裏切られた人生に

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第2章

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「ラウル=ベッケラート様。どうぞお入りください」

 名を呼ばれたラウルは一度フリードリッヒの顔を伺い立ち上がる。

「ラウル。私は扉の中へは入れないからここで待っている。あまり張り詰めるなよ」

「・・・・・・・・はい。お父様」


(はぁ。やっぱり2回目といえど緊張するな)

 ラウルはそのまま開かれた白い扉の中へと足を踏み入れた。



♦︎




 そこには神父やシスターが合わせて5人と中心に透明な水晶が置かれていた。

 ラウルが部屋に入ってきたのを見て1人の神父が近づいてくる。

「ラウル様。初めまして。本日の魔力検査を任されているジーモンといいます。以後お見知りおきを。」

「・・・・・・・・はじめまして。ラウル=ベッケラートです。本日はよろしくお願いします」

(以前もそうだったがやはり教会の連中とは気が合いそうにない。この含みのある笑顔とか本当に嘘くさいな)

「ではラウル様。この水晶に触れてください。手が触れますと光を放ちますがそのまま放さずにお願いします。」

「分かりました」

 ラウルは水晶のもとまでゆっくりと近づいて、手をそっとおいた。すると・・・・・・・・




パリンッ


「・・・・・・・・ッ!」




 水晶は勢いよく割れて、破片がラウルの手に突き刺さった。

「なんということだ!早く治癒魔法が使えるやつを連れてこい!!!」

(前はこんなこと起きなかったはずだ。何が起こってる?)

 するといつもより威圧感が増したフリードリッヒが扉の中へと入ってきた。

「ラウル!何かあったのか?これはどういうことだ?」

「フリードリッヒ様。扉の中へは入らないで下さいと言ったはずです!」
  
「子供が怪我をしているのにそんなの知ったことか!ラウル大丈夫か?」

(はぁ・・・・・・・・もう滅茶苦茶だ。本当にどうなってるんだ。しかも結構手の傷が深いみたいだ。ズキズキする。俺も治癒魔法が使えたらこんな痛みにも慣れたのに)


 すると1人の魔法師が急いでラウルの元へと近づいた。

「ラウル様。今から治癒魔法をかけていきますね。手を出してください」

 ラウルはそのまま手を出すと、魔法師が治癒魔法をかけていく。しかし一向に手の傷が塞がることはなかった。

「・・・・・・・・あれ?傷が治らない・・・・・・」

「この魔法師はつかえないのか?」

 フリードリッヒがそう口にすると。

「まだまだ至らぬことは確かですが、これくらいの傷ですと私も治せます」

「それはどいうことだ?」

「・・・・・・・・ラウル様には治癒魔法が効きません」

 その場にいた者全員が息を呑んだ。

「治癒魔法が効かない者など聞いたことないぞ。魔物ですら治癒魔法が効くというのに」

(もしかして・・・・・・俺が一回死んだことと関係があるのか?何のリスクもなく時間を巻き戻すなんてこと流石に神様も許してくれないか・・・・・・)


 
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