転生前から生粋の悪役令嬢は、百合ヒロインから逃亡したい!

木東

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第三は試験と謎解き

試験内容の発表

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「ややこしいことになったわね」


私は頭をぽりぽりとかきむしりながら、自室の机の上に突っ伏した。
それは、次の試験内容を聞いたからでした。

視察から王都に帰った直後のことを回想する。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



馬車から降りた私たちを一列に並べ、ハロルドが説明をしたのでした。


「三次試験は無難に皆様の知識と頭脳を図らせていただきます」


妃たるもの、頭が良くないといけないのは当然のこと。
試験の中にこの項目が入るのは当然、何なら遅すぎるくらいですわ。

知識と頭脳をどうやって試験するというのでしょう。
そんな疑問を抱いているとハロルドは


「間も無くアカデミーで試験がありますね」


と呟きました。
まさか、そのテストの順位がそのままということで消化するのでしょうか?
確かに、それが一番シンプルでわかりやすいですけれど、なんか他の2つの試験と比べて味気ないといいますか…
まぁ、テストに味気ないもクソもないですけれど。

しかし、そんなに単純な話でもなさそうでした。


「テストの順位をそのまま反映させても良いのですが…
国母というのは、知識があるだけでつとまるものではございません。
その知識を使いどのように対応するのかという頭の回転…つまり頭脳が大事になってまいります。
後の王を支えるというのはそういうことです。」


その言葉に一定の理解は致しましたが、では一体どうやって試験を行うというおつもりなのでしょうか。
趣向を凝らして、せいぜい大々的にマルバツクイズをするとでもいうのでしょうか。

意外に私の想像はそこまで離れてはおりませんでした。


「なので、テストの結果と合わせて、皆様には謎解きをしてもらいます」

「な…謎解き…ですの?」

「はい、謎を解き事件の犯人を探し出してほしいのです。」

「そ、そんな犯人を捕まえるなんて…危険ではございませんか!?」

「安心してください、事件の犯人とは言ってもこれは過去解決済みの事件。
流石に妃候補の皆様に危険を化すわけにはまいりません。」

「それでも怖いです、過去のことを掘り返すことで恨みを買ったりしませんか?」

「その辺りもケア致しますのでご安心ください。」


私たちの質問に答えていくハロルド。
しかし、ケアすると言っても…どうやってするつもりなのだろう…。
というか、解決してない事件ならともかく、安全のためとに解決してる事件をわざわざ試験に出す意味がわからないわ。
危ないなら創作の問題を提示すれば良いのだし…もしかして…


「手抜きかしら。」


頭に浮かんだ言葉を口に出して言ってやると、ハロルドは咳払いをする。


「ローズ様、それが心の声のつもりなら声に出さないでください。」

「いいたくて言ってるのでお気になさらずに。」


悪びれもなくそっぽを向いてそういうと、ハロルドはため息をついて話を続ける。


「ちゃんと意図はございます。
皇后になってから、実際にやってもらうようなことではありませんが、
国の情勢など傾いた時の判断力などは必要になります、そのための試験です」


なるほど、それでわざわざこんなての込んだ試験を…
なんか他に方法あったような気もするけれどね。

私はため息を吐き返してやると、ハロルドは諦めたような表情をしながら
淡々と厳密なルールの説明を始めた。


「ルールはこのような形になります。
まず、近々行われるテストを普段通り受けていただきます。」


あぁ、アカデミーのテスト自体は関係あるのね。
そういえば合わせてって言ってましたものね。


「テストの結果が出次第、この事件の詳細の書かれた紙をお渡しします。
お察しの通り事件の詳細が書かれておりますが、3枚とも事件の内容が異なります。
難易度もバラバラです。」


そう言ってハロルドは3枚の用紙をこちらに見せる。
内容はもちろん見えないが、それがきっと本題の課題の用紙ということらしい


「トップの方は簡単な事件の用紙をお渡ししますが、一切のヒントはありません、自分の力で事件を調べてください
そして最下位の方には一番難しい事件を解いてもらう代わりにヒントをたくさん出します。
事件を最初に解けた方が今回の勝者です。
お互いの課題の協力をしても構いません。
後のことは、テストの結果が出た日にお話ししましょう。」

その言葉を最後に、その日の説明は終わりました。

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