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Episode.2 君と再会、冒険の始まり
15話 再戦、真剣勝負④
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死んだと思われた男が生きていたという事実に、俺は膝を震わせることしか出来なかった。
戦っても勝てない。
こんな化け物に、勝てるわけがない。
ならばせめて、傍らに佇む少女だけでも――
振り向き、指示を出そうとして気づいた。
「な……んだよ、これ」
結界。そう呼ぶに相応しいものが、少女の居る場所を越えて俺達を囲い、閉じ込めていた。
結界というものは本来、外から中に通さないための物のはずであって、何かを閉じ込めることに関しては全くの無力だったはずだ。
「ならきっと……!」
だが俺の願いは、儚く散った。
俺の投げた小石は壁を通り抜けることなく弾き飛ばされ、俺の顔のすぐ横を通り砕けて消えた。
――あれに触れれば、俺もこうなる。
逃げられないという恐怖が俺を襲い、敵を目の前にして俺は地面に力なく崩れ落ちた。
ロトルは壁の外にいる。
仮に目が覚めたとしても、壁の中に入って俺達を助けられる可能性はゼロに近い。
絶望。
自分も他人も助けられず、ただ無意味にもがいて落ちていく。
俺という主人公の物語は幕を閉じ、外側で目を閉じて眠っている親友にも、出会ったばかりで名前も知らない少女にも、俺は手を差し伸べることが出来ない。
俺は英雄にはなれない。
ロトルのように体を張って誰かを守ることは出来ない。
俺という名の主人公は、誰かの物語の中で知らないうちに死んでいく。
出会うこともなければ存在を知られることもない、ただの一人。
――もう、諦めるしかないんだ。
そう思い、俺は体をさらに小さく丸めて蹲る。
それからずっと、長い時間蹲っていた。
男は何故か襲ってこなかったが、俺には分からなかった。
時間の感覚さえも薄れ、もう泣くのもやめた頃だった。
「――大丈夫か?」
声が聞こえる。
「俺に構わないでくれ。俺はもうすぐ死ぬんだ」
「生きたくないのか?」
「生きたいとかどうでもいい。もう、関係ない」
死ぬって決まってるのに、生きたいとか喚いても意味がない。
「そうかい。じゃあ俺が、生きたいと思わせてやるよ」
「は……は?」
おかしい。何かがおかしい。
何故、声が聞こえる。
何故、俺は応えることが出来る。
俺は顔を上げる。
――そこには眩しい、英雄がいたような気がした。
------------------------------------
「はぁ、はぁ……」
走る。僕は今走っている。
目覚めた時には頂点も見えないほど広がり紫色に輝いていた『壁』が、どんどん遠ざかり薄れていく。
――助けを呼ばなければ。
早く、早く呼ばなければ。
「なんだよあれ、何で、あんなことになってるんだよ」
地面に蹲り泣いている親友と、ただ呆然と立ち尽くす少女。
そんな二人と僕の間を引き離すかのようにそびえ立つ壁。
そして何故か立ち止まり、下を見ていた殺人鬼。
「目が覚めたらあの状況だよ! 一体何が起きたんだよ! ……ゲホッ」
殺人鬼の行動の意図が分からない。
分からないが、今がチャンスだと思った。
もう既に森を抜けていた。
街の灯りが見え、安心してきた。
「って、あ」
門が見える位置に移動してから気づいた。
「門閉まってるの……忘れてた」
まずい。これじゃあ助けが呼べないじゃないか。
とにかく街の近くまで行こうと思い、走る速度をあげる。
そして絶望は、希望に変わった。
「あ、あの!」
「ん? あぁ、君は少し前の」
「はい、ちょっと事件が起きてて助けて欲しいんです」
「事件……って言っても、怪我人が出たとかなら行かないよ。冒険者ってのは自己責任なんだ」
「分かってますよ。僕が言ってる事件ってのは、指名手配されている殺人鬼のことなんです」
「殺人鬼……か」
衛兵の目の色が変わる。
さっきまでとは一変し、緊張した目つきに。
「分かった。僕が行こう」
「ありがとうございます! それじゃあ悪いんですが……ほぇ?」
僕が行く……ってことは、この人は一人で行くつもりなのか?
「い、いやあの……」
「分かってるよ。僕を信じてくれ」
「は、はい」
鋭い剣幕に押され、僕は思わず了承してしまう。
だが、本当に大丈夫なのだろうか。
そう思っているうちに、僕はいつの間にか彼に背負われていた。
あれ、なんか嫌な予感がするんですけど――
「うわ、は、早っ! えぇ!?」
少し大袈裟だと思うかもしれないが、全くもってそんなことは無い。
彼は僕を背負ったまま、僕が十分間程かけて走ってきた道をありえない速度で走っている。
僕が驚きながらも道案内をしているうちに、既にあの『壁』が見えてきた。
「あそこでいいんだよね?」
「は、はい」
おかしい。この人おかしいぞ!
ただの衛兵じゃなかったのか!?
そんな思考がぐるぐると僕の頭の中を回る中、『壁』に近づくにつれて僕を背負っている自称衛兵は、少しづつ速度を下げていく。
そして『壁』が眼前にまで迫ったところで、彼は僕を地面に下ろした。
「えっと、衛兵さんですよ……ね?」
「衛兵だよ。でも君が会った衛兵とは違うかな」
「いやそうじゃなくて、さっきのって一体」
「じゃあ、行ってくるよ。君の友人を助けにね」
「いやちょっと」
僕の問いに答えることなく、彼は『壁』の中へと入っていく。
そして彼の右足が『壁』を越え、地についた時。
「あ……」
殺人鬼が顔を上げ、こちらを――正確には『壁』の向こうにいる三人を見据えた。
「なるほど……貴方のお顔を拝見する限り、後ろの彼が言っていたことは嘘ではないようだ」
「え、疑ってたんですか」
少しショックだが、実際に顔を見て分かってもらえたのならそれでいい。
そして僕が今注意を向けているのは、殺人鬼が手に握る黒塗りの短剣。
今見てみて気づいたが、『強欲の晶剣』とかいうやつだった気がする。
切りつけた相手から魔力を吸い取り、持ち主の糧とする『強欲』な晶剣なのだが、それにはまだ明かされていない能力がある。
昔、ある街をここにあるのと同じ『壁』が覆ったらしい。
街の人々は慌てふためき、騒ぎに騒いだ。
だが暫くの間何かが起きることはなく、人々は安堵の息を漏らした。
――しかしそれも束の間であった。
用事で街を出ていた商人が戻ってきたのだ。
勿論彼は何事かと思い、近くの街に協力を呼びかけた。
そして集まった兵士達が『壁』に足を踏み入れた瞬間、それは起こった。
突然街にいた住人が暴れだし、次々と街の人々を殺害していった。
街を出ようとした者は粉々に散り、助けに来たはずの兵士も殺された。
「本当はもうちょっと長い話があるわけなんだけど……」
もうどうでもいい。重要な部分はこの中に出てきた。
何故兵士が足を踏み入れた途端、大殺戮が起きてしまったのか。
もしかしたらその無数の兵士たちの中の誰かが何かをしたのかもしれない。
確かに、人を意のままに操る魔法もあるにはある。
だがそれを発動させるには大量の魔力が必要であり、たかが一人の悪巧みでどうにかなるレベルではない。
それにその時と今とを比べる上で重要なのは、『壁』の中に『誰か』が入った時点で『誰か』が動き始めたということ。
あの殺人鬼は言った。「お前ら全員逃すつもりは無い」と。
つまりこれは、最初にいた僕達『三人』を狙い発動させられた罠。
昔の事件でもそうだったのだろう。
あれは街の住人の数である『千七百六十七(1767)人』を狙い発動させられた罠。
だから絶対にそれだけの人数を殺せるように、外からしか通り抜けられない『壁』が創られた。
目の前にある『壁』の内側の定員は『三人』。
そして僕が抜けて自称衛兵が入ったので、定員通りの人数になった。
「だから殺人鬼は動き出した……か」
自称衛兵の人がどれだけ強いのかは分からないが、彼に任せるしかない。
僕らではどうにも出来ないのだから。
------------------------------------
圧倒的説明回でした。
一体自称衛兵の正体は誰なんでしょうね。
あと街の人口のところに英数字が書いてありますが、別に読者の皆様方を馬鹿にしているわけでは断じて御座いません。
ただ単にそのほうが読みやすいと思ったからですよ。
戦っても勝てない。
こんな化け物に、勝てるわけがない。
ならばせめて、傍らに佇む少女だけでも――
振り向き、指示を出そうとして気づいた。
「な……んだよ、これ」
結界。そう呼ぶに相応しいものが、少女の居る場所を越えて俺達を囲い、閉じ込めていた。
結界というものは本来、外から中に通さないための物のはずであって、何かを閉じ込めることに関しては全くの無力だったはずだ。
「ならきっと……!」
だが俺の願いは、儚く散った。
俺の投げた小石は壁を通り抜けることなく弾き飛ばされ、俺の顔のすぐ横を通り砕けて消えた。
――あれに触れれば、俺もこうなる。
逃げられないという恐怖が俺を襲い、敵を目の前にして俺は地面に力なく崩れ落ちた。
ロトルは壁の外にいる。
仮に目が覚めたとしても、壁の中に入って俺達を助けられる可能性はゼロに近い。
絶望。
自分も他人も助けられず、ただ無意味にもがいて落ちていく。
俺という主人公の物語は幕を閉じ、外側で目を閉じて眠っている親友にも、出会ったばかりで名前も知らない少女にも、俺は手を差し伸べることが出来ない。
俺は英雄にはなれない。
ロトルのように体を張って誰かを守ることは出来ない。
俺という名の主人公は、誰かの物語の中で知らないうちに死んでいく。
出会うこともなければ存在を知られることもない、ただの一人。
――もう、諦めるしかないんだ。
そう思い、俺は体をさらに小さく丸めて蹲る。
それからずっと、長い時間蹲っていた。
男は何故か襲ってこなかったが、俺には分からなかった。
時間の感覚さえも薄れ、もう泣くのもやめた頃だった。
「――大丈夫か?」
声が聞こえる。
「俺に構わないでくれ。俺はもうすぐ死ぬんだ」
「生きたくないのか?」
「生きたいとかどうでもいい。もう、関係ない」
死ぬって決まってるのに、生きたいとか喚いても意味がない。
「そうかい。じゃあ俺が、生きたいと思わせてやるよ」
「は……は?」
おかしい。何かがおかしい。
何故、声が聞こえる。
何故、俺は応えることが出来る。
俺は顔を上げる。
――そこには眩しい、英雄がいたような気がした。
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「はぁ、はぁ……」
走る。僕は今走っている。
目覚めた時には頂点も見えないほど広がり紫色に輝いていた『壁』が、どんどん遠ざかり薄れていく。
――助けを呼ばなければ。
早く、早く呼ばなければ。
「なんだよあれ、何で、あんなことになってるんだよ」
地面に蹲り泣いている親友と、ただ呆然と立ち尽くす少女。
そんな二人と僕の間を引き離すかのようにそびえ立つ壁。
そして何故か立ち止まり、下を見ていた殺人鬼。
「目が覚めたらあの状況だよ! 一体何が起きたんだよ! ……ゲホッ」
殺人鬼の行動の意図が分からない。
分からないが、今がチャンスだと思った。
もう既に森を抜けていた。
街の灯りが見え、安心してきた。
「って、あ」
門が見える位置に移動してから気づいた。
「門閉まってるの……忘れてた」
まずい。これじゃあ助けが呼べないじゃないか。
とにかく街の近くまで行こうと思い、走る速度をあげる。
そして絶望は、希望に変わった。
「あ、あの!」
「ん? あぁ、君は少し前の」
「はい、ちょっと事件が起きてて助けて欲しいんです」
「事件……って言っても、怪我人が出たとかなら行かないよ。冒険者ってのは自己責任なんだ」
「分かってますよ。僕が言ってる事件ってのは、指名手配されている殺人鬼のことなんです」
「殺人鬼……か」
衛兵の目の色が変わる。
さっきまでとは一変し、緊張した目つきに。
「分かった。僕が行こう」
「ありがとうございます! それじゃあ悪いんですが……ほぇ?」
僕が行く……ってことは、この人は一人で行くつもりなのか?
「い、いやあの……」
「分かってるよ。僕を信じてくれ」
「は、はい」
鋭い剣幕に押され、僕は思わず了承してしまう。
だが、本当に大丈夫なのだろうか。
そう思っているうちに、僕はいつの間にか彼に背負われていた。
あれ、なんか嫌な予感がするんですけど――
「うわ、は、早っ! えぇ!?」
少し大袈裟だと思うかもしれないが、全くもってそんなことは無い。
彼は僕を背負ったまま、僕が十分間程かけて走ってきた道をありえない速度で走っている。
僕が驚きながらも道案内をしているうちに、既にあの『壁』が見えてきた。
「あそこでいいんだよね?」
「は、はい」
おかしい。この人おかしいぞ!
ただの衛兵じゃなかったのか!?
そんな思考がぐるぐると僕の頭の中を回る中、『壁』に近づくにつれて僕を背負っている自称衛兵は、少しづつ速度を下げていく。
そして『壁』が眼前にまで迫ったところで、彼は僕を地面に下ろした。
「えっと、衛兵さんですよ……ね?」
「衛兵だよ。でも君が会った衛兵とは違うかな」
「いやそうじゃなくて、さっきのって一体」
「じゃあ、行ってくるよ。君の友人を助けにね」
「いやちょっと」
僕の問いに答えることなく、彼は『壁』の中へと入っていく。
そして彼の右足が『壁』を越え、地についた時。
「あ……」
殺人鬼が顔を上げ、こちらを――正確には『壁』の向こうにいる三人を見据えた。
「なるほど……貴方のお顔を拝見する限り、後ろの彼が言っていたことは嘘ではないようだ」
「え、疑ってたんですか」
少しショックだが、実際に顔を見て分かってもらえたのならそれでいい。
そして僕が今注意を向けているのは、殺人鬼が手に握る黒塗りの短剣。
今見てみて気づいたが、『強欲の晶剣』とかいうやつだった気がする。
切りつけた相手から魔力を吸い取り、持ち主の糧とする『強欲』な晶剣なのだが、それにはまだ明かされていない能力がある。
昔、ある街をここにあるのと同じ『壁』が覆ったらしい。
街の人々は慌てふためき、騒ぎに騒いだ。
だが暫くの間何かが起きることはなく、人々は安堵の息を漏らした。
――しかしそれも束の間であった。
用事で街を出ていた商人が戻ってきたのだ。
勿論彼は何事かと思い、近くの街に協力を呼びかけた。
そして集まった兵士達が『壁』に足を踏み入れた瞬間、それは起こった。
突然街にいた住人が暴れだし、次々と街の人々を殺害していった。
街を出ようとした者は粉々に散り、助けに来たはずの兵士も殺された。
「本当はもうちょっと長い話があるわけなんだけど……」
もうどうでもいい。重要な部分はこの中に出てきた。
何故兵士が足を踏み入れた途端、大殺戮が起きてしまったのか。
もしかしたらその無数の兵士たちの中の誰かが何かをしたのかもしれない。
確かに、人を意のままに操る魔法もあるにはある。
だがそれを発動させるには大量の魔力が必要であり、たかが一人の悪巧みでどうにかなるレベルではない。
それにその時と今とを比べる上で重要なのは、『壁』の中に『誰か』が入った時点で『誰か』が動き始めたということ。
あの殺人鬼は言った。「お前ら全員逃すつもりは無い」と。
つまりこれは、最初にいた僕達『三人』を狙い発動させられた罠。
昔の事件でもそうだったのだろう。
あれは街の住人の数である『千七百六十七(1767)人』を狙い発動させられた罠。
だから絶対にそれだけの人数を殺せるように、外からしか通り抜けられない『壁』が創られた。
目の前にある『壁』の内側の定員は『三人』。
そして僕が抜けて自称衛兵が入ったので、定員通りの人数になった。
「だから殺人鬼は動き出した……か」
自称衛兵の人がどれだけ強いのかは分からないが、彼に任せるしかない。
僕らではどうにも出来ないのだから。
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圧倒的説明回でした。
一体自称衛兵の正体は誰なんでしょうね。
あと街の人口のところに英数字が書いてありますが、別に読者の皆様方を馬鹿にしているわけでは断じて御座いません。
ただ単にそのほうが読みやすいと思ったからですよ。
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