屋敷のバルコニーから突き落とされて死んだはずの私、実は生きていました。犯人は伯爵。人生のドン底に突き落として社会的に抹殺します。

夜桜

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婚約破棄

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「婚約破棄しないというのなら……死ね、リリス!!」

 三階建てのお屋敷にあるバルコニーから突き落とされた。
 伯爵ヴァンは、容赦なく両手でわたしの体を突き飛ばしたんだ……。酷い、酷過ぎる……!

「どうしてなの!」
「お前が――から悪いんだッ!!」

 よく聞こえなかった。
 わたしは既に落下していたから。

 あぁ、このまま死ぬのね。


『……ドシャッ』


 そんな鈍い音がして、強い衝撃に見舞われ……わたしの骨が砕けたような……そんな気がした。

 …………息が出来ない。

 視界も真っ暗で、これが死ぬってことなんだと悟った。


「ざまぁないな、リリス! あとで埋めてやるからなッ!!」


 そんな邪悪な声が聞こえ――た。


 * * *


『――――っ』


 なぜか起き上がれた。
 瞼を開けると、そこはお屋敷の庭。

 ……あれ、わたしヴァンに突き落とされて……死んだはずでは?

 生きていたんだ、わたし。

 手も足も動く。

 ぜんぜんヘッチャラだった。
 むしろ無傷。


 どうして?


 よく見ると地面は植物が生い茂っていた。そうだった。わたしがたくさんの花を植えたなのだった。それに、木にも引っ掛かって衝撃が和らいだみたい。
 その証拠にドレスが破れていた。


 そっか……わたし、本当に婚約破棄されて、突き落とされたんだ……。

 ヴァンは、もうわたしを愛していない。
 ……そう思うと悔しくて涙が溢れ出た。


「…………ヴァン。ひどいよ…………」


 ボロボロと零れ出る涙。
 あの幸せな日々は偽りだったの……?

 どうして、わたしを殺そうとしたの……?


 なんで……なんで。


 でも、わたしは生きている。
 死んだと思っていたのに。


 これは神様が与えてくれたチャンスなのかな。だとすれば、わたしは……こんな目に遭わせた伯爵に復讐がしたい。

 段々と怒りが込み上げてきた。

 彼がわたしをバルコニーから突き落としたのなら、

 わたしは伯爵を人生のドン底に突き落としてやりたい……!
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