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第2章 王都にて
第32話 交渉
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僕達の前で 飛龍が本格的に脱皮を開始した。
さながら蝶がサナギから羽化するかの様に、 飛龍の背中に亀裂が入り、始めに巨大な二枚の翼が内側から現れ、続いて以前見た姿よりも二回りは 大きな本体が出現して、 飛龍の脱皮は完了した。
現在 飛龍は脱皮し終わってからまだ粘液に濡れている身体を休めている。
今なら脱皮したばかりで身体の表面も柔らかく、討伐するには絶好の機会でもあった。
その為先程のコボルド達も襲って来た訳だが、僕達は 飛龍のすぐそばで相手の身体が安定するのを待っていた。
「どうやらもう大丈夫みたいだね。
落ち着いた様なら少し話をさせて貰いたいんだけどいいかな?」
僕は 飛龍が落ち着いて来た事を確認してから、目の前にいる巨龍へ語り掛けた。
「君等には御世話になりました。用件を聞きましょう」
飛龍は村の時とは違い、今回ははっきりといた声を出して僕の呼び掛けに応えてくれた。
「早速ですが、僕は貴方を 勧誘に来たのです」
「人族の君が龍族である私を支配しようと言うのか?」
「勘違いしてほしくないのですが、僕は貴方を支配しようとは思っていませんし、支配出来るとも思っていません。交渉に来たのです」
「交渉?」
「はい、僕は本来貴方の討伐をあの村から依頼されたのですが、貴方が村の少女を助けた現場を拝見しました。
つまり貴方は無意味な殺生をする様な相手ではなく、交渉出来る相手であると判断しました」
僕は相手を警戒させない様に注意しながら話を続けた。
「つまり君は私に何を求めているのかな?」
「結論から言えば、僕の仲間になりませんか?
このままこの大森林で王者として君臨するのも良いでしょうが、僕と共に外の世界に出てみませんか?」
「君達には借りがあるのは確かだが、君の仲間になって私にどのような得があるというのかな?」
「龍族である貴方の寿命はどれくらいですか?
少なくても僕達人族よりは永いはずです。
その気の遠くなる様な永い年月をここに籠もったまま朽ち果てるつもりですか?」
「・・・・・・」
僕の問い掛けに 飛龍は考え込んでいる様だ。
ここで更なる追い打ちを掛けてみることにした。
「それに折角今回脱皮して身体も大きく強靱になった訳ですし、外の世界でその力を試してみたくはありませんか?
一時的でも僕の 支配を受け入れて頂ければしばらくは退屈のない人生(龍生)を送る事が出来ると思いますよ」
「成程。非常に興味深い提案ですが、君に私を一時的とはいえ 支配する器があるのか試させて貰いたい」
「判りました。それでその方法は?」
「この場で私と戦って貰おう。
先程の戦闘である程度の戦闘力があるのは理解出来たが、実際にこの身で君の能力を確かめさせて貰わねば他の竜族に示しがつかないのでね」
「判りました。僕もそのつもりで来ていますので御相手させて戴きます」
僕は 飛龍の申し出を受けた。
さながら蝶がサナギから羽化するかの様に、 飛龍の背中に亀裂が入り、始めに巨大な二枚の翼が内側から現れ、続いて以前見た姿よりも二回りは 大きな本体が出現して、 飛龍の脱皮は完了した。
現在 飛龍は脱皮し終わってからまだ粘液に濡れている身体を休めている。
今なら脱皮したばかりで身体の表面も柔らかく、討伐するには絶好の機会でもあった。
その為先程のコボルド達も襲って来た訳だが、僕達は 飛龍のすぐそばで相手の身体が安定するのを待っていた。
「どうやらもう大丈夫みたいだね。
落ち着いた様なら少し話をさせて貰いたいんだけどいいかな?」
僕は 飛龍が落ち着いて来た事を確認してから、目の前にいる巨龍へ語り掛けた。
「君等には御世話になりました。用件を聞きましょう」
飛龍は村の時とは違い、今回ははっきりといた声を出して僕の呼び掛けに応えてくれた。
「早速ですが、僕は貴方を 勧誘に来たのです」
「人族の君が龍族である私を支配しようと言うのか?」
「勘違いしてほしくないのですが、僕は貴方を支配しようとは思っていませんし、支配出来るとも思っていません。交渉に来たのです」
「交渉?」
「はい、僕は本来貴方の討伐をあの村から依頼されたのですが、貴方が村の少女を助けた現場を拝見しました。
つまり貴方は無意味な殺生をする様な相手ではなく、交渉出来る相手であると判断しました」
僕は相手を警戒させない様に注意しながら話を続けた。
「つまり君は私に何を求めているのかな?」
「結論から言えば、僕の仲間になりませんか?
このままこの大森林で王者として君臨するのも良いでしょうが、僕と共に外の世界に出てみませんか?」
「君達には借りがあるのは確かだが、君の仲間になって私にどのような得があるというのかな?」
「龍族である貴方の寿命はどれくらいですか?
少なくても僕達人族よりは永いはずです。
その気の遠くなる様な永い年月をここに籠もったまま朽ち果てるつもりですか?」
「・・・・・・」
僕の問い掛けに 飛龍は考え込んでいる様だ。
ここで更なる追い打ちを掛けてみることにした。
「それに折角今回脱皮して身体も大きく強靱になった訳ですし、外の世界でその力を試してみたくはありませんか?
一時的でも僕の 支配を受け入れて頂ければしばらくは退屈のない人生(龍生)を送る事が出来ると思いますよ」
「成程。非常に興味深い提案ですが、君に私を一時的とはいえ 支配する器があるのか試させて貰いたい」
「判りました。それでその方法は?」
「この場で私と戦って貰おう。
先程の戦闘である程度の戦闘力があるのは理解出来たが、実際にこの身で君の能力を確かめさせて貰わねば他の竜族に示しがつかないのでね」
「判りました。僕もそのつもりで来ていますので御相手させて戴きます」
僕は 飛龍の申し出を受けた。
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