だって僕は君だけのモノ

沙羅

文字の大きさ
25 / 29
2週目 [告白]

第25話

しおりを挟む
「ひっ!?」
ありえない場所にぬるっとした何かが当たる。一度達したことで緩んでいた口元からは、変な声が飛び出した。

何が起こっているのか理解できない。
あまりにも非現実的なその光景を直視したくないと思う一方で、拓海の「ちゃんと、僕を見て」という声を思い出しては、目を開けてしまう。
だから当然、彼が僕のを舐めている姿も本当は目に入っているわけで。

「やめな、って……!」
今まで自分しか触れたことのないそこを触られてるだけでもハードルが高いのに、ましてや舐められるなんて信じられなかった。

「ごめんね。やめられないから」
拓海がいったん口を話してそう言う。口元が濡れたままうっそりと笑うその仕草は、なんとも魅惑的だった。彼のこんなに満たされたような笑みは、今まで見たことがない。

「それに、千秋ちゃんがゆるしたんでしょう?」
甘えるようで、有無を言わさない圧を孕んだ声。その声に、思わず従いたくなる。

……そうだ。これは僕だって望んでいたこと。
ずっと拓海と一緒に居たい。彼に必要とされていたい。彼の、特別でいたい。
そのために僕は、彼の願いを叶えたいと思ったんだ。

……大丈夫。今の僕は確実に、彼にとって特別だ。
たとえ拓海にとって肌を合わせるということが大して珍しいことでなかったとしても、きっとここまで拓海が求めることはない。
彼は女の子に対して、いつだって来るもの拒ます去る者追わずを貫いてきたから。

今までは色々と考えていた。拓海にとってはどうするのが一番いいんだろうと。
拓海がキスをしてくるのだって、そんな理想論で一度は拒んだ。
でも、この部屋には僕らしかいない。咎める者も、非難してくる者もいない。
もし僕らを否定する人がいたとしても、女の子であることを理由に自分の方が拓海に相応しいと豪語する人がいたとしても、彼らには拓海を救えなかった事実がある。
僕にしか、拓海は救えない。
だったら僕にとってどっちが正義かなんて、考えるまでもない。

「んあっ……!」
再びそれが、生暖かいものに触れた。触れたかと思えば、包まれるに変わる。同時に、舐められるから吸われるにも変わった。

「やっ、……な、にっ?」
体内から何かが迫ってくる。

「あっ、あぁぁぁっ――!」
離れてと言う間もなく、快感が身体を駆け抜けた。一瞬視界が白んで、徐々に感覚が戻ってくる。不味いに決まっているのに彼は美味しそうに僕から出たものを飲み込んで、確かめるように何度も繰り返されたセリフを言った。

「……千秋ちゃん、愛してる」
そんな彼を無意識に抱き締めようとして、手が動かせない状況にあったと気付く。

「僕も」
だから僕は、代わりに僕の言葉に応えた。

「ずっと拓海のこと、愛してるよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

天使から美形へと成長した幼馴染から、放課後の美術室に呼ばれたら

たけむら
BL
美形で天才肌の幼馴染✕ちょっと鈍感な高校生 海野想は、保育園の頃からの幼馴染である、朝川唯斗と同じ高校に進学した。かつて天使のような可愛さを持っていた唯斗は、立派な美形へと変貌し、今は絵の勉強を進めている。 そんなある日、数学の補習を終えた想が唯斗を美術室へと迎えに行くと、唯斗はひどく驚いた顔をしていて…? ※1話から4話までは別タイトルでpixivに掲載しております。続きも書きたくなったので、ゆっくりではありますが更新していきますね。 ※第4話の冒頭が消えておりましたので直しました。

「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜

鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。 そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。 あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。 そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。 「お前がずっと、好きだ」 甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。 ※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 一月十日のアルファポリス規約改定を受け、サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をこちらへ移しましたm(__)m サブ垢の『バウムクーヘンエンド』はこちらへ移動が出来次第、非公開となりますm(__)m)

処理中です...