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樋口・太宰編
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───四月十一日 午後十四時半。東京都・月代大学
私は樋口一葉。昨日、警視庁公安部から【テロ・犯罪組織特殊課~クライシス~】に配属されたばかりの新人刑事。クライシスの副長官・永井荷風副長官から昨日、太宰先輩と共にの事務所に来るよう命じられ、月代大学の中庭で太宰先輩を待っているところです。私は大学生を装い、午後からはクライシスの一員として活動することとなりました。太宰先輩の一つ下として。それにしても太宰先輩遅いですね……。何か事件に巻き込まれてしまったとか!? そんなことを考えながらそわそわしていると、後ろから聞いたことのある声が聞こえた。
「おい、新人後ろだ後ろ」
私は後ろを振り向くと、黒髪ショートヘアの太宰先輩がいた。
「お疲れ様です!太宰先輩!!」
「声がでかい……。それより先輩ってなんだよ」
「私、大学でも太宰先輩の後輩で、クライシスも太宰先輩の後輩ですから」
太宰先輩は何かを考えた後、『そうか』とそっぽを向いた。気に入らなかったのでしょうか?
「お気に召しませんでしたか?」
「ち、ちげぇ!俺に後輩っていなかったから……。べ、別に嬉しいわけじゃねぇからな!慣れていないだけだから……。な」
そう言いながら太宰先輩の顔はだんだん赤くなっていった。
「そうでしたか!先輩呼びがお気に召さなかったらどうしようかと……でも安心しました!」
「そ、そうかよ!」
太宰先輩と昨日よりも仲良くなった気がします。たしか永井副長官も私と太宰先輩がなんたら~とか言っていましたし!
「なーに照れてんだよ桃の花野郎」
太宰先輩の背後に背の低い、髪色がクリーム色で、ハーフアップの上に黒いソフト帽を被り、黒色のワイシャツに身を包み、右肩に白色の外套を掛けた青年がいた。見た目は女性に見えますが、ワイシャツの第一ボタンを開け、喉仏が見えていて、最終的には声が低いためすぐに男性だと分かる。
「中也かよ!」
「中也さん?」
たしか、テロ組織《ユグドラシル》の資料を読んだとき、中原中也という人物の名前が載っていたような気が……。中也と呼ばれる青年が、私にぐっと近づき、じろじろと顔を見始めた。
「この桃の花野郎をな~。俺は中原中也!こいつの友人だ!」
「誰がお前の友人だよ!」
太宰先輩は中也さんを私から引き離し、私と中也さんの間に入った。
「俺たちより一つ下みたいだな!よろしくな後輩!」
中也さんは純粋な笑顔を浮かべ、私は頭を下げた。《ユグドラシル》のメンバーである中也さん。今後注意しなければいけませんね。
「後輩!名前はなんていうんだ?」
「樋口と言います」
「樋口か!桃の花野郎は素直じゃないから、あんまり気にするなよ?」
中也さんって結構いい人? っぽい? テロリストには見えませんけど……。
「太宰先輩のことは任せてください!」
「お、おい!」
太宰先輩は何やら慌て始め、中也さんは太宰先輩のことを見て腹を抱えて笑い始めた。
「桃の花野郎、お前もついに春がきやがったのか!桃の花野郎にか?ウケる!」
「うるせぇよ!チビ!」
「チビ言うなよ!樋口、この桃の花野郎を頼んだぜ!ほらよ!」
中也さんは外套のポケットから水色の飴玉を取り出し、私に投げてきた。
「飴?」
「お近づきのしるしにだ!んじゃ、俺は行くぜ!また来週なっ!」
中也さんは私たちに別れを告げ、中庭から去っていった。
「面白い人でしたね」
「お前もわかっていると思うが、あいつはテロリストだ。気を引き締めろ」
「ご友人なのにですか?」
「クライシスでは私情を挟まないことが決まっている。たとえ、友人や家族だとしてもだ。私情を挟んでしまえば、そこで終わりだ。それに俺はあいつを友人だとは思っていない。まだ気づかれてはいないと思うから、樋口も気づかれないようにな。それと下手に人さまからもらったものを食べるな。クライシスではそれがご法度だ。いいな?」
公安部からいたときに聞いた話と同じですね。公にできない立場故、普段の生活からも最低限の注意が必要になってくる。私にとってその注意の中に私情が入ってくるのが難点。私情があるから私はあの人を守れなかった。それに、救うことも不可能だった。今度こそこの組織で守れるようにしなければ。
「樋口?顔色悪いぞ?」
心配して顔をのぞかせた先輩と目が合った。こんなことで、先輩を困らせるわけにはいかないと思った私は、『大丈夫です!!』と元気よく言うと、先輩にこう言わた。
「俺ならいつでも話聞いてやるから、あんま無理すんなよな」
と。先輩はそう言ってクライシスへと歩き始め、その先輩のたくましい背中を追いかけるように私も歩き出したのであった。
───さん、太宰治及び樋口一葉と接触いたしました
校内の路地にて、テロ組織《ユグドラシル》のメンバー中原中也と???が合流していたを知らずに。
私は樋口一葉。昨日、警視庁公安部から【テロ・犯罪組織特殊課~クライシス~】に配属されたばかりの新人刑事。クライシスの副長官・永井荷風副長官から昨日、太宰先輩と共にの事務所に来るよう命じられ、月代大学の中庭で太宰先輩を待っているところです。私は大学生を装い、午後からはクライシスの一員として活動することとなりました。太宰先輩の一つ下として。それにしても太宰先輩遅いですね……。何か事件に巻き込まれてしまったとか!? そんなことを考えながらそわそわしていると、後ろから聞いたことのある声が聞こえた。
「おい、新人後ろだ後ろ」
私は後ろを振り向くと、黒髪ショートヘアの太宰先輩がいた。
「お疲れ様です!太宰先輩!!」
「声がでかい……。それより先輩ってなんだよ」
「私、大学でも太宰先輩の後輩で、クライシスも太宰先輩の後輩ですから」
太宰先輩は何かを考えた後、『そうか』とそっぽを向いた。気に入らなかったのでしょうか?
「お気に召しませんでしたか?」
「ち、ちげぇ!俺に後輩っていなかったから……。べ、別に嬉しいわけじゃねぇからな!慣れていないだけだから……。な」
そう言いながら太宰先輩の顔はだんだん赤くなっていった。
「そうでしたか!先輩呼びがお気に召さなかったらどうしようかと……でも安心しました!」
「そ、そうかよ!」
太宰先輩と昨日よりも仲良くなった気がします。たしか永井副長官も私と太宰先輩がなんたら~とか言っていましたし!
「なーに照れてんだよ桃の花野郎」
太宰先輩の背後に背の低い、髪色がクリーム色で、ハーフアップの上に黒いソフト帽を被り、黒色のワイシャツに身を包み、右肩に白色の外套を掛けた青年がいた。見た目は女性に見えますが、ワイシャツの第一ボタンを開け、喉仏が見えていて、最終的には声が低いためすぐに男性だと分かる。
「中也かよ!」
「中也さん?」
たしか、テロ組織《ユグドラシル》の資料を読んだとき、中原中也という人物の名前が載っていたような気が……。中也と呼ばれる青年が、私にぐっと近づき、じろじろと顔を見始めた。
「この桃の花野郎をな~。俺は中原中也!こいつの友人だ!」
「誰がお前の友人だよ!」
太宰先輩は中也さんを私から引き離し、私と中也さんの間に入った。
「俺たちより一つ下みたいだな!よろしくな後輩!」
中也さんは純粋な笑顔を浮かべ、私は頭を下げた。《ユグドラシル》のメンバーである中也さん。今後注意しなければいけませんね。
「後輩!名前はなんていうんだ?」
「樋口と言います」
「樋口か!桃の花野郎は素直じゃないから、あんまり気にするなよ?」
中也さんって結構いい人? っぽい? テロリストには見えませんけど……。
「太宰先輩のことは任せてください!」
「お、おい!」
太宰先輩は何やら慌て始め、中也さんは太宰先輩のことを見て腹を抱えて笑い始めた。
「桃の花野郎、お前もついに春がきやがったのか!桃の花野郎にか?ウケる!」
「うるせぇよ!チビ!」
「チビ言うなよ!樋口、この桃の花野郎を頼んだぜ!ほらよ!」
中也さんは外套のポケットから水色の飴玉を取り出し、私に投げてきた。
「飴?」
「お近づきのしるしにだ!んじゃ、俺は行くぜ!また来週なっ!」
中也さんは私たちに別れを告げ、中庭から去っていった。
「面白い人でしたね」
「お前もわかっていると思うが、あいつはテロリストだ。気を引き締めろ」
「ご友人なのにですか?」
「クライシスでは私情を挟まないことが決まっている。たとえ、友人や家族だとしてもだ。私情を挟んでしまえば、そこで終わりだ。それに俺はあいつを友人だとは思っていない。まだ気づかれてはいないと思うから、樋口も気づかれないようにな。それと下手に人さまからもらったものを食べるな。クライシスではそれがご法度だ。いいな?」
公安部からいたときに聞いた話と同じですね。公にできない立場故、普段の生活からも最低限の注意が必要になってくる。私にとってその注意の中に私情が入ってくるのが難点。私情があるから私はあの人を守れなかった。それに、救うことも不可能だった。今度こそこの組織で守れるようにしなければ。
「樋口?顔色悪いぞ?」
心配して顔をのぞかせた先輩と目が合った。こんなことで、先輩を困らせるわけにはいかないと思った私は、『大丈夫です!!』と元気よく言うと、先輩にこう言わた。
「俺ならいつでも話聞いてやるから、あんま無理すんなよな」
と。先輩はそう言ってクライシスへと歩き始め、その先輩のたくましい背中を追いかけるように私も歩き出したのであった。
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