裏切られた人生に

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第2章

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ラウルは朝毎日トレーニングを続けて1ヶ月、今では30分も走ることができていた。

(はぁ・・はぁ・・・・・・・・30分間やっと走ることができたけど、目標はこれの2倍か。まだまだ先が長いな)

穏やかな春の朝に鳥の囀りが聞こえるのが気持ちよく、ランニングを終えてゆっくりと息を整えていた。

(あとは体幹トレーニングだけ。最初よりも大分スムーズに動けるようになったし、早く終わらせよ)




♦︎



トレーニングを終えたラウルは汗を流してから、部屋で冒険者の本を一心に読んでいた。

(俺も早く色んな世界を見てみたい。前は宮廷魔法師としてただひたすら国内の魔物を退治することに集中し世界の景色なんて考えたこともなかった。それも全てあいつのためにやったことなのに・・・・・・はぁ。もう過去のことと今は関係ないって頭で分かっていても心が追いつかないんだよな・・・・・・・・)  

ラウルは時たま親友との懐かしい情景を思い出しては、最後の光景が蘇り深い絶望に襲われていた。

 すると急に扉がノックされ、扉越しに呼びかけられる。

「坊ちゃん。お父様がお呼びです」 

(お父様?いきなりどうしたんだ?)

「・・・・・分かった。すぐに行く」

重苦しい空気を断ち切るためにも、顔を両手でパンっと叩く。 

(もう関係のないことだ。忘れろ)

そう心の中で唱えて、部屋を出る。




♦︎


 フリードリッヒは普段王宮で官僚として働いているため家に1日いることが非常に珍しかった。夕食の時間には常に帰るようにしていたが、朝や昼にラウルと屋敷で会うことはあまりなかったためラウルは非常に困惑していた。

(もしかして、最初のトレーニングでエトムントさんがお父様のカップを持ち出したことがバレたのか?割ってないから流石に怒られはしないよな?っていうかなんで俺が持ち出したわけじゃないのにこんなドキドキしないといけないんだよ)


頭の中で呼び出されたことをぐるぐると考えて、扉をノックする。

「お父様。ラウルです」


「あぁ。入れ」

 ドアを開けてフリードリッヒを眺めても別に怒ってはいなさそうだったため、ラウルは息を吐いた。


「剣術の授業は順調か?トレーニングを今頑張っているとエトムントに聞いたぞ」

「あ、はい。順調です」

「そうか。それなら良い」 


(え?それだけ?)


 2人の間に少し気まずい空気が流れたが、フリードリッヒが口を開く。

「来週教会で魔力検査が行われるから準備しておくように。それと検査が終わったら魔法学校に入るための先生をお前につける。剣術と魔法両方習うのはお前が決めたことだ。どちらも手を抜かず頑張るように。」

「分かりました。心に留めて精一杯頑張ります。」

「あぁ。」

「じゃあ僕はこれで失礼しますね」

そう言って部屋から立ち去ろうとした時フリードリッヒがラウルに問いかけた。

「あぁそれと、俺のお気に入りのカップが見当たらないんだがラウル知らないか?」


「え・・・・・・・・すみません。僕にはちょっと分からないです」

「そうか」

そう言うと少し悲しそうな顔をして俯いたフリードリッヒがいた。




(あのおっさんカップ返したんじゃないのかよっ!!!!)





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