奪われたので奪い返します

夜桜

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◆奪うか奪われるかの決闘

 二人とも見合って剣を抜いた。
 ノルベルトは手が震え、腰も引けていた。
 多分、ノルベルトはエディの実力を知っているんだ。

「どうした、ノルベルト。落ち着きがないな」
「……だ、黙れ」
「それとも、決闘を放棄するか? 逃げれば、お前は全てを失うぞ」
「するわけないだろ! まだ負けと決まったわけじゃない」

 焦りながらもノルベルトは、急に走り出して剣を振るった。……なんて卑怯! でも、エディは爽やかな表情でノルベルトの剣を受けていた。

 なんて余裕のある動き。

「この程度か?」
「……余裕ぶっていられるのも今のうちだぞ、エディ!」

 指を鳴らすノルベルト。
 すると物陰から傭兵の二人が現れた。

 まさか、三人掛かりで!?
 なんて卑怯なの!!


「ほう、三人で俺をやろうというのかな」
「フハハハ! そうとも。この決闘に人数の指定はない! 反則ではないはずだ!」

「まあ、確かに人数制限は設けなかった。だが、騎士道精神には反するね」
「なにが騎士道だ。くだらんプライドだ!」


 傭兵が大きな斧を持って襲い掛かってくる。


「エディ、横から傭兵が!」
「大丈夫だよ、アイシア。俺を信じてくれ」
「……はい、もちろんです」


 剣を左に持ち帰るエディは、地面を蹴ると凄まじい速度で傭兵の前に。一閃を浴びせ、大男を一撃で、斧ごと砕いてしまった。

 な……なんて破壊力なの!


「ギャアアアアアアア……!!!」


 どしゃりと倒れる傭兵の男。
 残るは二人。


「あ、兄貴!! ウソだろ……! ノルベルトの旦那、話が違うぞ!!」
「馬鹿な!! 一撃で傭兵を……くそ、くそ、くそ!! おい、お前……なんとかしろ!!」
「む、無理ですよ! 俺は命が惜しいので退散します!」


 もう一人の傭兵は身の危険を感じて逃げてしまった。これでもうノルベルトしかいない。


「…………そんな」
「ノルベルト。これで本来の決闘になるな」

「ひぃ!!」


 尻餅をつくノルベルトは、剣を放り出して戦意喪失。もう戦えそうにない。これで、わたしは財産を取り戻せるのね……!
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