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公爵令嬢の一度きりの魔法
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「フィセル、お願いだ。この僕と婚約を交わしてくれ」
そう迫ってくる背の高い男性はアストラ皇帝陛下。白い髪を揺らし、深緑の鋭い瞳で威圧感がある。普通の女性ならひとたまりもない。一瞬で落ちるでしょう。
けれど、わたくしは違った。
「婚約、ですか」
「ああ。君はどの女性よりも気高く、美しいからね」
「お褒めに預かり光栄ですわ。でも、わたくしは気になる方が……」
「ほう、ならば特級領地をつけよう」
「……そ、それは本当ですか」
ケントゥリア帝国の領土は広大で、その地をあらゆる貴族が支配している。我が家もいくつか領地を持ってはいるけれど、どれも下級領地。
皇帝陛下の仰る特級領地は、その景観レベルだけでなく農地や山としても優秀な条件が含まれる。なので、例えば農地なら品質の良い野菜が作れたり、山なら金や宝石を採掘できたりとても好条件。
それに、そもそも彼はケントゥリア帝国の皇帝陛下。この広大にして強大な帝国の皇后になれるのなら、それはとても魅力的な事。
でも。
わたくしは隣国の王子様が好きだった……好きだったけれど、この話を乗らないわけには。
「答えを聞こうか、フィセル」
「もちろん、お受けします」
「良い返答だ。よろしい、望み通り特級領地をくれてやる。南方にある『クルトゥーラ』という領地だ。好きに使うがいい」
――アストラ皇帝陛下と婚約を交わした後、わたくしは彼の為に身を捧げ尽くした。その三日後。
「それでは、領地を見に行ってきます」
「分かった、道中気をつけて。祈っているよ、フィセル」
アストラ様は皇帝陛下であるし、用事もあるとの事でついては来られなかった。でも、ようやく特級領地を手に入れた。
皇帝陛下と婚約を交わせるだけでも幸せなのに、更に特級領地とは……わたくしは幸せ者だ。
この時まではそう思っていた。
馬車に乗り、領地の下見へ向かった。
南方にある『クルトゥーラ』は半日掛かる。ちなみに、東へ行けば『ミネラ』という宝石の採れる山もあるので、本当がそちらが欲しかったけどクルトゥーラは農業に最適な場所と聞いた。
長い道のりを経て――到着する。
「……えっと、これは」
馬車から降りて、わたくしは愕然となった。
そこに広がっていたのは何もない荒地だったからだ。これは……何? とても特級とは言い難い酷いものだった。
「フィセル様は騙されたんですよ」
御者であるオジ様がそう言った。騙された……?
「どういう事ですか」
「アストラ皇帝陛下はそういうお人なんです。身分の高い貴族女性を騙し、散々楽しんだ後に捨てるっていう……」
「は……はい? なにそれ! 本当なら最低じゃないですか!」
「ああ……そうそう、そんな顔をした女性を何人も見て来た。そして、大抵の女性は泣き寝入りさ。
でも、俺はもうウンザリでね。だからフィセル様には真実を話したのですよ」
そう、だったの。
今まで何人も騙されて。
わたくし、あの人と何度も肌を重ね合わせたのに……うぅ。
「こうなったら……魔法を使うしか」
「魔法? フィセル様は魔法が使えるのですか」
「ええ、我が家はそういう魔法使いの家系だったらしいのです。けれど、段々とその血も薄くなってしまい……今では使い捨ての一度きりです」
使うと『奇跡』が起こる魔法らしい。
だから人生最大のピンチが訪れた時だけ使いなさいと両親から強く言われていた。わたくしはそれをずっと守ってきた。
今こそ使う時が来たのかもしれない。
このままでは、わたくしは何もかもを奪われ、失う。それだけはイヤだ。だからこそ、選ばなければならない。
この力を使うかどうか。
でもその前に。
「一度、帝国に連れていって下さい。皇帝陛下に確認します」
「これは驚きました。大半の女性が諦めていたのに、その強い意思……分かりました。付き合いますよ」
――わたくしは帝国へ戻った。
そして、アストラ皇帝陛下に問い質した。
「アストラ様、これはどういう事ですか!」
「なんの事かな」
「とぼけないで下さい。あれは特級領地と呼べるものではありませんでした。ただの荒地です!」
「その通り。お前に相応しい地ではないか」
「……そんな。酷過ぎます! わたくは領地を条件に婚約を交わしたのに……身も差し出したのに」
「フハハ。エサに釣られた自身の愚かさを呪うがいい。フィセル、お前はもう用済みだ。婚約も破棄する」
そんなアッサリと……許せない。
もう使うしかない、奇跡の魔法を。
どんな効力なのか分からないけど。
「分かりました、アストラ様。わたくしは婚約破棄に同意しますけれど……でも、絶対に許しませんし、絶対に後悔させます」
「ハハハハ……! 許さない? 後悔させる? やれるものならやってみるがいい!」
ええ、もちろん。
わたくしは『一度きりの魔法』を使った。
全身が白い光に包まれていくような。
「――――」
・
・
・
「――答えを聞こうか、フィセル」
「え……」
あれ、何も起きていない?
「なにをボサっとしている。返答を聞こうか」
「へ、返答?」
「うむ、婚約を交わすかどうかだ」
それってつまり……。
もしかして、これは三日前に戻った?
一度きりの魔法ってそういう事。
一度だけ過去に戻れるんだ。
しかもこの場所からスタートしている。
なら、わたくしが取るべき方法は決まっている。
「残念ですが、わたくしは隣国の王子様が気になっていますの」
「そうか、ならば領地をつけよう。それも特級のな」
「分かりました。では、東の『ミネラ』を下さいませ」
「……なッ」
その反応。
ミネラは実在するようね。
しかも宝石類があるって事。
「それが無理でしたらわたくしは諦めて下さい――いたッ」
いきなり瞳がズキンと痛んだ。
あれ……どうして?
「……フィセル、どうかしたか」
「いえ、問題ありません。とにかく、ミネラを戴けないのでしたらこの話は無かった事に」
「分かった。もうよい」
アストラはわたくしに興味を失い、目線を逸らす。そう、まあいいわ。これでもう不幸にならなくて済む。
――お城を出ていく。
その際、御者のオジ様が立っていた。どうして、こんなところに?
「フィセル、お久しぶり」
「えっ……あなた」
「いや、俺もびっくりだよ。あのアストラに変えられていた姿が戻るなんて……!」
オジ様だった彼の顔が変わっていく。
魔法で姿を変えられていたの!?
「あなた……隣国の王子・レグルス様」
「そうだよ。俺はね……ヤツにフィセルを取られたくなくて……君よりも早く交渉しに何度も来ていたんだ。でも、呪いの魔法でオジさんの姿にされていたんだ。だから、君が来るのを待ってずっと御者を続けて……」
「そうだったの、わたくしの為に……ごめんなさい」
「でもこれは奇跡だよ。まさか元に戻れるとは思わなかったし」
そっか、さっき瞳がズキン痛みだしたのは……まだ何か『魔法』が起きているから? ただ単に過去へ遡るだけの力じゃないって事?
だとしたら……これから、何が起こるの。
「……嫌な予感がします。レグルス様、一緒に国を出ましょう」
「う、うん。まさかフィセルからそう言ってくれるとは嬉しいよ。絶対に幸せにして見せる」
「ええ、わたくしは元々あなたを想っていたのですから」
一度でもあの皇帝陛下に振り向いた事、すごく後悔している。でも、こうして奇跡の力で戻れて……本当に良かった。
こうして、わたくしとレグルス王子は一緒になり、国を出た。
――その直後。
宝石のたくさん採れる東の『ミネラ』は落盤で崩壊。南方にある『クルトゥーラ』には、なぜか大量のゾンビが発生して、それがケントゥリア帝国へ流れ込んだ。
そして……
帝国はどうしようもない程に壊れていき、財源だった宝石もたくさんの領地もゾンビによって破壊され、最後に帝国も消失。その結果、ほとんどの民は国を捨てた。
皇帝だったアストラは精神崩壊。
最期にはゾンビに噛まれ、感染。――とまあ、酷い有様に終わったと大々的に情報が流れてきたから、確かなのだろう。
どうやら、わたくしの魔法は『一度だけ過去に戻り、更に復讐したい相手を不幸のどん底に陥れる』という強烈なものだった。
つまりこれは、全てセットで一度きりの魔法だったらしい。
「お気の毒に。でも民の方々が無事でよ良かった」
「そうだね、難民はウチで受け入れたし」
「その節はありがとうございました。わたくしの家族も特別扱いして戴き、感謝しております」
「いや、当然の事をしたまでさ。さて、こっちにおいで」
「は……はい。わたくし、レグルス様と幸せになりたいです」
「うん。俺もだよ、こうして抱いていて良いかい」
「はい、いっぱい愛してください」
嘗てないほど愛され、わたくしは幸せになった。
そう迫ってくる背の高い男性はアストラ皇帝陛下。白い髪を揺らし、深緑の鋭い瞳で威圧感がある。普通の女性ならひとたまりもない。一瞬で落ちるでしょう。
けれど、わたくしは違った。
「婚約、ですか」
「ああ。君はどの女性よりも気高く、美しいからね」
「お褒めに預かり光栄ですわ。でも、わたくしは気になる方が……」
「ほう、ならば特級領地をつけよう」
「……そ、それは本当ですか」
ケントゥリア帝国の領土は広大で、その地をあらゆる貴族が支配している。我が家もいくつか領地を持ってはいるけれど、どれも下級領地。
皇帝陛下の仰る特級領地は、その景観レベルだけでなく農地や山としても優秀な条件が含まれる。なので、例えば農地なら品質の良い野菜が作れたり、山なら金や宝石を採掘できたりとても好条件。
それに、そもそも彼はケントゥリア帝国の皇帝陛下。この広大にして強大な帝国の皇后になれるのなら、それはとても魅力的な事。
でも。
わたくしは隣国の王子様が好きだった……好きだったけれど、この話を乗らないわけには。
「答えを聞こうか、フィセル」
「もちろん、お受けします」
「良い返答だ。よろしい、望み通り特級領地をくれてやる。南方にある『クルトゥーラ』という領地だ。好きに使うがいい」
――アストラ皇帝陛下と婚約を交わした後、わたくしは彼の為に身を捧げ尽くした。その三日後。
「それでは、領地を見に行ってきます」
「分かった、道中気をつけて。祈っているよ、フィセル」
アストラ様は皇帝陛下であるし、用事もあるとの事でついては来られなかった。でも、ようやく特級領地を手に入れた。
皇帝陛下と婚約を交わせるだけでも幸せなのに、更に特級領地とは……わたくしは幸せ者だ。
この時まではそう思っていた。
馬車に乗り、領地の下見へ向かった。
南方にある『クルトゥーラ』は半日掛かる。ちなみに、東へ行けば『ミネラ』という宝石の採れる山もあるので、本当がそちらが欲しかったけどクルトゥーラは農業に最適な場所と聞いた。
長い道のりを経て――到着する。
「……えっと、これは」
馬車から降りて、わたくしは愕然となった。
そこに広がっていたのは何もない荒地だったからだ。これは……何? とても特級とは言い難い酷いものだった。
「フィセル様は騙されたんですよ」
御者であるオジ様がそう言った。騙された……?
「どういう事ですか」
「アストラ皇帝陛下はそういうお人なんです。身分の高い貴族女性を騙し、散々楽しんだ後に捨てるっていう……」
「は……はい? なにそれ! 本当なら最低じゃないですか!」
「ああ……そうそう、そんな顔をした女性を何人も見て来た。そして、大抵の女性は泣き寝入りさ。
でも、俺はもうウンザリでね。だからフィセル様には真実を話したのですよ」
そう、だったの。
今まで何人も騙されて。
わたくし、あの人と何度も肌を重ね合わせたのに……うぅ。
「こうなったら……魔法を使うしか」
「魔法? フィセル様は魔法が使えるのですか」
「ええ、我が家はそういう魔法使いの家系だったらしいのです。けれど、段々とその血も薄くなってしまい……今では使い捨ての一度きりです」
使うと『奇跡』が起こる魔法らしい。
だから人生最大のピンチが訪れた時だけ使いなさいと両親から強く言われていた。わたくしはそれをずっと守ってきた。
今こそ使う時が来たのかもしれない。
このままでは、わたくしは何もかもを奪われ、失う。それだけはイヤだ。だからこそ、選ばなければならない。
この力を使うかどうか。
でもその前に。
「一度、帝国に連れていって下さい。皇帝陛下に確認します」
「これは驚きました。大半の女性が諦めていたのに、その強い意思……分かりました。付き合いますよ」
――わたくしは帝国へ戻った。
そして、アストラ皇帝陛下に問い質した。
「アストラ様、これはどういう事ですか!」
「なんの事かな」
「とぼけないで下さい。あれは特級領地と呼べるものではありませんでした。ただの荒地です!」
「その通り。お前に相応しい地ではないか」
「……そんな。酷過ぎます! わたくは領地を条件に婚約を交わしたのに……身も差し出したのに」
「フハハ。エサに釣られた自身の愚かさを呪うがいい。フィセル、お前はもう用済みだ。婚約も破棄する」
そんなアッサリと……許せない。
もう使うしかない、奇跡の魔法を。
どんな効力なのか分からないけど。
「分かりました、アストラ様。わたくしは婚約破棄に同意しますけれど……でも、絶対に許しませんし、絶対に後悔させます」
「ハハハハ……! 許さない? 後悔させる? やれるものならやってみるがいい!」
ええ、もちろん。
わたくしは『一度きりの魔法』を使った。
全身が白い光に包まれていくような。
「――――」
・
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「――答えを聞こうか、フィセル」
「え……」
あれ、何も起きていない?
「なにをボサっとしている。返答を聞こうか」
「へ、返答?」
「うむ、婚約を交わすかどうかだ」
それってつまり……。
もしかして、これは三日前に戻った?
一度きりの魔法ってそういう事。
一度だけ過去に戻れるんだ。
しかもこの場所からスタートしている。
なら、わたくしが取るべき方法は決まっている。
「残念ですが、わたくしは隣国の王子様が気になっていますの」
「そうか、ならば領地をつけよう。それも特級のな」
「分かりました。では、東の『ミネラ』を下さいませ」
「……なッ」
その反応。
ミネラは実在するようね。
しかも宝石類があるって事。
「それが無理でしたらわたくしは諦めて下さい――いたッ」
いきなり瞳がズキンと痛んだ。
あれ……どうして?
「……フィセル、どうかしたか」
「いえ、問題ありません。とにかく、ミネラを戴けないのでしたらこの話は無かった事に」
「分かった。もうよい」
アストラはわたくしに興味を失い、目線を逸らす。そう、まあいいわ。これでもう不幸にならなくて済む。
――お城を出ていく。
その際、御者のオジ様が立っていた。どうして、こんなところに?
「フィセル、お久しぶり」
「えっ……あなた」
「いや、俺もびっくりだよ。あのアストラに変えられていた姿が戻るなんて……!」
オジ様だった彼の顔が変わっていく。
魔法で姿を変えられていたの!?
「あなた……隣国の王子・レグルス様」
「そうだよ。俺はね……ヤツにフィセルを取られたくなくて……君よりも早く交渉しに何度も来ていたんだ。でも、呪いの魔法でオジさんの姿にされていたんだ。だから、君が来るのを待ってずっと御者を続けて……」
「そうだったの、わたくしの為に……ごめんなさい」
「でもこれは奇跡だよ。まさか元に戻れるとは思わなかったし」
そっか、さっき瞳がズキン痛みだしたのは……まだ何か『魔法』が起きているから? ただ単に過去へ遡るだけの力じゃないって事?
だとしたら……これから、何が起こるの。
「……嫌な予感がします。レグルス様、一緒に国を出ましょう」
「う、うん。まさかフィセルからそう言ってくれるとは嬉しいよ。絶対に幸せにして見せる」
「ええ、わたくしは元々あなたを想っていたのですから」
一度でもあの皇帝陛下に振り向いた事、すごく後悔している。でも、こうして奇跡の力で戻れて……本当に良かった。
こうして、わたくしとレグルス王子は一緒になり、国を出た。
――その直後。
宝石のたくさん採れる東の『ミネラ』は落盤で崩壊。南方にある『クルトゥーラ』には、なぜか大量のゾンビが発生して、それがケントゥリア帝国へ流れ込んだ。
そして……
帝国はどうしようもない程に壊れていき、財源だった宝石もたくさんの領地もゾンビによって破壊され、最後に帝国も消失。その結果、ほとんどの民は国を捨てた。
皇帝だったアストラは精神崩壊。
最期にはゾンビに噛まれ、感染。――とまあ、酷い有様に終わったと大々的に情報が流れてきたから、確かなのだろう。
どうやら、わたくしの魔法は『一度だけ過去に戻り、更に復讐したい相手を不幸のどん底に陥れる』という強烈なものだった。
つまりこれは、全てセットで一度きりの魔法だったらしい。
「お気の毒に。でも民の方々が無事でよ良かった」
「そうだね、難民はウチで受け入れたし」
「その節はありがとうございました。わたくしの家族も特別扱いして戴き、感謝しております」
「いや、当然の事をしたまでさ。さて、こっちにおいで」
「は……はい。わたくし、レグルス様と幸せになりたいです」
「うん。俺もだよ、こうして抱いていて良いかい」
「はい、いっぱい愛してください」
嘗てないほど愛され、わたくしは幸せになった。
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