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◆婚約破棄
「すまないな、アイシア。婚約破棄だ」
「……ウ、ウソでしょうノルベルト……今日まで幸せだったではありませんか」
突然呼び出されたかと思えば、ノルベルトはわたしに婚約破棄を迫ってきた。そんな急に言われても困る……。
「そうか。素直に応じれば傷つけないつもりだったが」
ノルベルトが指を鳴らすと部屋の奥から妹のクロエが現れた。……ど、どうしてこの場所に?
「ごきげんよう、お姉様」
「クロエ!」
「もうアンタは用済みってことよ」
「え……」
「まだ分からないの、アイシアお姉様。わたくしとノルベルトはこういう関係です」
ニヤリと笑うクロエは、わたしの目の前でノルベルトに抱きつき……キスを交わしていた。……ウソ、ウソよ。
こんなの……悪い夢。
そう思いたかった。
「つまり、こういうことだったんだ、アイシア」
「騙していたんですか、ノルベルト」
「君のこの家も金も全てクロエが与えてくれたよ。これで俺は安泰ってわけさ」
普段とは違う悪魔的な表情を向けるノルベルト。……そう、だったんだ。妹のクロエと共謀していたんだ。
「こんなの酷過ぎる!! クロエ、家もお金も渡しません!」
「もう遅いのよ、お姉様。こんなこともあろうかとね、傭兵を雇ってあるの。早くしないとお姉様は拷問とかされちゃうかもね~、キャハハハ」
……っ!
そ、そんなことって……。
わたしは身の危険を感じて部屋から出た。
自分の家を出て、そのまま街の方へ。
確かに背後からは見かけない男たちの姿があった。追い掛けてくるし、わたしの命を狙っているみたい。……怖い。とても怖い。
唯一頼れるのは辺境伯エディ・ヒュルケンベルグだけ。
彼は若くして辺境伯であり、幼馴染。最近はノルベルトとの生活もあって会う機会も減っていた。
でも彼なら……分かってくれるはず。
急いで向かうけど、後ろから傭兵らしき男が二名追い付いてきた。どちらも大きな体格で、腰に剣を携えていた。
「お嬢ちゃん、ちょっと待ちな」
「……アイシアさんよぉ、観念しな」
やっぱり、クロエが雇った傭兵ね……。かなりまずい状況だけど、諦めたくはない。奪われたものを奪い返すまでは死ねない。
絶対に生き残って、全てを取り戻す。
けど、反撃する力はない。
「……っ」
じりじりと後退していく。けれど、男達に囲まれて……絶体絶命のピンチに。ここまでなの……。
剣を抜き、こちらに向けてくる二人組。
けど、その直後には剣が弾かれて宙を舞っていた。
ガンッという鈍い音がして、傭兵二人組が激痛に叫んでいた。
「ぎゃあああ! なんだ!?」
「うぐッ! 俺の剣が!」
わたしの目の前に現れる男の人。
金の髪を風に揺らし、飄々とした表情で傭兵を見つめる。……こ、この人はまさか。
「エディ……なの」
「やあ、アイシア。偶然だね。君が何者かに襲われているのが見えたからさ、助けに来た」
「よ、良かった……エディ。わたし……」
「アイシアがそれほど追い詰められているということは、なにかあったんだね。あとで詳しく聞かせてくれ」
剣を構え、二人を威圧するエディ。
彼は剣の達人。
聖騎士とも謳われた人。
状況を見守っていると、一瞬で決着はついた。
いつの間にか傭兵の剣が真っ二つになっていた。二人はエディを恐れて退散。逃げていった。……良かった。助かった……。
「……ウ、ウソでしょうノルベルト……今日まで幸せだったではありませんか」
突然呼び出されたかと思えば、ノルベルトはわたしに婚約破棄を迫ってきた。そんな急に言われても困る……。
「そうか。素直に応じれば傷つけないつもりだったが」
ノルベルトが指を鳴らすと部屋の奥から妹のクロエが現れた。……ど、どうしてこの場所に?
「ごきげんよう、お姉様」
「クロエ!」
「もうアンタは用済みってことよ」
「え……」
「まだ分からないの、アイシアお姉様。わたくしとノルベルトはこういう関係です」
ニヤリと笑うクロエは、わたしの目の前でノルベルトに抱きつき……キスを交わしていた。……ウソ、ウソよ。
こんなの……悪い夢。
そう思いたかった。
「つまり、こういうことだったんだ、アイシア」
「騙していたんですか、ノルベルト」
「君のこの家も金も全てクロエが与えてくれたよ。これで俺は安泰ってわけさ」
普段とは違う悪魔的な表情を向けるノルベルト。……そう、だったんだ。妹のクロエと共謀していたんだ。
「こんなの酷過ぎる!! クロエ、家もお金も渡しません!」
「もう遅いのよ、お姉様。こんなこともあろうかとね、傭兵を雇ってあるの。早くしないとお姉様は拷問とかされちゃうかもね~、キャハハハ」
……っ!
そ、そんなことって……。
わたしは身の危険を感じて部屋から出た。
自分の家を出て、そのまま街の方へ。
確かに背後からは見かけない男たちの姿があった。追い掛けてくるし、わたしの命を狙っているみたい。……怖い。とても怖い。
唯一頼れるのは辺境伯エディ・ヒュルケンベルグだけ。
彼は若くして辺境伯であり、幼馴染。最近はノルベルトとの生活もあって会う機会も減っていた。
でも彼なら……分かってくれるはず。
急いで向かうけど、後ろから傭兵らしき男が二名追い付いてきた。どちらも大きな体格で、腰に剣を携えていた。
「お嬢ちゃん、ちょっと待ちな」
「……アイシアさんよぉ、観念しな」
やっぱり、クロエが雇った傭兵ね……。かなりまずい状況だけど、諦めたくはない。奪われたものを奪い返すまでは死ねない。
絶対に生き残って、全てを取り戻す。
けど、反撃する力はない。
「……っ」
じりじりと後退していく。けれど、男達に囲まれて……絶体絶命のピンチに。ここまでなの……。
剣を抜き、こちらに向けてくる二人組。
けど、その直後には剣が弾かれて宙を舞っていた。
ガンッという鈍い音がして、傭兵二人組が激痛に叫んでいた。
「ぎゃあああ! なんだ!?」
「うぐッ! 俺の剣が!」
わたしの目の前に現れる男の人。
金の髪を風に揺らし、飄々とした表情で傭兵を見つめる。……こ、この人はまさか。
「エディ……なの」
「やあ、アイシア。偶然だね。君が何者かに襲われているのが見えたからさ、助けに来た」
「よ、良かった……エディ。わたし……」
「アイシアがそれほど追い詰められているということは、なにかあったんだね。あとで詳しく聞かせてくれ」
剣を構え、二人を威圧するエディ。
彼は剣の達人。
聖騎士とも謳われた人。
状況を見守っていると、一瞬で決着はついた。
いつの間にか傭兵の剣が真っ二つになっていた。二人はエディを恐れて退散。逃げていった。……良かった。助かった……。
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