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第2章
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その後治癒魔法をいくら試しても意味がなかったラウルは止血や消毒をした後包帯で手を覆われることになった。
「ラウル様、フリードリッヒ様、別室にて今回の魔力検査の結果をお伝えしますので移動のほうお願いいたします」
そう神父から伝えられ2人は別室へと移動する。
♦︎
「どうぞご着席ください」
「水晶が割れていたが結果はわかるのか?」
フリードリッヒは怪しげな目で神父を尋ねる。
「はい。先程割れた水晶の破片を調べたところ、その破片には容量限界まで魔力が満たされていました。水晶を限界まで満たすためには最低でも宮廷魔法師またそれ以上の魔力量が必要です。そしてラウル様の属性魔法としては闇、雷、水の3属性をお持ちで、闇魔法属性があるとはいえども5歳の時点でこの魔力量と属性の多さは前代未聞です」
(以前の5歳の頃の俺は、魔力量も並の大人の魔法師程度で、闇と雷の2属性しか使えなかったはず・・・・・・)
「私も5歳の時点で2属性使える子がたまにいるというのは聞いたことがあるが、3属性は確かにないな」
(もしかして・・・・・・・・ただ時を遡ったわけではなく、死ぬ前の魔法の経験値も受け継がれているのか?元々俺は2属性だったがいつの間にか水魔法も使えるようになっていた。魔力量が桁違いに増えるとたまに新しい属性が出現するらしい)
しかしフリードリッヒが残念そうな声でもらす。
「だが・・・・・・・・治癒魔法が効かないというのは・・・・・・・」
(そこなんだよな。魔法が受け継がれても治癒魔法が効かないのはかなりのハンデだ・・・・・・・・)
すると神父が前のめりでニヤニヤと話をきりだした。
「そこでです。なぜ治癒魔法が効かないかを調べるためにも教会でラウル様を預かるというのはどうでしょう?」
(こいつ・・・・・・どうせ俺を調べるためとか言って俺の魔力を奪う気だろ。実際のところ、魔力検査も魔力の多い子供を絞り出すための口実だからな。魔力が多かった子には、親に魔法の抑制の仕方を教えるとか言って子供を預り、その子供達から少しずつ魔力を奪うっていうのが教会のやり口だ。そしてその奪った魔力は、貴族や他国に売り捌いて教会が金を得るというのがこの一連の仕組である。俺が宮廷魔法師になってわかったことだが・・・・・・・・)
「いや、結構だ」
「ですが・・・」
引き下がらない神父にフリードリッヒは眉間に皺を寄せながらその言葉を遮る。
「ベッケラート家に何か問題があるとでも?」
「・・・・・・いえ。・・・・とんでもございません」
するとずっと黙っていたラウルが急に口を開いた。
「あの・・・・・・・おれ・・ゴホんっ・・・・僕が闇魔法を使えるということは国や誰にも言わないんでほしいんです」
それを聞いたフリードリッヒは驚いた表情でラウルに尋ねる
「ラウルどうしてだ?闇魔法は確かに印象としてはあまりよくないかもしれないがとても強力な魔法だ。ましてや3属性も使えるとなると、いずれ行く学校の評価も高くなる」
「・・・それは・・・・・あまり目立ちたくないんです」
(闇魔法を使って誤解を招くことはもう避けたい・・・・・・・・)
「国への子供の魔力や属性の結果報告は義務となっております。そして虚偽の報告をすることはいかなる場合でも許されません。ですが、ラウル様が少しだけ教会のために魔力の提供をしてくれるというのなら、闇魔法属性のことは黙って差し上げましょう」
「教会が魔力を必要とするのはどうしてですか?」
「それは・・・・魔力の少ない子供や老人たちのために無料で配布するためです」
(白々しい嘘つきやがって)
「じゃあ僕この前教会が貴族や他国に魔力を高く売り捌いていると耳にしたのですがそれは嘘だったんですね?よかった。教会がそんなことするはずがないですもんね」
ラウルはそういうと神父の顔色がどんどん青白くなっていった。
「ははは・・・・・・そんなの嘘に決まってるじゃないですか。ですがラウル様そのことは一体どなたから聞いたのですか?」
「すみません。それはよく覚えてないんです。でもこの情報は嘘だったと皆さんに伝えなくてはいけないですよね?」
するとそれを聞いて焦った神父は
「いや、こちらでお伝えしておくので結構です。国にはラウル様が2属性と報告するのでもう魔力の提供は大丈夫です。今回はありがとうございました」
そういうと神父はそそくさと部屋から退出していった。
「ラウル。お前その情報どこから得たんだ?教会の内部の情報なんて国の上層部しか知らないことだ。今回は上手くいったがあまり無茶はするなよ」
「はい。お父様」
「さて、そろそろ私たちも帰るとするか。今日は色々あってお前も疲れただろ」
そう言って2人は椅子から立ち上がった。
「ラウル様、フリードリッヒ様、別室にて今回の魔力検査の結果をお伝えしますので移動のほうお願いいたします」
そう神父から伝えられ2人は別室へと移動する。
♦︎
「どうぞご着席ください」
「水晶が割れていたが結果はわかるのか?」
フリードリッヒは怪しげな目で神父を尋ねる。
「はい。先程割れた水晶の破片を調べたところ、その破片には容量限界まで魔力が満たされていました。水晶を限界まで満たすためには最低でも宮廷魔法師またそれ以上の魔力量が必要です。そしてラウル様の属性魔法としては闇、雷、水の3属性をお持ちで、闇魔法属性があるとはいえども5歳の時点でこの魔力量と属性の多さは前代未聞です」
(以前の5歳の頃の俺は、魔力量も並の大人の魔法師程度で、闇と雷の2属性しか使えなかったはず・・・・・・)
「私も5歳の時点で2属性使える子がたまにいるというのは聞いたことがあるが、3属性は確かにないな」
(もしかして・・・・・・・・ただ時を遡ったわけではなく、死ぬ前の魔法の経験値も受け継がれているのか?元々俺は2属性だったがいつの間にか水魔法も使えるようになっていた。魔力量が桁違いに増えるとたまに新しい属性が出現するらしい)
しかしフリードリッヒが残念そうな声でもらす。
「だが・・・・・・・・治癒魔法が効かないというのは・・・・・・・」
(そこなんだよな。魔法が受け継がれても治癒魔法が効かないのはかなりのハンデだ・・・・・・・・)
すると神父が前のめりでニヤニヤと話をきりだした。
「そこでです。なぜ治癒魔法が効かないかを調べるためにも教会でラウル様を預かるというのはどうでしょう?」
(こいつ・・・・・・どうせ俺を調べるためとか言って俺の魔力を奪う気だろ。実際のところ、魔力検査も魔力の多い子供を絞り出すための口実だからな。魔力が多かった子には、親に魔法の抑制の仕方を教えるとか言って子供を預り、その子供達から少しずつ魔力を奪うっていうのが教会のやり口だ。そしてその奪った魔力は、貴族や他国に売り捌いて教会が金を得るというのがこの一連の仕組である。俺が宮廷魔法師になってわかったことだが・・・・・・・・)
「いや、結構だ」
「ですが・・・」
引き下がらない神父にフリードリッヒは眉間に皺を寄せながらその言葉を遮る。
「ベッケラート家に何か問題があるとでも?」
「・・・・・・いえ。・・・・とんでもございません」
するとずっと黙っていたラウルが急に口を開いた。
「あの・・・・・・・おれ・・ゴホんっ・・・・僕が闇魔法を使えるということは国や誰にも言わないんでほしいんです」
それを聞いたフリードリッヒは驚いた表情でラウルに尋ねる
「ラウルどうしてだ?闇魔法は確かに印象としてはあまりよくないかもしれないがとても強力な魔法だ。ましてや3属性も使えるとなると、いずれ行く学校の評価も高くなる」
「・・・それは・・・・・あまり目立ちたくないんです」
(闇魔法を使って誤解を招くことはもう避けたい・・・・・・・・)
「国への子供の魔力や属性の結果報告は義務となっております。そして虚偽の報告をすることはいかなる場合でも許されません。ですが、ラウル様が少しだけ教会のために魔力の提供をしてくれるというのなら、闇魔法属性のことは黙って差し上げましょう」
「教会が魔力を必要とするのはどうしてですか?」
「それは・・・・魔力の少ない子供や老人たちのために無料で配布するためです」
(白々しい嘘つきやがって)
「じゃあ僕この前教会が貴族や他国に魔力を高く売り捌いていると耳にしたのですがそれは嘘だったんですね?よかった。教会がそんなことするはずがないですもんね」
ラウルはそういうと神父の顔色がどんどん青白くなっていった。
「ははは・・・・・・そんなの嘘に決まってるじゃないですか。ですがラウル様そのことは一体どなたから聞いたのですか?」
「すみません。それはよく覚えてないんです。でもこの情報は嘘だったと皆さんに伝えなくてはいけないですよね?」
するとそれを聞いて焦った神父は
「いや、こちらでお伝えしておくので結構です。国にはラウル様が2属性と報告するのでもう魔力の提供は大丈夫です。今回はありがとうございました」
そういうと神父はそそくさと部屋から退出していった。
「ラウル。お前その情報どこから得たんだ?教会の内部の情報なんて国の上層部しか知らないことだ。今回は上手くいったがあまり無茶はするなよ」
「はい。お父様」
「さて、そろそろ私たちも帰るとするか。今日は色々あってお前も疲れただろ」
そう言って2人は椅子から立ち上がった。
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