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42. 白との別れ
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「茉里ちゃんからの呼び出しなんて、珍しいね」
ふわりと笑いながら、皓人さんは言った。白いカーディガンを羽織ってブレンドコーヒーを飲む姿は、私たちが出会った日を彷彿とさせる。相変わらずの柔らかい雰囲気と鼻にかかった優しい声に、思わず胸がときめきかける。
でも、今日はそれじゃあいけない。
今日、私はこの曖昧な関係に区切りをつけに来たんだ。
「そうだっけ?」
微妙な笑いを作りながら、私は答えた。頭の中は、どうやって話を切り出すべきか、という疑問で溢れかえっている。
「そうだよ。いっつもおれの方から茉里ちゃんのこと誘ってばっかりじゃん? この間だってさ」
コーヒーを置いて話し始める皓人さんの言葉を聞いているふりをしながら、必死に彩可との会話を脳内で引っ張り出した。
*************************
「実はね」
金沢出張から帰った日、帰宅した途端に疲れがどっと襲ってきて、私はすぐに泥のような眠りについた。そして翌日、目を覚ますと再びのパニックに襲われ、どうにも出張での出来事を1人では処理できず、親友に電話をかけた。
「やっとかー」
それが、一連の出来事を説明し終えた後の彩可の第一声だった。その言葉に、私は思わず驚きの声を上げてしまう。
「だって、話を聞いてても時間の問題かなって、思ってたもん。うん、いいと思うよ、菊地さん。茉里のこと、幸せにしてくれそうだもん」
声だけでも彩可が満面の笑みを浮かべているであろうことが分かり、私は内心複雑だった。
「それで、皓人さんのことなんだけどさ」
「あー、はいはい」
明らかに菊地さんとのことを話したときのテンションと異なる声色に、思わず小さくため息をこぼしたくなる。やっぱり、なんだかんだ彩可には皓人さんとのこと、歓迎されていなかったんだな、と改めて実感する。皓人さんも、彩可の話には関心を見せたことがなかったから、お互い様な側面もあるけれど。結局のところ、皓人さんを選択したのは間違いだった、ということなのだろうか。
「そのまま自然消滅ってのも、アリだとは思うよ」
彩可の言葉に、私はまたも驚きの声を上げた。
「なんか、茉里の話聞いてるとさ、そういうの気にしなさそうなタイプじゃん?」
「でも、そんな宙ぶらりんな状態じゃ居心地悪いっていうか」
私の答えに、彩可は少し考えるように唸る。
「じゃあ、ちゃんと、直接会って伝えなよ」
親友の提案に、私も「そうだよね」と同調する。やっぱり、直接会って話さないと、よね。
「んー、時間帯は午前中、いや、ランチがいいかな。2人きりになれる場所より、人がいる場所」
「なんで?」
「だって、別れ話でしょ? お互い感情的になりやすい話題なんだから、冷静さを保てるようなシチュエーションにしないと。それに、茉里のことだから2人きりだと流されかねないし」
ズバリ、と自分でも心配していた部分を突かれ、私は小さく声を上げた。こういうところ、彩可は本当に容赦がない。
「曖昧にしないで、ちゃんと言わなきゃダメなんだからね。中途半端は一番ダメだよ」
そう言うと、別れ話のコツとやらを彩可は語り始めた。大学生の頃からずっと亘くんと付き合い続けている茉里が、どうして大人の別れ話の秘訣を熟知しているのか、気にならなかったわけではなかったけれども、とにかく私は少しでも多くの情報を得ようと、必死だった。
*************************
「今度の週末は、海ほたる行こうよ。久々に車走らせたい気分なんだよねー」
いつの間にか運ばれてきたオムライスをスプーンで掬いながら、皓人さんは言った。どうやら私は、注文をした記憶すらないほどに緊張していたのだろうか。
「いい感じのレストランもあるし、あ、あと、足湯もあるらしいんだ。久々に足湯もいいなあって」
無邪気に笑う皓人さんは、何事もなかったみたいにいつも通りだ。金沢出張の時もそうだった。あの電話の翌日も、皓人さんは何事もなかったみたいにいつも通りの連絡を寄越した。その次の日も、そのまた次の日も。いつも通りの連絡に、いつも通りの誘い。仕事が忙しいからと断っても、変わらない。
私の心が変わっていることにも、気付かない。
私のことを理解してくれている人だと思ったから惹かれたはずなのに、それも結局は私の勘違いだったのだろうか。
「茉里ちゃん最近、足湯とか行った? あ、もしかして、金沢のホテルにあったりした?」
いつも通りのテンションで、皓人さんが問いかけてくる。
金沢のホテルに何があったのか。
金沢のホテルで何があったのか。
皓人さんは何も知らないし、知ることもない。
「そういうところもあるのかもしれないけど、私は行かなかったよ」
答えながら、オムライスをスプーンに乗せる。半熟の卵とデミグラスソースが、バターライスに絶妙に絡みつく。
「そっか。まあ、プライベートじゃなくて仕事だったもんね」
何も知らない皓人さんから放たれる言葉は、本人も想像していないダメージを私に与えた。
金沢へは、仕事で行った。
でも、私と菊地さんの関係は……。
私は何も言えずに、無言でオムライスを口に運んだ。
「楽しみだなー、海ほたる」
私の返事なんて待たずに、皓人さんのなかではもう週末の予定が決まっている。このままだと、また流される。そう思ったとき、彩可の言葉と共に、菊地さんの顔が浮かんだ。
「じゃあ、俺はこのまま期待して待ってていいの?」
そう口にした時、菊地さんは私の返事を待っていた。私の返事が、まるで彼の今後を左右するかのように、真剣に。それだけの重みが、私の返事1つにあると、思わせてくれたほどに。
「ごめん、私、行けないや」
言いながら、私は静かにスプーンを置いた。
「あ、足湯嫌いだった?」
オムライスに視線を落としたまま、皓人さん訊ねた。
「ううん、そうじゃなくて」
「海ほたる、嫌?」
「嫌じゃないけど、そういうことじゃなくて」
「ドライブの気分じゃない?」
「そういう話じゃなくて」
「あ、もしかして週末、都合悪い?」
「じゃなくて」
「じゃあ、何?」
イラつき気味に、皓人さんはようやく顔を上げた。
黒目がちの丸い瞳が、私のそれとかち合った。皓人さんの瞳を正面からこんな風にまっすぐと見つめたのは、いつぶりだろうか。なんだか、とても久しぶりな気がした。
「私、こういうの、もう無理」
静かに、私はつぶやいた。心臓が早鐘を打っている。
「こういうの?」
皓人さんの顔から、温度がさっとなくなっていくのが見えた。冷たい表情に冷たい声。いつかの電話を思い出す。
「こうやって、会ったり、出かけたり、一緒に過ごしたりするの、終わりにしたい」
ようやく絞り出した言葉は、どこか頼り無さげに震えていて。皓人さんの反応が怖くて、結局俯いてしまった。情けない。そう自覚しながらも、顔を上げる勇気が無い。
「おれと距離を置きたいってこと?」
冷ややかな声で、皓人さんは問いかける。
「距離を置くっていうか、むしろ」
別れたい、の一言が言えない。
別れたい、が正しい言葉なのか分からない。
だってそもそも付き合ってるわけじゃないんでしょ? 心のなかでそう皓人さんを責めながらも、本当は私自身が最後の決断を出来ていないのを誤魔化そうとしているだけだ。
「むしろ、何?」
ふわふわとした皓人さんの雰囲気には似つかわしくない、鋭い空気が漂う。膝の上でグッと、拳を作ってみる。
言うんだ。
言わないと。
そうやって自分を鼓舞しても、なかなか言葉が出てこない。
そんな私の姿に呆れたのか、皓人さんは盛大なため息をついた。彼がこんな態度を取るのは初めてかもしれない。
「何? 本当に全部終わらせたいの?」
イライラと、皓人さんの白い指が茶色いテーブルの上で小刻みに上下運動を繰り返す。こんな風にイラつく皓人さんを、私は知らない。
少しの恐怖心を抱きながらも、私はゆっくりと頷いた。
「分かった。じゃあ、これ食べ終わったらバイバイってことね」
不快感をにじませつつも、あっさりと納得したようにそう言い放った皓人さんの態度に少し驚く。恐る恐る顔を上げてみれば、皓人さんは何食わぬ顔でオムライスを食べていて。ドライだな、というか、彼にとって私はその程度の関心しかなかったのか、と改めて思い知らされる。
ゆっくりと、私もランチを再開したものの、皓人さんのスピードには到底及ばない。私が半分食べ終えた頃に彼のお皿の中は空になっていた。
皓人さんはグラスに残っていた水を一気に喉の奥に流し込むと、おもむろに立ち上がった。
「じゃ、バイバイ」
まるでまたすぐに会う友達や家族にするみたいに、皓人さんはそう言って手を振ると、そのままあっさりとこの場を後にした。こちらが拍子抜けするぐらいにあっさりと。
別に、縋りついて欲しいとか、引き留めて欲しいとか、そんな風に思っていたわけでもないし、そんなタイプの人だとも思ってはいなかったけれども。あまりにもドライな態度に、なんとなく心の中をモヤモヤが漂う。
皓人さんと別れる。
皓人さんとの関係に、区切りをつける。
その目的は達成されたはずなのに、すっきりしないのはどうしてだろうか。
皓人さんにとって、私はただの他人な訳だから、これだけあっさりしているのは当然といえば当然なのだろう。それなのに、どうしてこんなにも虚しさを感じてしまうんだろう。
すっかり冷えたオムライスを食べ進めながら、私の思考はすっかり皓人さんに支配されてしまっていた。
ふわりと笑いながら、皓人さんは言った。白いカーディガンを羽織ってブレンドコーヒーを飲む姿は、私たちが出会った日を彷彿とさせる。相変わらずの柔らかい雰囲気と鼻にかかった優しい声に、思わず胸がときめきかける。
でも、今日はそれじゃあいけない。
今日、私はこの曖昧な関係に区切りをつけに来たんだ。
「そうだっけ?」
微妙な笑いを作りながら、私は答えた。頭の中は、どうやって話を切り出すべきか、という疑問で溢れかえっている。
「そうだよ。いっつもおれの方から茉里ちゃんのこと誘ってばっかりじゃん? この間だってさ」
コーヒーを置いて話し始める皓人さんの言葉を聞いているふりをしながら、必死に彩可との会話を脳内で引っ張り出した。
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「実はね」
金沢出張から帰った日、帰宅した途端に疲れがどっと襲ってきて、私はすぐに泥のような眠りについた。そして翌日、目を覚ますと再びのパニックに襲われ、どうにも出張での出来事を1人では処理できず、親友に電話をかけた。
「やっとかー」
それが、一連の出来事を説明し終えた後の彩可の第一声だった。その言葉に、私は思わず驚きの声を上げてしまう。
「だって、話を聞いてても時間の問題かなって、思ってたもん。うん、いいと思うよ、菊地さん。茉里のこと、幸せにしてくれそうだもん」
声だけでも彩可が満面の笑みを浮かべているであろうことが分かり、私は内心複雑だった。
「それで、皓人さんのことなんだけどさ」
「あー、はいはい」
明らかに菊地さんとのことを話したときのテンションと異なる声色に、思わず小さくため息をこぼしたくなる。やっぱり、なんだかんだ彩可には皓人さんとのこと、歓迎されていなかったんだな、と改めて実感する。皓人さんも、彩可の話には関心を見せたことがなかったから、お互い様な側面もあるけれど。結局のところ、皓人さんを選択したのは間違いだった、ということなのだろうか。
「そのまま自然消滅ってのも、アリだとは思うよ」
彩可の言葉に、私はまたも驚きの声を上げた。
「なんか、茉里の話聞いてるとさ、そういうの気にしなさそうなタイプじゃん?」
「でも、そんな宙ぶらりんな状態じゃ居心地悪いっていうか」
私の答えに、彩可は少し考えるように唸る。
「じゃあ、ちゃんと、直接会って伝えなよ」
親友の提案に、私も「そうだよね」と同調する。やっぱり、直接会って話さないと、よね。
「んー、時間帯は午前中、いや、ランチがいいかな。2人きりになれる場所より、人がいる場所」
「なんで?」
「だって、別れ話でしょ? お互い感情的になりやすい話題なんだから、冷静さを保てるようなシチュエーションにしないと。それに、茉里のことだから2人きりだと流されかねないし」
ズバリ、と自分でも心配していた部分を突かれ、私は小さく声を上げた。こういうところ、彩可は本当に容赦がない。
「曖昧にしないで、ちゃんと言わなきゃダメなんだからね。中途半端は一番ダメだよ」
そう言うと、別れ話のコツとやらを彩可は語り始めた。大学生の頃からずっと亘くんと付き合い続けている茉里が、どうして大人の別れ話の秘訣を熟知しているのか、気にならなかったわけではなかったけれども、とにかく私は少しでも多くの情報を得ようと、必死だった。
*************************
「今度の週末は、海ほたる行こうよ。久々に車走らせたい気分なんだよねー」
いつの間にか運ばれてきたオムライスをスプーンで掬いながら、皓人さんは言った。どうやら私は、注文をした記憶すらないほどに緊張していたのだろうか。
「いい感じのレストランもあるし、あ、あと、足湯もあるらしいんだ。久々に足湯もいいなあって」
無邪気に笑う皓人さんは、何事もなかったみたいにいつも通りだ。金沢出張の時もそうだった。あの電話の翌日も、皓人さんは何事もなかったみたいにいつも通りの連絡を寄越した。その次の日も、そのまた次の日も。いつも通りの連絡に、いつも通りの誘い。仕事が忙しいからと断っても、変わらない。
私の心が変わっていることにも、気付かない。
私のことを理解してくれている人だと思ったから惹かれたはずなのに、それも結局は私の勘違いだったのだろうか。
「茉里ちゃん最近、足湯とか行った? あ、もしかして、金沢のホテルにあったりした?」
いつも通りのテンションで、皓人さんが問いかけてくる。
金沢のホテルに何があったのか。
金沢のホテルで何があったのか。
皓人さんは何も知らないし、知ることもない。
「そういうところもあるのかもしれないけど、私は行かなかったよ」
答えながら、オムライスをスプーンに乗せる。半熟の卵とデミグラスソースが、バターライスに絶妙に絡みつく。
「そっか。まあ、プライベートじゃなくて仕事だったもんね」
何も知らない皓人さんから放たれる言葉は、本人も想像していないダメージを私に与えた。
金沢へは、仕事で行った。
でも、私と菊地さんの関係は……。
私は何も言えずに、無言でオムライスを口に運んだ。
「楽しみだなー、海ほたる」
私の返事なんて待たずに、皓人さんのなかではもう週末の予定が決まっている。このままだと、また流される。そう思ったとき、彩可の言葉と共に、菊地さんの顔が浮かんだ。
「じゃあ、俺はこのまま期待して待ってていいの?」
そう口にした時、菊地さんは私の返事を待っていた。私の返事が、まるで彼の今後を左右するかのように、真剣に。それだけの重みが、私の返事1つにあると、思わせてくれたほどに。
「ごめん、私、行けないや」
言いながら、私は静かにスプーンを置いた。
「あ、足湯嫌いだった?」
オムライスに視線を落としたまま、皓人さん訊ねた。
「ううん、そうじゃなくて」
「海ほたる、嫌?」
「嫌じゃないけど、そういうことじゃなくて」
「ドライブの気分じゃない?」
「そういう話じゃなくて」
「あ、もしかして週末、都合悪い?」
「じゃなくて」
「じゃあ、何?」
イラつき気味に、皓人さんはようやく顔を上げた。
黒目がちの丸い瞳が、私のそれとかち合った。皓人さんの瞳を正面からこんな風にまっすぐと見つめたのは、いつぶりだろうか。なんだか、とても久しぶりな気がした。
「私、こういうの、もう無理」
静かに、私はつぶやいた。心臓が早鐘を打っている。
「こういうの?」
皓人さんの顔から、温度がさっとなくなっていくのが見えた。冷たい表情に冷たい声。いつかの電話を思い出す。
「こうやって、会ったり、出かけたり、一緒に過ごしたりするの、終わりにしたい」
ようやく絞り出した言葉は、どこか頼り無さげに震えていて。皓人さんの反応が怖くて、結局俯いてしまった。情けない。そう自覚しながらも、顔を上げる勇気が無い。
「おれと距離を置きたいってこと?」
冷ややかな声で、皓人さんは問いかける。
「距離を置くっていうか、むしろ」
別れたい、の一言が言えない。
別れたい、が正しい言葉なのか分からない。
だってそもそも付き合ってるわけじゃないんでしょ? 心のなかでそう皓人さんを責めながらも、本当は私自身が最後の決断を出来ていないのを誤魔化そうとしているだけだ。
「むしろ、何?」
ふわふわとした皓人さんの雰囲気には似つかわしくない、鋭い空気が漂う。膝の上でグッと、拳を作ってみる。
言うんだ。
言わないと。
そうやって自分を鼓舞しても、なかなか言葉が出てこない。
そんな私の姿に呆れたのか、皓人さんは盛大なため息をついた。彼がこんな態度を取るのは初めてかもしれない。
「何? 本当に全部終わらせたいの?」
イライラと、皓人さんの白い指が茶色いテーブルの上で小刻みに上下運動を繰り返す。こんな風にイラつく皓人さんを、私は知らない。
少しの恐怖心を抱きながらも、私はゆっくりと頷いた。
「分かった。じゃあ、これ食べ終わったらバイバイってことね」
不快感をにじませつつも、あっさりと納得したようにそう言い放った皓人さんの態度に少し驚く。恐る恐る顔を上げてみれば、皓人さんは何食わぬ顔でオムライスを食べていて。ドライだな、というか、彼にとって私はその程度の関心しかなかったのか、と改めて思い知らされる。
ゆっくりと、私もランチを再開したものの、皓人さんのスピードには到底及ばない。私が半分食べ終えた頃に彼のお皿の中は空になっていた。
皓人さんはグラスに残っていた水を一気に喉の奥に流し込むと、おもむろに立ち上がった。
「じゃ、バイバイ」
まるでまたすぐに会う友達や家族にするみたいに、皓人さんはそう言って手を振ると、そのままあっさりとこの場を後にした。こちらが拍子抜けするぐらいにあっさりと。
別に、縋りついて欲しいとか、引き留めて欲しいとか、そんな風に思っていたわけでもないし、そんなタイプの人だとも思ってはいなかったけれども。あまりにもドライな態度に、なんとなく心の中をモヤモヤが漂う。
皓人さんと別れる。
皓人さんとの関係に、区切りをつける。
その目的は達成されたはずなのに、すっきりしないのはどうしてだろうか。
皓人さんにとって、私はただの他人な訳だから、これだけあっさりしているのは当然といえば当然なのだろう。それなのに、どうしてこんなにも虚しさを感じてしまうんだろう。
すっかり冷えたオムライスを食べ進めながら、私の思考はすっかり皓人さんに支配されてしまっていた。
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