兄をたずねて魔の学園

沙羅

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頭に血がのぼっていただけで、男同士のやり方なんて知らない。でもせっかくチャンスをもらえたのだから、もう何とかするしかない。

「っ、ん……」
上から降るキスをただただ受け入れる。副会長の姿を思い出して何かアクションをすべきなのかとも思ったが、息を続かせるのだけで精一杯だった。

「キス下手だね。もしかしてこれがファーストキス?」
「るせぇっ、キスくらい……!」
「じゃあ深いのが初めて? 鼻で息するんだよ」

理論的には分かるけれど、天先輩の顔が近くにあるせいで息なんて出来ない。緊張してしまって息がつまって、息をしようとすると変な音が出そうになる。

「っ、んんっ……」
「……煽ったくせに」

変な音を出すのが嫌で息を止めてしまえば、当然苦しくなってくる。命の危険を感じて天先輩の胸を押せば、少し不機嫌そうな声が上がった。

「会長のペースじゃ、死んじゃいますから」
「じゃあ君からやってみてよ」

天先輩が上体を起こし、待ちの姿勢を取る。それに続いて自分も起き上がって、甘えるように彼へとすり寄った。天先輩みたいな綺麗な顔をしていないただの男がそんなことをして、引かれないかどうかは賭けだけれど。

「ねぇ、どこまでなら出来る覚悟があるの?」
肩にすり寄った顔を持ち上げられて、鋭い目と視線が合う。
「どこまで、って」
「まさかキスで終わりだなんて思ってないよね。突っ込まれるのまでは覚悟してるのかな。フェラはどうなの? 男のしゃぶるのってどんな感じなんだろうね。俺は死んでもごめんだけど」

そう聞いてくる天先輩の真意は分からない。出来ると言ったら簡単に言うなと思われそうだし、出来ないと言ったらそんな覚悟もなくあんな大口を叩いたのかと呆れられそうだ。
分からないのなら、きっと先輩には本心を言った方がいい。

「やってみないことには、分からないです」
「……はっ。ほんと変な子だね君は。じゃあ試してみてよ」

そう言って天先輩は、性器のある場所を指でトントンと示す。
「口でシてみて」

そのまま見せつけるようにズボンのホックを外し、チャックを下に下げた。
「まずは触って」
パンツの上から触るように促され、判断力の鈍っている俺は流されるままにそこに手を伸ばす。
「一緒にやってあげる」
そう言うと同時にこちらのズボンにも手が伸ばされ、器用にチャックが下げられる。

男が向き合って2人性器に手を伸ばす姿勢は、傍から見たら異様な光景だろうと思った。

どうやってやるのがいいかなんて分からないけど、とりあえず手をやわやわと動かす。
「真似してる?」
自分のに伝わってくる感触を送り返すように力を入れたり弱めたりしているのに気付かれていたようで、クスクスと笑われた。余裕のある様子を崩したくなって、気持ちいいといわれる亀頭のところをぐりぐりと押してみる。

「っ、生意気……っ」
同じようにやり返されて、少しだけ痛みを感じる。まだ濡れていない時には痛みの方が勝るみたいで、案の定天先輩も歪んだ顔を見せていた。
「あっ、ごめんなさ……」
「慣れてないのも考えものだね」

「ひっ……!?」
パンツの中にまで手を入れられて、少しパニックになる。性器を掴まれて上下に扱かれてしまえば、これまで以上の快感が押し寄せてくる。
「ん、やめっ……」
「ダメじゃない、手止めたら。ちゃんと動かしてよ」

そう言って俺の手を掴んで、パンツの中に誘導する。布から皮膚の感触に変わって背徳さが増し、余計に興奮した。
「早いね。もう勃ってきたじゃん」

慣れていない自分がゆるゆると必死に手を動かしている間も、どんどん彼の手が早くなっていく。
「あ、っ、んんっ」
「1回出しとこっか」

いつの間にカウパーが溢れ出していたのだろう。さっきはぐりぐりされるのが痛かったのに、今は嘘みたいに気持ちいい。
「そこ、気持ち……っ」
「そうだね。気持ちいいね」
「も、だめっ、だから」
まだ何も出来ていないのに、このままでは自分が先にイってしまう。兄のためと言いながら快感を拾っている自分が恥ずかしかった。恥ずかしいのに、気持ちいいのはコントロールできない。
熱くて脳が溶ける。こんなの、自分ではどうしようもない。

「やだ、あ、ああぁぁぁっっ――!」

自分じゃないみたいな声が部屋の中に響く。ドクドクと熱い精液が流れ出て、天先輩の手を汚した。
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