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第五話 織田作之助
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───四月十四日 午後十六時 東京都・《テロ・犯罪組織特殊課~クライシス~》事務所にて
「樋口君、眠いよ~」
「それは大変ですね!」
十一日から今まで徹夜地獄を過ごしてきた私は、樋口君に助けを求めているが、悪意のない言葉で精神がすり減っている。樋口君は純粋すぎて反対に恐ろしく思ってくる。土日は私以外全員休みで、夏目先生は公安部の案件で手を離せない状況が多いため、私一人で土日は徹夜で書類作りをしたり報告書を作ったりして過ごしている。たまに芥川君が様子を見に来てくれたりして、差し入れを貰うこともある。なんだかんだ芥川君も私のことが心配なのだろう。
「ところで今日は何をすればいいんでしょうか?」
樋口君は私に珈琲を淹れながら、そう聞いてきた。
「今日は織田君と組んでもらうよ!織田君は少し癖が強いけど、いい子だから安心し給え」
「分かりました!」
「もう少ししたら太宰君と坂口君と一緒に来るはずだから……ほら来た」
事務所のドアがゆっくりと開いた。太宰君と坂口君と坂口君よりも背が低く、肩まである茶髪を後ろに結び、黒色のワイシャツの上に水色のパーカーに身を包み、黒色のズボン、目が開いているのか分からないくらい目が細い小説家が入ってきた。
「永井さん!お疲れ様です!樋口もな!」
「太宰君もお疲れ~、坂口君もよく来たね!」
坂口君は小説家で、家に引きこもって、原稿の締め切りに間に合わせるために缶詰めになることがほとんどだが、太宰君や織田君が無理やり連れてきてくれるから、二人には感謝している。坂口君の仕事が増えていく一方だからね。
「治がうるさくて……それに織田作も」
「なんぼ治君が安吾が、部屋からでーへんっていうから手伝っただけねん」
彼は【織田作之助】。大阪出身で、大阪弁が特徴的。最初は何言っているかわからなかったけど、太宰君や坂口君と過ごしていると自然に大阪弁が分かるようになってきた。樋口君も最初は苦戦するだろうけど、そのうち慣れてくるはず。
「そうだったんだね。坂口君、小説もいいけど、同じ業界の織田君のことを見習い給え」
「同じ業界っていうことは……」
樋口君が織田君の顔をじっと見つめ、数秒後、声を出したと思ったら次はメモ帳とペンを取り出した。
「織田先生ですか!?」
「そうや?俺、織田作之助っていうんや!安吾とおんなじで小説家さかい!」
「本物に敢えて光栄です!!」
織田君は坂口君よりも一部だけど有名で、よくサインとかせがまれるからね。樋口君も織田君のファンだったとは……。
「織田作~後で何かネタくれ。あともう少しで完成しそうなんだよ」
「かまへんよ!それと安吾から聞いとったんやけど、あんた新人の樋口ちゃん?あとはいこれ」
織田君は樋口君にちゃんとした色紙にサインをし、樋口君に手渡した。樋口君は嬉しそうに頷いた。
「はい!樋口一葉と申します!!」
「ほんまかわええ子やな~よろしゅうな樋口ちゃん」
「よろしくお願いします織田先生!」
織田先生と呼ばれた織田君は照れながら、『織田作でええよ』と言った。
「織田作先輩!」
「うん、まぁええか!」
織田君が何かをあきらめたように見えた。さて、そろそろ二人に本題を話そうではないか!
「織田君、樋口くん君たち二人に今回組んでもらうよ。なーに簡単なおつかいさ!というわけでこれを芥川君がいる新聞社まで持っていき給え~。決してその封筒の中は見てはいけないよ?」
私は、織田君と樋口君に茶封筒を渡した。中を開けてはならないと言ったとたん、樋口君が外套の内ポケットにしまった。
「まぁ内容は芥川君が読んだ後、教えてくれると思うからただ君たちはこれを芥川君に手渡すことだけを考えていればいい」
「分かりました!」
「よろしく頼むね!それと、坂口君と太宰君は私と一緒についてきてもらうところがあるからいいかな?」
坂口君と太宰君をチラ見すると、二人は頷いた。
「それじゃあ、織田君、樋口君頑張って来てくれ給え!」
樋口君と織田君を見送った後、私と坂口君と太宰君は事務所の中に残った。いや、残ってもらったのだ。
「さてと、坂口君と太宰君には、少しめんどくさい案件を受けてもらうよ」
「《ユグドラシル》ですか?」
「うん、今から公安部に向かうけど来るかい?」
坂口君はため息をつき、『ついてきてほしいだけですよね?』と言った。まぁその通りなんだけどね!
「そうそう!太宰君もいいかい?」
「安吾も行くなら行きます!」
「というわけだから三人仲良くいこうではないか!!」
私は椅子から立ち上がり、坂口君を引っ張りながら太宰君と共に公安部へと向かったのであった。
「樋口君、眠いよ~」
「それは大変ですね!」
十一日から今まで徹夜地獄を過ごしてきた私は、樋口君に助けを求めているが、悪意のない言葉で精神がすり減っている。樋口君は純粋すぎて反対に恐ろしく思ってくる。土日は私以外全員休みで、夏目先生は公安部の案件で手を離せない状況が多いため、私一人で土日は徹夜で書類作りをしたり報告書を作ったりして過ごしている。たまに芥川君が様子を見に来てくれたりして、差し入れを貰うこともある。なんだかんだ芥川君も私のことが心配なのだろう。
「ところで今日は何をすればいいんでしょうか?」
樋口君は私に珈琲を淹れながら、そう聞いてきた。
「今日は織田君と組んでもらうよ!織田君は少し癖が強いけど、いい子だから安心し給え」
「分かりました!」
「もう少ししたら太宰君と坂口君と一緒に来るはずだから……ほら来た」
事務所のドアがゆっくりと開いた。太宰君と坂口君と坂口君よりも背が低く、肩まである茶髪を後ろに結び、黒色のワイシャツの上に水色のパーカーに身を包み、黒色のズボン、目が開いているのか分からないくらい目が細い小説家が入ってきた。
「永井さん!お疲れ様です!樋口もな!」
「太宰君もお疲れ~、坂口君もよく来たね!」
坂口君は小説家で、家に引きこもって、原稿の締め切りに間に合わせるために缶詰めになることがほとんどだが、太宰君や織田君が無理やり連れてきてくれるから、二人には感謝している。坂口君の仕事が増えていく一方だからね。
「治がうるさくて……それに織田作も」
「なんぼ治君が安吾が、部屋からでーへんっていうから手伝っただけねん」
彼は【織田作之助】。大阪出身で、大阪弁が特徴的。最初は何言っているかわからなかったけど、太宰君や坂口君と過ごしていると自然に大阪弁が分かるようになってきた。樋口君も最初は苦戦するだろうけど、そのうち慣れてくるはず。
「そうだったんだね。坂口君、小説もいいけど、同じ業界の織田君のことを見習い給え」
「同じ業界っていうことは……」
樋口君が織田君の顔をじっと見つめ、数秒後、声を出したと思ったら次はメモ帳とペンを取り出した。
「織田先生ですか!?」
「そうや?俺、織田作之助っていうんや!安吾とおんなじで小説家さかい!」
「本物に敢えて光栄です!!」
織田君は坂口君よりも一部だけど有名で、よくサインとかせがまれるからね。樋口君も織田君のファンだったとは……。
「織田作~後で何かネタくれ。あともう少しで完成しそうなんだよ」
「かまへんよ!それと安吾から聞いとったんやけど、あんた新人の樋口ちゃん?あとはいこれ」
織田君は樋口君にちゃんとした色紙にサインをし、樋口君に手渡した。樋口君は嬉しそうに頷いた。
「はい!樋口一葉と申します!!」
「ほんまかわええ子やな~よろしゅうな樋口ちゃん」
「よろしくお願いします織田先生!」
織田先生と呼ばれた織田君は照れながら、『織田作でええよ』と言った。
「織田作先輩!」
「うん、まぁええか!」
織田君が何かをあきらめたように見えた。さて、そろそろ二人に本題を話そうではないか!
「織田君、樋口くん君たち二人に今回組んでもらうよ。なーに簡単なおつかいさ!というわけでこれを芥川君がいる新聞社まで持っていき給え~。決してその封筒の中は見てはいけないよ?」
私は、織田君と樋口君に茶封筒を渡した。中を開けてはならないと言ったとたん、樋口君が外套の内ポケットにしまった。
「まぁ内容は芥川君が読んだ後、教えてくれると思うからただ君たちはこれを芥川君に手渡すことだけを考えていればいい」
「分かりました!」
「よろしく頼むね!それと、坂口君と太宰君は私と一緒についてきてもらうところがあるからいいかな?」
坂口君と太宰君をチラ見すると、二人は頷いた。
「それじゃあ、織田君、樋口君頑張って来てくれ給え!」
樋口君と織田君を見送った後、私と坂口君と太宰君は事務所の中に残った。いや、残ってもらったのだ。
「さてと、坂口君と太宰君には、少しめんどくさい案件を受けてもらうよ」
「《ユグドラシル》ですか?」
「うん、今から公安部に向かうけど来るかい?」
坂口君はため息をつき、『ついてきてほしいだけですよね?』と言った。まぁその通りなんだけどね!
「そうそう!太宰君もいいかい?」
「安吾も行くなら行きます!」
「というわけだから三人仲良くいこうではないか!!」
私は椅子から立ち上がり、坂口君を引っ張りながら太宰君と共に公安部へと向かったのであった。
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