二人の未来の先は

河まきじ

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月日が経ち

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 そんなこんなで、月日はたっていった。

 親の時間が取れたから、親と砦を見に行くことになり、向こうで会えるようになった。その日はたった1日だったけど、二人で砦の中をみて廻った。

 いずれここで暮らすことになる。
 期待と不安とが入り交じり、先の未来がどうなるのか、今のところはよくわからない。
 でも、将来は決まっていて、この場所を守らなければならない。


 
 二人で砦の一番高いところまで上がって行き、その見える景色を眺めていた。
 左側にずっと続く深い森。その森の向こうには山が連なり、さらに高い山脈が見えた。正面から右側にかけては、森が切れて草原が見える。
 そして、さらに遠くには光って見える何かがあった。

「ふぁ~、すごいね~」
「あれ見えるか?」
「なに?」
「あの右の方に見えるやつ」
「?」

「ほら、あの光ってる場所」
「ほんとだ、あれなに?」
「たぶん、海かもしれない」
「うそっ!」

 本当に遠くて、やっと見えるぐらいだった。海かもしれないと二人ではしゃいでいた。

 あっという間に時間が経って、僕たちは砦をあとにして、帰ることになった。

「またね」
「また」

 短い挨拶をして、両家は別れて帰った。


 あのあと二人で、地図をよく見てみたら、あの時光って見えたのは、海ではなくて湖だった。
 ミルが持っていた地図は、上の方が切れていてよく分からなかったけど、図書室にあった地図には、ちゃんと湖として記されていた。

 二人で笑ったんだ
 

 新年には改まって挨拶したり、夏になれば水遊びしたり、勉強もしたけど、二人でいるときは、遊んだり訓練をしたりと、外でいる方が多かった。


 そうして、時間は過ぎていった。


 また月日が経って、僕たちは学校に行く時がきた。
 十四才になったから、いよいよ学校に行かなくてならない。僕たち貴族の義務のひとつだ。

 学校は領地にないから、王都まで行くことになる。ミルは家のタウンハウスがあるから、そこから通うみたい。

 僕は、どうしようかと思っていた。いっしょに通うように、タウンハウスに来てもいいよ、とも言われた。
 婚約者だから、問題ないんだって。

 でも僕は、学校の寮に入ることにした。一人で色々できるようにしたいから。

 入学はいっしょにするけど、これからは別々の勉強になる。
 僕はそんなに体力がないから、仕官、文官のための学課。ミルは士官学課。

 最終的に、僕はミルのサポートをして砦の運営を担当することになりそうだ。
 ミルはもちろん砦の長として。若いうちは無理でも、そのうちいつかのために、騎士としても立てるようにするらしい。


 学校に入学し、勉強も始まった。家での勉強とは違う、学校での勉強は色々大変だった。

 でも頑張らないと、せっかくこの学校でやって行くのだから。


 そんなこともあって、少しミルと会う機会が減ってきた気がする。
 子供の時は、会えばずっとくっついていたけど、今はそんなことはない。

 お互い、勉強や訓練もあるし仕方ないよね。




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