奪われたので奪い返します

夜桜

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◆財産を半分奪い返した

 決闘のルールに則り、ノルベルトは敗北。全財産を返してもらうことになった。

「これでやっと……」
「く、くそ……! 俺はおしまいだ……。だがな、全部は返せないぞ!」
「どういうことですか」

「クロエだ。お前の妹のクロエが半分持っていってしまったよ。俺を捨ててな!」

「え……」

 まさかの情報にわたしは混乱した。
 そういえば、ずっとクロエの姿がないとは思っていた。裏切られていたんだ。


「アイツは……俺がこうなることを見越して半分持って逃げ出したんだろう……。お前の妹は悪魔だよ!」


 叫ぶノルベルトだが、エディが剣を向けた。


「そんなことは今はどうでもいい。彼女の、アイシアの物を全部返すんだ」
「は、半分しか無理なんだ」
「分かった。とりあえず、半分でいい」

「…………了解だ」


 これでまずは半分を取り戻すことに成功した。
 けれど、まだ終わったわけではない。残り半分……持ち逃げしたクロエを探さなければ。


 * * *


 三日後。
 あれから国中を探し回ってもクロエの存在は掴めないでいた。いったい、どこへ行ってしまったの……?

 もしかして、もうこの国にはいないというの。

 そんなはずはない。
 この帝国を一歩でも出れば、外には過酷しかない。貧富の差が激しすぎて、外はまともな生活環境がないからだ。いくらお金があっても苦しい生活を強いられてしまうのだ。

 だから、わたしはまだクロエがこの国いると確信している。

 きっとどこかで名前や姿を変えて暮らしているはず。

 諦めずに根気よく街を回っていくわたし。エディも同じように手伝ってくれる。

 きっと、きっとどこかに。
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