もう知っていますよ、伯爵様。さよならです

婚約破棄

「婚約破棄してくれないか、リン」
「はぁ～～～、やっぱりそう言うと思っていました」

「なに！？」

　驚く伯爵様。
　その言葉を待っていた。

　だって、わたしはもう『証拠』を集めてあるんですからね。

「浮気していたんでしょう」
「そ、そうか。知っていたんだな……」
「調べましたから。もういです。あなたなんてこちらから願い下げですから」

「そうか。なら別れよう」
「そう簡単にいくとお思いですか？」

「え……」

「ちゃんと慰謝料を払って貰いますよ」
「ふざけるな。お前に払う金なんてない」


　憤慨する伯爵は、屋敷を出ていこうとする。けれど、これで伯爵は終わりね。
　後日、わたしは証拠を裁判所に提出。
　これが認められ、貴族でも支払えないような莫大な慰謝料が伯爵に請求された。

　この国では浮気とか不倫は罪深いのだ。死刑に相当する。

　お金を払いきれなくなった伯爵は破滅したと聞いた。自業自得ね……。


　それから、わたしは直ぐに新しい出会いを見つけた。


　今回の証拠を集めてくれた探偵にして侯爵家の男性・フレイと進展があった。わたしはフレイに付き合わないかと申し込まれ、同意した。

　ようやく良い人に巡り合えた。