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2週目 [告白]
第20話 ~拓海Side~
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知っていた。最初から、望んでなんかいなかった。
……なのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「拓海は先に、家に帰ってて」
その言葉が意味するところは1つ。
千秋ちゃんは、僕じゃなくて彼女の方を選んだんだ、ってこと。
「ハハ……」
口から乾いた笑いが漏れる。馬鹿みたいだ。自分で彼女を選べなんて言っておいて、こんなにダメージを受けているなんて。縋ることもできずに逃げたくせに。
周りの景色なんて目に入らないほど、全速力で家へと走る。普段はかけない鍵もしっかりとかけて、部屋の扉も乱暴に閉めて、自分を消す準備を始めた。
まずは写真。……千秋ちゃんの隣に、僕が写っていてはいけないから。
アルバムの中から2人で写っている写真を抜き取り、自分が写っている部分だけをビリビリに破く。最期を先延ばしするように、1枚1枚入念に。
本当は僕が千秋ちゃんの写真を持っていることさえ許されないんだろうけど、どうしても千秋ちゃんの写真を捨てることはできなくて。
「……僕なんかが持ってて、ごめんね」
そう呟きながら、綺麗なまま残った千秋ちゃん側の写真だけをまたアルバムに戻した。
そんな時、ガチャガチャと扉が開けられようとする音が響く。
泥棒だろうか? だったら扉を開けたままにしておけばよかったかもしれないと、的外れな後悔が浮かんだ。
その音が止んだかと思えば、続いてスマホが震えだす。画面に表示されたのは、千秋ちゃんの名前だった。いまさら僕に、何の用があるというんだろう。てっきり美穂ちゃんとうまくいって、そのままデートでも行くものだと思っていたのに。
拒否のボタンを押せば、部屋は静かになった。
今は千秋ちゃんには会いたくない。今会えば、もう帰せなくなってしまいそうだから。
でも静かになったのは一瞬で、またスマホが震えだした。そこで僕は千秋ちゃんの用事にやっと思い至る。だから、意を決して電話に出た。向こうから話し出す隙は与えずに。
「僕の上着のことなら、玄関に置いといてくれればいいから」
それだけ言って、また電話を切る。何か千秋ちゃんが言っていたけれど、聞けば辛くなってしまうからと無視をした。
それでも、スマホは止まってくれない。
止まったかと思えば鳴って、また止まっては鳴り続ける。どうやら、電話の合間にメッセージも送ってきているみたいだった。
一番最新の画面に表示されたメッセージは、
「伝えたいことがあるから開けて」
どうせ彼女とうまくいったってことなんだろう。そんなの、今は聞きたくない。
スマホの震える音に、あの声までもが加勢をし出して、より静けさが壊された。
『いいじゃん、お前だって千秋に会いたいんだろ?』
……違う。会いたいなんて思ってない。
『じゃあスマホの電源を切って、帰れって怒鳴りでもしたらいい。それが出来ないなら、この状況に期待してる証拠だよ』
……期待なんて、していない。
そう証明するために、震える手で電話に出た。簡単なことだ。帰ってと、ただ一言。
その一言だけを言えばいい。
「拓海!!」
なのに、電話越しに叫ばれた自分の名前に、頭が真っ白になった。
「……なんで、僕なんかのところに来たの」
声に出すことができたのは、縋るような問い。
「拓海が言ったんだろ? 大切な方を選べって」
彼はそれに、真っすぐに答えた。
「だから、拓海を選びに来た」
……なのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「拓海は先に、家に帰ってて」
その言葉が意味するところは1つ。
千秋ちゃんは、僕じゃなくて彼女の方を選んだんだ、ってこと。
「ハハ……」
口から乾いた笑いが漏れる。馬鹿みたいだ。自分で彼女を選べなんて言っておいて、こんなにダメージを受けているなんて。縋ることもできずに逃げたくせに。
周りの景色なんて目に入らないほど、全速力で家へと走る。普段はかけない鍵もしっかりとかけて、部屋の扉も乱暴に閉めて、自分を消す準備を始めた。
まずは写真。……千秋ちゃんの隣に、僕が写っていてはいけないから。
アルバムの中から2人で写っている写真を抜き取り、自分が写っている部分だけをビリビリに破く。最期を先延ばしするように、1枚1枚入念に。
本当は僕が千秋ちゃんの写真を持っていることさえ許されないんだろうけど、どうしても千秋ちゃんの写真を捨てることはできなくて。
「……僕なんかが持ってて、ごめんね」
そう呟きながら、綺麗なまま残った千秋ちゃん側の写真だけをまたアルバムに戻した。
そんな時、ガチャガチャと扉が開けられようとする音が響く。
泥棒だろうか? だったら扉を開けたままにしておけばよかったかもしれないと、的外れな後悔が浮かんだ。
その音が止んだかと思えば、続いてスマホが震えだす。画面に表示されたのは、千秋ちゃんの名前だった。いまさら僕に、何の用があるというんだろう。てっきり美穂ちゃんとうまくいって、そのままデートでも行くものだと思っていたのに。
拒否のボタンを押せば、部屋は静かになった。
今は千秋ちゃんには会いたくない。今会えば、もう帰せなくなってしまいそうだから。
でも静かになったのは一瞬で、またスマホが震えだした。そこで僕は千秋ちゃんの用事にやっと思い至る。だから、意を決して電話に出た。向こうから話し出す隙は与えずに。
「僕の上着のことなら、玄関に置いといてくれればいいから」
それだけ言って、また電話を切る。何か千秋ちゃんが言っていたけれど、聞けば辛くなってしまうからと無視をした。
それでも、スマホは止まってくれない。
止まったかと思えば鳴って、また止まっては鳴り続ける。どうやら、電話の合間にメッセージも送ってきているみたいだった。
一番最新の画面に表示されたメッセージは、
「伝えたいことがあるから開けて」
どうせ彼女とうまくいったってことなんだろう。そんなの、今は聞きたくない。
スマホの震える音に、あの声までもが加勢をし出して、より静けさが壊された。
『いいじゃん、お前だって千秋に会いたいんだろ?』
……違う。会いたいなんて思ってない。
『じゃあスマホの電源を切って、帰れって怒鳴りでもしたらいい。それが出来ないなら、この状況に期待してる証拠だよ』
……期待なんて、していない。
そう証明するために、震える手で電話に出た。簡単なことだ。帰ってと、ただ一言。
その一言だけを言えばいい。
「拓海!!」
なのに、電話越しに叫ばれた自分の名前に、頭が真っ白になった。
「……なんで、僕なんかのところに来たの」
声に出すことができたのは、縋るような問い。
「拓海が言ったんだろ? 大切な方を選べって」
彼はそれに、真っすぐに答えた。
「だから、拓海を選びに来た」
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