だって僕は君だけのモノ

沙羅

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1週目 [束縛]

第12話

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お昼ご飯を食べればまた鎖に繋がれて、何をするでもない時間を過ごす。
そんなに強迫的に管理をしていたくせに、終わりのときは思っていたよりも自然に訪れた。
「そろそろ約束の時間だよね」
そう言って彼は、僕との繋がりをあっけなく外す。寂しいという感情がなんとなく湧いたけれど、それを言葉にはしなかった。
「あぁ。明後日また学校でな」

拓海の家から僕の家までは1分もかからない距離なのに、扉が閉まった瞬間に世界が隔たった感覚がした。今まで、近くに居すぎたからなのかもしれない。

少しだけまわり道をして、夕方の冷たい風にあたってみる。
思えば、不思議な1日だった。


最初に手錠を見せられたときは、たしかに驚いた。でも、繋がれてしまえばそんなに嫌とは感じなかった。そういうと変な趣味があるのかと思われそうなのでもっと言葉を選んで言うと、拓海に頼られているようで心地よかったのだ。
縛られているのは僕だというのに、理由がある時以外に一時も外した状態にさせない姿勢は、まるで拓海の方が縛られているみたいだった。人気者の拓海を、この1日だけは自分が独占できたように錯覚した。

どうして拓海がそんなことをしたのかはいまだに分からない。
本当に毎週これを続けるつもりなのか、それとも今日のは突発的なもので、冷静になった時にやっぱりやめようと言い出すのか。
彼が何に苦しんで、どうしたら楽になれるのか。それさえ僕には分からない。
ただ、彼の望むように付き合ってあげることしかできない。

彼は、僕の一番になりたいと言った。僕に、彼女と別れろとも言った。
そららの言葉を思い出すと、心の中にある仮説が浮かぶ。これではまるで、拓海が僕のことを恋愛的意味でも好きみたいじゃないかって。


そこまで考えて、それはありえないと首を振る。
親愛の情はあると思う。あると思うどころか、特大なものがそこには存在している。友達としても、かなり仲の良い位置にいることも自覚している。でもそれでも、拓海の周りにいる女の子たちにはかなわないだろう。
だって自分は、そもそも恋愛対象になりえない「男」なのだから。

きっと彼が今も僕の隣に居るのは、刷り込みの一種に過ぎない。親から正常な無償の愛をもらえなかった拓海にとっては、親友としての愛情までが新鮮に映り、彼自身も気づかないうちに求めるようになっただけなんだろう。

だから、勘違いしてはいけない。僕たちの間にあるのは、ただの。

「ただいまー」
その日はいつもより1時間以上も早く寝た。
日曜日は遊んだ代償として、家にこもって宿題を必死で片付けた。
……そうして、2週目がやってくる。
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