまた連絡する』

 また話が振り出しに戻ってきた。
 心配してくれるのはわかるけど、まだそういうことを考えたくない。

 母さんには言わなかったが、今回だけは渡辺さんが居てくれて、本当に助かった。

 あんな時に、助けてくれるのは本当にありがたいことなのに。
 今回は身に染みてわかった。

 一人でいるのも限界があると。でもどうすればいいんだろう……。

 わからないまま、何かを考えるわけでもなく、ぼんやりしていた。


 気が付けば、けっこう時間が経っていた。
 さすがに腹が減ってきた。冷蔵庫に何か有るかと、開けてみたらラップに包んだおにぎりが二個あった。

「渡辺さん、隙がないな…」
 ちょっと笑ってしまう。
 朝の残りのご飯が、ラップに包まれて、おにぎりになっていた。

 ありがたく食べることにして、レンジでおにぎりを温め直した。
 あとはインスタントの味噌汁を作っただけ。

 それだけなのに、温かい気持ちでおにぎりを食べ始めた。

 食べながら、スマホをみていて、さっき渡辺さんからきた画像を、もう一度見ていた。

 そして、その画像を消さないように
ちゃんと保存した。




 
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