感情を僕に教えて

沙羅

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「なに、して……?」
「セックスするの。知ってる? セックスするとね、人は相手のこと好きになっちゃうらしいよ。俺は人の心があんまりわかんないから実感したことないけど、これまで付き合った女の子はよく言ってたし」

 何言ってんだこいつ。純粋に、それしか考えられなかった。あまりにも文脈から外れた卑猥な単語に聞き間違いかとも一瞬思ったが、服の中をするりと這った手が聞き間違いでないことを示していた。
 何言ってんだこいつ。怖い、怖い。早く逃げないと。心の中には焦る言葉がどんどんと湧いてくるのに、言葉にも乗らないし体も動かない。

「震えてるの……? 大丈夫だよ、気持ちいいのは僕が保証してあげる。怖いことなんて1つもないからね」

 これからされる行為よりなにより、目の前の男が怖い。日本語を話しているはずなのに、僕よりも頭もいいはずなのに、まるで言葉が通じないみたいだった。

「……お前が……怖いんだよ」
「俺も最初はそう思ってた~。こんなんで好きになるわけないだろって。でも、気持ちよくしてくれた女の子のことは、名前を覚えるくらいには興味持てたんだよね。だから、ケイも大丈夫だよ」
 何が大丈夫なのか、その説明では全く分からない。分からないのに、彼の中では理解できるものとして扱われているのが理解できなかった。

 そして、理解しようとしている場合でもなかった。するすると口を動かしながらも、彼の手は僕の服を脱がそうと動く。もう上の服は剥ぎ取られていて、下だけは脱がされまいと攻防している最中だった。
「も~。暴れる子はあんまり相手したことなかったけど、ケイらしくてちょっと可愛いね。でも、そろそろ大人しくしてほしいかも」
余裕を崩さないまま両手を片手で押さえられてしまうのが悔しい。気付いた時にはもう全身が裸にされていて泣きたくなった。服を取り返そうともがくが、手は放してもらえない。
それどころか、服が遠くの方に投げられてしまった。

「ケイの可愛いサイズしてるね。俺のとは大違い」
 勝手に裸を見ているくせにプライドに障ることを言われて苛立ちが増す。睨んでいると彼も服を脱ぎ始め、その自信満々な理由を知ることになった。一回りも大きいそれに、自然と目が動いてしまって、そこで視線が止まる。
「これがね、ケイの中に入るんだよ。そしたら心も繋がるの」

 急に体に力が加わって、ぐるりと反転させられる。視界には枕しか映らなくて、彼の動きが見えない。なんとか次の危機を知るために彼を見ようと首をまわそうとするが、彼の憎らしい顔は見えても手元までは見えなかった。
「冷たかったらごめんね」
「ひっ!?」
彼のよく分からない謝罪とともに、ひやひやとして冷たい液体がお尻にかかるのを感じた。彼の手が肌をなぞって、ぬるりとした液体とともにお尻の穴の部分へと届く。

「なに、なに考えて、やだ」
「分かってんでしょ? 繋がるんだよ、ここで」
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