診断メーカーで短編小説書いてみた!

黒江 うさぎ

文字の大きさ
1 / 2

OL(連勤に次ぐ連勤で疲れ切っている) VS カマキリ

しおりを挟む
【お題】
道の真ん中でうろうろしていたカマキリを草むらに返す疲れ切ったOL


#なんとなく可愛い #shindanmaker
https://shindanmaker.com/937109

♥・*:.。 。.:*・゚♡・*:.。 。.:*・゚♥

 深夜零時を優に超えた、帰り道の車道沿いの路地、そのど真ん中。
 何故かカマキリがシャーッと私を威嚇して、その鎌を持ち上げている。
 最初は五十連勤の果ての幻覚か何かかと思い、頬をつねったりひっぱたいたり往復びんたをしたりしたけれど、どうやらそういう事でも無いらしい。
 カマキリはへいへいへーいと左右の鎌を上下しながらしている…かと思ったら、今度はそれに加えて腰を左右に振り始めた。煽られてるという事は馬鹿でも分かる。
「…………ううううう…………!」
 そんなカマキリを目の前にして、私は、泣いた。
 その場に座り込み、声を押し殺して、親に叱られた子供の様に、号泣した。
 何が悲しくてこんな真夜中に昆虫に煽られなければならないのか。
 このカマキリはいったい私の何が嫌いでこんなにも煽ってくるのか。
 そもそもどうして私はこんな性悪なカマキリがいる道を選んでしまったのか。
 どうして私は、こんな時間に、こんな性悪なカマキリのいる道を通りながら帰らなければならないのか。
 なんで、どうして…なんでどうして、私は生きているのか。
 たった一匹の性悪カマキリのせいで、今まで押し殺していた全部全部が、どうにもする事もできずに、止められなくなってしまったのだ。
「うう…ううううう…うううううううううう…!」」
 道行く人がなんだなんだと顔を向ける。中にはカメラで写真を撮影をする奴すらいた。
 ただその全てが、まるで私が祟りか怨霊かとでも言いたげにそそくさと足早に去っていく。
 それは…まぁ別に良い。きっと私でもそうしただろうし。写真撮影した奴は顔覚えたからな。
「うっうっ…うっうっ…」
 駄目だ。少し経てば落ち着くかとも思ったけれど、一向に涙が止まる気配が無い。
 その癖表情筋も感情もフラットな状態になってしまったものだから、もう情緒がボロボロの不安定な状態だ。
 と、そんな私を見てどんな感情を持ったのか…いや、そもそもカマキリに感情があるのかは分からないけれど、カマキリはとぼとぼと私に歩み寄り、ぽんぽんと、その鎌で私の太ももに触れ、うんうんと頷いた。
 …いやなんだその「分かる、分かるよ」みたいな仕草は。理解ある彼氏君かこの昆虫風情が。
 心の奥底で愚痴に愚痴を重ねてみても、意外とその仕草が心に染み入ったのは事実で。
 あれだけ恨めしく思っていたカマキリも、良く見れば結構親しみやすいフォルムにも見えて。
「…ありがとう、カマキリさん」
 私の声が聞こえたのか…いや、そもそもカマキリって聴覚とかあるのか?とにもかくにも、そう呟いた私に、カマキリはばっと鎌を左右に広げ、びしっとポーズを決めながらゆらゆらと揺れる。私を励ましているのだろうか?
 思わず笑みが零れる。うわ、ちょろいなぁ…私。
 …さて、こんなところにカマキリを置いていたら、いつ人の足に踏まれるか分かったもんじゃない。
 私はカバンから書類の束を取り出し、カマキリに差し出す。
 カマキリは私が何をしたいのかを悟ったのだろう、そそくさとその書類の束の上に歩み寄った。
 この辺りが草木の多い場所で良かった。道路のど真ん中ではさすがに踏み潰されてしまうだろう。
 書類の束をそっと草木に近付けると、カマキリはそそくさと書類の束から適当な草木に乗り移り、またびしっとポーズを決めて、草葉の陰に消えていった。可愛い奴め。
 …事が終わると、なんだかどっと疲れが…何してたんだ私…。
 …まぁでも、あのカマキリのおかげで、精神的にちょっと元気になったのも事実。
 明日からの七十連勤、頑張るか。





「食らえ必殺カマキリアッパァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
 …カマキリ事変の翌日、また無理難題を突き付けてきた上司に向かってぶち切れ、カマキリアッパーを放ち。
 なんやかんやと退職して近所のハンドメイドショップで働く事になったお話は、また、いずれ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...