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帝国の教会で結婚式を
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お店の片づけを進め、のんびりとした時間が過ぎていく。
嬉しいことに夕食をフェイルノートが作ってくれた。
疲れているはずなのに、わたくしの為に料理を作ってくれるなんて。
「晩餐の準備ができたよ、クリス」
テーブルには、豪華な料理が。
こんなに作ってくれるなんて嬉しい。
「ありがとうございます。フェイルノート様」
「一緒に食べよう」
「はいっ」
食事をしながら、これからのことを話していく。
「今日は大盛況だったね」
「ええ。大変でしたけど、みなさん笑顔でしたよ」
「満足度はかなり高いようだ。また買いたいという人も多かった」
「指輪やネックレスも売れましたね」
「ほとんど売れてしまった。また仕入れなければ」
「バルザックにも伝えておきますね」
「助かるよ」
ステーキを口へ運ぶ。
ん~、美味しい。
完璧な味付けね。
「とてもおいしいです」
「それは良かった。ところでクリス、結婚式なんだが」
……!
突然の話に、わたくしは驚いた。
まさか食事中にその話が出るなんて思わなかった。水、水を飲んで冷静に。……ふぅ、危なかった。
「え、ええ。いよいよ、ですね?」
「ああ。盛大にやろうと思うんだ」
「嬉しいですっ!」
「場所は帝国の教会でどうかな」
「そうですね、みなさん教会で挙げられてますよね!」
「じゃあ、決まりかな」
「はいっ、お願いします」
……でも、まって。
ライラの占いが脳裏をよぎった。
結婚式をぶち壊す者が現れると彼女は言っていた。このことをフェイルノートにも話すべき……?
でも、占いなんて信じてもらえるかどうか。
どうしようかと悩んでいると、フェイルノートは「どうかしたの?」と声をかけてきた。
「あ、いえ……ちょっと心配事が」
「心配事? 話してごらん」
一人で悩んでいても仕方ない。ここは素直に打ち明けよう。
「実は……」
嬉しいことに夕食をフェイルノートが作ってくれた。
疲れているはずなのに、わたくしの為に料理を作ってくれるなんて。
「晩餐の準備ができたよ、クリス」
テーブルには、豪華な料理が。
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「はいっ」
食事をしながら、これからのことを話していく。
「今日は大盛況だったね」
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ステーキを口へ運ぶ。
ん~、美味しい。
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……!
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……でも、まって。
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「実は……」
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