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1章 チューニング
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夜十時となり俺たちはエアコンをかけて雑魚寝をする。
ここ最近はお決まりなのだが、一人増えたことでそれは最早決定事項になった。
「合宿みたいでいいな」
「あっわかるわかる!私もそう思ってた」
健司と亜里沙は息が合うらしい。
お互いスポーツをやっていて、健司は野球、亜里沙はテニスと違いはあるものの、仲が深まるのはいいことなんだろう。
ただこの至近距離でイチャイチャするのはやめて欲しい。
「イチャイチャするならこの部屋の外でやってくれっ!」
「「はーい」」
わかっているのかわかっていないのかわからないけど取り敢えず静かになったので良しとしよう。
ちなみに食事の後、情報交換は明日にしてまずは疲れた体を休めることになった。
まぁ精神的にこの時間のが疲れるんだけだな。
「おーい。慎一君、起きてる?」
「起きてるぞ」
「その、なっ、ありがとな。なかなか言い出せなくて」
「イイって」
「それじゃおやすみ」
健司の奴言いたい事だけいって寝やがった。
しかもかなり寝つきがいい。
亜里沙も同じで電気を消すと静かになる。
羨ましい限りだ。
さて俺も寝るかな。
今日は色々あったから体の疲労は大きいはずなんだ。
それに寝るまでに時間がかかるのはいつものこと。
しばらく月を眺めていた。
平和な時の月と今見ている月は変わらず同じで怠慢な日常はひっくり返り危険がつきまとうものに変わった。
なんだか遠くの世界にいる気になる。
「……おやすみ、か……」
なかなか一人だと言わない言葉。
ポソっと声に出したらこっちを見てる真里の顔と目が合った。
「はやくねなさいよ」
と口パクで言ってくる。
なんか秘密のやり取りをしているようで小っ恥ずかしくなって体を背ける。
そのまま目を瞑っていたらいつの間にか寝ていた。
起きたらみんなもう起きていた。
「おっ!起きたか!起こしても起きないほど熟睡してたみたいだけど?股間のテントはいい具合に起きてるぞっと」
「シン君のエッチー」
健司と亜里沙にからかわれて起きる朝は最悪だった。しかも真里に見られたというのがなんとも気まづい。
起こしてくれれば恥を晒さずに済んだのにとトイレに座りながら愚痴ったところでもう遅い。
男の生理現象なんだから仕方ないだろうに。
五分ほど座り込んでいるとノックする音が、
「シン君ゴメンって!それより私もトイレ使いたい!」
喧しいのでズボンを履き直して水を流す。
「遅いよぉ!」
と文句を言われる。
はぁとまたため息がもれる。
「ため息つくと幸せが逃げるんだぞ!」
「あぁーさいですかー」
そうだぞっとか言ってないで早く扉を閉めたらどうなのかと思ってしまった。
「シン君?ほんとは見たいの?ねぇ?見たいからそこにいるの?」
それは違うと否定したいが、否定したところでこれはからかわれていると思って無言でその場を去る。
「おっテントは片付いたようだな!今度俺が一番いい奴貸してやるって!そしたら処理に困らないぞっ」
肩を叩きながら変なことを口走るな。
おまわりさんコイツですって通報してもきっと相手にはされないか……。
「はぁ。まぁそれは今度にしてくれよ。それよりもなんで起こしてくれなかったんだよ?」
「おや?興味がおありで?それなら俺ん家来たら渡してやるよ。それで起こしたんだけど、まったく気がつかないほどグッスリ寝てて、叩いてもダメだったんだぞ?それで心配になって覗き込んだら抱きつかれて「あぁもういい。みなまで言わんでいい」……そうか?」
地雷原にわざわざ踏み込むほど俺は野暮ではない。
というかさっきから真里の様子がおかしいんだが……。
「私もシン君がそっちの気だったとは思ってなかったよ!だから私たちにも手を出さない訳なんだね!」
「おまっ!ちがうって!!」
「何がどう違うのかな?お姉さんに話してごらん?」
「真里さん落ち着いて!包丁は危ないから!」
やっぱり一人で暮らしていた方のが安全なのではないかと現実逃避する。
うん。俺は悪くない。悪くないはずだ。
危ない真里を落ち着かせてぎこちない朝食を取った。
亜里沙と健司がシュンとしてるところを見るに悪ノリが過ぎたことを怒られたのだろう。
「それで、本当のところどうなの?」
「あのー真里さん?なんのことを聞いてらっしゃいますか?」
なぜこうも丁寧に……話が進まないではないか。
「えっと、その、さっき亜里沙が言ってた私達に手を出さない件についてよ!」
「はぁ?真里さんは手を出して欲しいってことですか?」
「違うわよっ!そっちの気があるかどうか聞いているの!」
「そっちの気?具体的に教えて貰わないとお答えできませんよ?」
「もうッ!」
頬をビンタされた。
かなりキツイやつを貰った。
一瞬意識が飛びそうになってこれ以上意地悪するのを辞めようと思った。
それを見ていた亜里沙と健司も同じ様な気持ちになったと思う。
「ゴメンナサイ。ワタシガワルカッタデス」
「わかればいいのよ。わかれば」
プンスカしていても邪険にされないだけ良かった。
無視されるとか苦痛の何ものでもないからな。
それから小一時間かけて、俺のホモ疑惑を解き、昨日の出来事を掻い摘んで話した。
それから健司の知っていることや真里と亜里沙からの情報を聞いていたらお昼近くになっていた。
今日一日は情報整理に使ったほうが良さそうだ。
というわけで纏めると、
学区内にいるモンスターは時間で活動してる。
チャイムがなると外に出て、授業の始まる時刻になると校内入るらしい。
モンスターは胸にある黒い石を割ると動かなくなって黒い石に変わる。
水と食料は昨日持って来た分で二週間くらいはもつらしい。
ただ味気ないものに変わるという前提で。
健司は重宝されないけど、道路の状況を話してくれた。
車の混み具合だとか、この道が比較的スムーズに通れるとか。
後は新しく入って来た動画についてそれぞれの意見を言い合った。
「私はあの人の言ってること全部は信じられないけど、少なくとも嘘を言ってる様には見えなかった」
「亜里沙と私の意見はほぼ一緒ね。一緒に観てたから。それでシン君は?」
「あぁ動画が映ってたの知ってるけどその時はそれどころの話じゃなくってほとんど内容覚えてないんだ」
「えっ?どういうこと?」
突っ込まいで貰えると有難いけど……。
ここは誤魔化そう……。
「んー。必死に逃げてたというか、とにかく!詳しいことは覚えてないの!」
「……なんか、誤魔化されてる?」
ジト目で見ないでください。
目を逸らしたくなる。
けど逸らしたら本当のことを言ってる様で嫌なので逆に目をしっかりと見つめる。
「まぁいいわ。それで、健司くんは?」
「あぁ、あれね!俺動画見て思ったんだけど、言ってる様にしてみようと思って。それでイメージが大事だとか言ってたから試しにバットをイメージしたら出来たわけ!」
「「「それを早く言え((言いなさいよ))」」」
どうやら健司は野球バカだったらしい。
声が揃っていて密かに嬉しいと思ってしまった。
ここ最近はお決まりなのだが、一人増えたことでそれは最早決定事項になった。
「合宿みたいでいいな」
「あっわかるわかる!私もそう思ってた」
健司と亜里沙は息が合うらしい。
お互いスポーツをやっていて、健司は野球、亜里沙はテニスと違いはあるものの、仲が深まるのはいいことなんだろう。
ただこの至近距離でイチャイチャするのはやめて欲しい。
「イチャイチャするならこの部屋の外でやってくれっ!」
「「はーい」」
わかっているのかわかっていないのかわからないけど取り敢えず静かになったので良しとしよう。
ちなみに食事の後、情報交換は明日にしてまずは疲れた体を休めることになった。
まぁ精神的にこの時間のが疲れるんだけだな。
「おーい。慎一君、起きてる?」
「起きてるぞ」
「その、なっ、ありがとな。なかなか言い出せなくて」
「イイって」
「それじゃおやすみ」
健司の奴言いたい事だけいって寝やがった。
しかもかなり寝つきがいい。
亜里沙も同じで電気を消すと静かになる。
羨ましい限りだ。
さて俺も寝るかな。
今日は色々あったから体の疲労は大きいはずなんだ。
それに寝るまでに時間がかかるのはいつものこと。
しばらく月を眺めていた。
平和な時の月と今見ている月は変わらず同じで怠慢な日常はひっくり返り危険がつきまとうものに変わった。
なんだか遠くの世界にいる気になる。
「……おやすみ、か……」
なかなか一人だと言わない言葉。
ポソっと声に出したらこっちを見てる真里の顔と目が合った。
「はやくねなさいよ」
と口パクで言ってくる。
なんか秘密のやり取りをしているようで小っ恥ずかしくなって体を背ける。
そのまま目を瞑っていたらいつの間にか寝ていた。
起きたらみんなもう起きていた。
「おっ!起きたか!起こしても起きないほど熟睡してたみたいだけど?股間のテントはいい具合に起きてるぞっと」
「シン君のエッチー」
健司と亜里沙にからかわれて起きる朝は最悪だった。しかも真里に見られたというのがなんとも気まづい。
起こしてくれれば恥を晒さずに済んだのにとトイレに座りながら愚痴ったところでもう遅い。
男の生理現象なんだから仕方ないだろうに。
五分ほど座り込んでいるとノックする音が、
「シン君ゴメンって!それより私もトイレ使いたい!」
喧しいのでズボンを履き直して水を流す。
「遅いよぉ!」
と文句を言われる。
はぁとまたため息がもれる。
「ため息つくと幸せが逃げるんだぞ!」
「あぁーさいですかー」
そうだぞっとか言ってないで早く扉を閉めたらどうなのかと思ってしまった。
「シン君?ほんとは見たいの?ねぇ?見たいからそこにいるの?」
それは違うと否定したいが、否定したところでこれはからかわれていると思って無言でその場を去る。
「おっテントは片付いたようだな!今度俺が一番いい奴貸してやるって!そしたら処理に困らないぞっ」
肩を叩きながら変なことを口走るな。
おまわりさんコイツですって通報してもきっと相手にはされないか……。
「はぁ。まぁそれは今度にしてくれよ。それよりもなんで起こしてくれなかったんだよ?」
「おや?興味がおありで?それなら俺ん家来たら渡してやるよ。それで起こしたんだけど、まったく気がつかないほどグッスリ寝てて、叩いてもダメだったんだぞ?それで心配になって覗き込んだら抱きつかれて「あぁもういい。みなまで言わんでいい」……そうか?」
地雷原にわざわざ踏み込むほど俺は野暮ではない。
というかさっきから真里の様子がおかしいんだが……。
「私もシン君がそっちの気だったとは思ってなかったよ!だから私たちにも手を出さない訳なんだね!」
「おまっ!ちがうって!!」
「何がどう違うのかな?お姉さんに話してごらん?」
「真里さん落ち着いて!包丁は危ないから!」
やっぱり一人で暮らしていた方のが安全なのではないかと現実逃避する。
うん。俺は悪くない。悪くないはずだ。
危ない真里を落ち着かせてぎこちない朝食を取った。
亜里沙と健司がシュンとしてるところを見るに悪ノリが過ぎたことを怒られたのだろう。
「それで、本当のところどうなの?」
「あのー真里さん?なんのことを聞いてらっしゃいますか?」
なぜこうも丁寧に……話が進まないではないか。
「えっと、その、さっき亜里沙が言ってた私達に手を出さない件についてよ!」
「はぁ?真里さんは手を出して欲しいってことですか?」
「違うわよっ!そっちの気があるかどうか聞いているの!」
「そっちの気?具体的に教えて貰わないとお答えできませんよ?」
「もうッ!」
頬をビンタされた。
かなりキツイやつを貰った。
一瞬意識が飛びそうになってこれ以上意地悪するのを辞めようと思った。
それを見ていた亜里沙と健司も同じ様な気持ちになったと思う。
「ゴメンナサイ。ワタシガワルカッタデス」
「わかればいいのよ。わかれば」
プンスカしていても邪険にされないだけ良かった。
無視されるとか苦痛の何ものでもないからな。
それから小一時間かけて、俺のホモ疑惑を解き、昨日の出来事を掻い摘んで話した。
それから健司の知っていることや真里と亜里沙からの情報を聞いていたらお昼近くになっていた。
今日一日は情報整理に使ったほうが良さそうだ。
というわけで纏めると、
学区内にいるモンスターは時間で活動してる。
チャイムがなると外に出て、授業の始まる時刻になると校内入るらしい。
モンスターは胸にある黒い石を割ると動かなくなって黒い石に変わる。
水と食料は昨日持って来た分で二週間くらいはもつらしい。
ただ味気ないものに変わるという前提で。
健司は重宝されないけど、道路の状況を話してくれた。
車の混み具合だとか、この道が比較的スムーズに通れるとか。
後は新しく入って来た動画についてそれぞれの意見を言い合った。
「私はあの人の言ってること全部は信じられないけど、少なくとも嘘を言ってる様には見えなかった」
「亜里沙と私の意見はほぼ一緒ね。一緒に観てたから。それでシン君は?」
「あぁ動画が映ってたの知ってるけどその時はそれどころの話じゃなくってほとんど内容覚えてないんだ」
「えっ?どういうこと?」
突っ込まいで貰えると有難いけど……。
ここは誤魔化そう……。
「んー。必死に逃げてたというか、とにかく!詳しいことは覚えてないの!」
「……なんか、誤魔化されてる?」
ジト目で見ないでください。
目を逸らしたくなる。
けど逸らしたら本当のことを言ってる様で嫌なので逆に目をしっかりと見つめる。
「まぁいいわ。それで、健司くんは?」
「あぁ、あれね!俺動画見て思ったんだけど、言ってる様にしてみようと思って。それでイメージが大事だとか言ってたから試しにバットをイメージしたら出来たわけ!」
「「「それを早く言え((言いなさいよ))」」」
どうやら健司は野球バカだったらしい。
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