15 / 18
悪役令嬢でも死んじゃだめぇ~!15
しおりを挟む
もうすぐ14歳のエミリーです。
ということは、学院の入学も間近で、訓練も一段落するはず。やったー!
学院では寮に入るので、しばらく、家族や親戚にも会えないので、前から招待されていたデミー家に遊びに行くことにした。
デミー家は、私の父親の妹、ナタリア叔母様の嫁ぎ先。
ナタリア叔母様の旦那様は、私が遊びに行くといつも、珍しい飲み物や、流行のお菓子を出してくれるので、楽しみにしている。
トーマスお義兄様からは、あまり近づかないように言われていたけど、学院入学前には、挨拶にいかないといけないので、今のうちに済ませようと訪問した。
「エミリー、よく来てくれたわね!」
「君が来てくれて嬉しいよ、エミリー!」
叔母様夫婦の大歓迎をうけました。
ナタリア叔母様は、顔はもちろん、髪や瞳の色も私に似て、暗めの金髪に、これまた暗めの青い瞳。
一方、叔母様の旦那様であるカーク・デミー様は、茶色の髪と瞳で地味な色合いだが、造形が美しいので、存在感がある。
地味さとは、髪や瞳の色ではなく、造形の問題なのかも……。
ところで、カーク叔父様は、私を歓迎しつつも、叔母様の腰に手を回し、何やら耳元で囁き、叔母様が顔を赤らめるというイチャイチャぶり。うーん、ナタリア叔母様、幸せそう。
仲良くていいなーと羨望しながら、貴族の屋敷にも負けない位、豪華なお屋敷に招き入れられた。
このお屋敷は、商売で扱う商品のプロモーションとして貴族の顧客を招待することがある。
そのせいか、成金といわれるにしては、金ぴかではなく、上品で落ち着いた色合いに統一されている。
しかも、調度品なども見映えよく備えられ、ときめく品が多い。
つまり、貴族向けモデルハウスのようなお屋敷。
美しい庭を眺めながらお茶ができる素敵なティールームもあり、そこには、もちろん、美味しいお茶とお菓子の用意が待っていました!やったー!
ついでに、デミー家の息子で、従兄のアダムがすでにティールームで待機していた。
アダムは、私に気づいて、挨拶のつもりなのか、ようっと片手をあげてから、何か先にお茶飲んでいる。早いぞ!
やっと、4人でお茶会となりました。
「エミリーってば、なかなか遊びに来てくれないから、寂しかったよ。
だから、もう、うちの子になろうか?」とカーク叔父様。
「そうねぇ、アダムかルイのお嫁さんでもいいわよ?」とナタリア叔母様。
デミー夫婦から、養女or嫁勧誘。
この家は居心地が良いので、悪い話ではないが、ちょっと色々問題が……。
「ああ、俺の嫁はパス~。
エミリーが嫁だと、近親相姦と間違われそうだから~」
「「「うん、確かに……」」」と満場一致。
これが問題の一つでもあるが、実は、アダムは私にそっくり。
正確には、私というか、アダムの母親であるナタリア叔母様に似ているので、小さい頃から、私はアダムの実の妹に間違われていた。
アダムは、ナタリア叔母様や私に似た地味な顔立ちと同じ瞳の色に、カーク叔父様の茶色の髪なので、私以上に地味かも。
いや、アダムの場合、性格も含めて地味だ。
トーマスお義兄様は心配していたけど、アダムと私が結婚することはないだろう。
近親相姦にしか見えないからね。
そこへ、バタバタともう一人のデミー家の息子で、従弟のルイが現れた。
「僕のエミリー!
もう来てたんだね。
遅くなってごめんね~」
そう言って、来て早々、私の手を握るルイ。
きみ、何かキラキラ輝いているね……。
「今日も、エミリーは地味だねー。
でも、そこも味があっていいねー」とルイは、片手で私の手を握ったまま、もう片方の手で私の髪を一房とり、口づけを落とす。キザだ。
あれ?地味ってディスられていない?
味があるって、誉め言葉?
そんなルイは、カーク叔父様に似て美形で、髪は明るい金髪、瞳は空色で、王子様のようだと幼い頃から言わている。
まだ12歳なのに、この女性慣れした態度。
どんだけモテるのやら……。
「なになに?
今日は、やっと僕と婚約するために来たのかな~?
僕の方はいつでもいいよ!
幸せになろうね、エミリー♪」
「話を勝手に進めないでね、ルイ」と冷めている私。
「そうだぞ。ルイもエミリーを嫁にするのは止めておけ。
たぶん、マザコンか、お前も下手すると近親相姦と間違われそうだ」とアダムが止める。
「じゃあ、エミリーは養女になろうよ!
本当は、エミリーはうちに生まれるはずの子だったと思うんだ。」とここぞとばかりに切り込むカーク叔父様が、またもや熱心に養女勧誘をする。ならないよー。
「え~、エミリーがお姉さんになるのはやだよ。
小さい頃から、エミリーが僕の本命なのに~」とルイは、可愛い子ぶりっ子して、頬を膨らませる。
「いや、私は、養女にもならないし、ルイとも結婚しないよ。
浮気する男、駄目、絶対!」
「えー!結婚したら一途だよ?
まあ、エミリーがちゃんとイチャイチャさせてくれるならね」というルイにイラッとする。
それはつまり、ルイの場合、結婚するまで一途にはならず、また、結婚後はイチャイチャしたい気分でないと断ったら、浮気するってことなんだよね?そんなやつ、ないわー。
まあ、ルイは、モテるから。
既に5~6歳の頃から、ハーレムを築き、常に3~4人の女の子と同時進行でおつきあいしている。
ルイならお金持ちの息子だし、王子様のような容姿で、12歳で私よりも身長も高く、明るい性格をしている。
だけど、それを差し引いても、浮気するイケメン、駄目、絶対!
だって、イケメンの浮気旦那様の場合、浮気相手に、「お前さえいなければ!」って刺されるリスクがあるから、本当に嫌。怖い。
幼い頃に、ルイと遊んでいたら、「このどろうぼうねこ!」「ぶすのくせに!!」とルイハーレムの女の子達に叩かれたり、引っ掻かれたりしたのは、一度や二度ではない。
「エミリー、僕は本気だよ」と王子様スマイルで悩殺しようとするルイ。まだ12歳なのに色気あるな!でも、私には全く通じないよ!
「そうなんだー。
でも、私も本気で、ルイは結婚相手に考えていないから、ごめんね!」
「あれー?
僕の魅力が効いていないなんて……。
じゃあ、エミリー、僕は将来、有望だよ!
今のうちに、おさえておかないと~」
「……いや、間に合っていまーす」
「は?」
そもそも、将来、有望なら、アリード公爵家のロラン様の方が、よっぽど有望。
うん、ロラン様なら、ルイと違って、浮気もしなそう。
ルイとロラン様のどちらか選べと言われたら、ロラン様かな?
「ちょ、ちょっと、エミリー?
間に合っているって、どういうこと?
まさか、もう婚約したの……?」
「ううん、していないよ。
だけど、ルイよりいいなと思う方から、本気じゃないのかも知れないけど、プロポーズされたよ~」
「何だって!誰に!?」
エミリーがさらっと答えると、ルイは王子とは思えない恐い形相で聞き返してきた。
あれ、カーク叔父様やアダムも何だか渋い顔をしている?
「ん?アリード公爵家のロラン様。
まだ、6歳だけどね。
彼は本当に天才児だよ~」
「な~んだ、6歳のガキか。
そんなプロポーズなんて無効だよ。
ましてや、高位貴族。
それを真に受けるなんて、ピュアだな~」と笑うルイ。
「だから、真には受けてないよ。
それに、ルイも似たようなものでしょう?」
「一緒にしないでよ、エミリー。
僕は本気だって!
僕にしておきなって~」
「いやよ~」
「誰よりも、僕がいいよー」
「やだー」
面倒なので、ルイはもう無視。
「あ、この紅茶、とっても美味しいです。
砂糖を入れてないのに、甘味があって、フルーティな感じですね」
「お、さすがエミリー。
この紅茶は、砂糖はいらないんだよ。
フレーバーに使った果物は、柑橘系の果物なんだけど、香りだけじゃなくて甘味も強いからね」とカーク叔父様が解説してくれる。おいしー!
「エミリー、冷たい……。
僕は優しいエミリーが好きだな~」とルイが横でぶつぶつと恨みがましく何か言っているけど、無視。
それより、美味しいお茶とお菓子に集中する。
「はあ、デミー家のお茶は、いつも美味しくて素敵です!」
「ありがとう、エミリー。
うちの子になったら、毎日、飲み放題だよ。
それに、うちの子なら過酷な訓練なんて、しなくていいんだよ?」とカーク叔父様が誘惑してくる。くっ。
「う~ん、確かにそれは魅力的なんですが……。
訓練については、今のところ、自分がやりたくてやっています」
「そうか。未来の王太子妃とやらは、エミリーにそう思わせる位には、優れた人物なのかな?」
「はい!ラフィーナ様は、素晴らしい方です!!」
「……でも、エミリー。
それで自分の命を落とすような事態になってはいけないわ。
貴族としての義務は確かに大事だけど……。
命がけになるなら、いっそ、平民になるのも生きる道の一つよ。
だから、養女の件は、真剣に考えてね」とナタリア叔母様まで心配してくださる。
「そうだぞ、エミリー。
お前がラフィーナ様とやらの代わりに怪我したり、辛い目にあったりする位なら、うちに養女になる方が幸せかも知れないぞ。
あと、命は1回限りなんだから、絶対、死ぬなよ。
貴族の忠誠心なんか捨てて、逃げて生きる勇気を持て!」とアダムも真剣に忠告してくる。
ああ、私のことを本気で心配してくれているのがわかる。
うーん、ルキラ子爵家の方々とは大違い。
お父様なんか、ラフィーナ様やハロル公爵家のためなら、命をかけろって言われたしね。
貴族なら、しょうがないけど……。
「ありがとうございます。
おっしゃる通り、よく考えてみます」とお礼を言って、本気でよく考えてみる。
そうだった。
命は、大事。
もう怪我をしないことも大事。
そのための訓練だった。
でも、もし自分が生き残るために、ラフィーナ様を見捨てたら、一生後悔しそう。
ラフィーナ様は、お世辞抜きで、あらゆる面で優れた人だ。
将来、ラフィーナ様は、この国を良くしようと、多大な影響を与えられる人物になる。
そんなラフィーナ様を守りたい。
たとえ、この世界がサバイバルゲームのように残酷でも。
そして、私のできることなんか、微力であっても……。
あの夢のように死なせたくない!
今日は、デミー家の方々のおかげで、命の大事さと、それでも、ラフィーナ様をやっぱり死なせたくないという私の気持ちを実感した。
自分もラフィーナ様も、無事に生きて、幸せにならないとね♪
ということは、学院の入学も間近で、訓練も一段落するはず。やったー!
学院では寮に入るので、しばらく、家族や親戚にも会えないので、前から招待されていたデミー家に遊びに行くことにした。
デミー家は、私の父親の妹、ナタリア叔母様の嫁ぎ先。
ナタリア叔母様の旦那様は、私が遊びに行くといつも、珍しい飲み物や、流行のお菓子を出してくれるので、楽しみにしている。
トーマスお義兄様からは、あまり近づかないように言われていたけど、学院入学前には、挨拶にいかないといけないので、今のうちに済ませようと訪問した。
「エミリー、よく来てくれたわね!」
「君が来てくれて嬉しいよ、エミリー!」
叔母様夫婦の大歓迎をうけました。
ナタリア叔母様は、顔はもちろん、髪や瞳の色も私に似て、暗めの金髪に、これまた暗めの青い瞳。
一方、叔母様の旦那様であるカーク・デミー様は、茶色の髪と瞳で地味な色合いだが、造形が美しいので、存在感がある。
地味さとは、髪や瞳の色ではなく、造形の問題なのかも……。
ところで、カーク叔父様は、私を歓迎しつつも、叔母様の腰に手を回し、何やら耳元で囁き、叔母様が顔を赤らめるというイチャイチャぶり。うーん、ナタリア叔母様、幸せそう。
仲良くていいなーと羨望しながら、貴族の屋敷にも負けない位、豪華なお屋敷に招き入れられた。
このお屋敷は、商売で扱う商品のプロモーションとして貴族の顧客を招待することがある。
そのせいか、成金といわれるにしては、金ぴかではなく、上品で落ち着いた色合いに統一されている。
しかも、調度品なども見映えよく備えられ、ときめく品が多い。
つまり、貴族向けモデルハウスのようなお屋敷。
美しい庭を眺めながらお茶ができる素敵なティールームもあり、そこには、もちろん、美味しいお茶とお菓子の用意が待っていました!やったー!
ついでに、デミー家の息子で、従兄のアダムがすでにティールームで待機していた。
アダムは、私に気づいて、挨拶のつもりなのか、ようっと片手をあげてから、何か先にお茶飲んでいる。早いぞ!
やっと、4人でお茶会となりました。
「エミリーってば、なかなか遊びに来てくれないから、寂しかったよ。
だから、もう、うちの子になろうか?」とカーク叔父様。
「そうねぇ、アダムかルイのお嫁さんでもいいわよ?」とナタリア叔母様。
デミー夫婦から、養女or嫁勧誘。
この家は居心地が良いので、悪い話ではないが、ちょっと色々問題が……。
「ああ、俺の嫁はパス~。
エミリーが嫁だと、近親相姦と間違われそうだから~」
「「「うん、確かに……」」」と満場一致。
これが問題の一つでもあるが、実は、アダムは私にそっくり。
正確には、私というか、アダムの母親であるナタリア叔母様に似ているので、小さい頃から、私はアダムの実の妹に間違われていた。
アダムは、ナタリア叔母様や私に似た地味な顔立ちと同じ瞳の色に、カーク叔父様の茶色の髪なので、私以上に地味かも。
いや、アダムの場合、性格も含めて地味だ。
トーマスお義兄様は心配していたけど、アダムと私が結婚することはないだろう。
近親相姦にしか見えないからね。
そこへ、バタバタともう一人のデミー家の息子で、従弟のルイが現れた。
「僕のエミリー!
もう来てたんだね。
遅くなってごめんね~」
そう言って、来て早々、私の手を握るルイ。
きみ、何かキラキラ輝いているね……。
「今日も、エミリーは地味だねー。
でも、そこも味があっていいねー」とルイは、片手で私の手を握ったまま、もう片方の手で私の髪を一房とり、口づけを落とす。キザだ。
あれ?地味ってディスられていない?
味があるって、誉め言葉?
そんなルイは、カーク叔父様に似て美形で、髪は明るい金髪、瞳は空色で、王子様のようだと幼い頃から言わている。
まだ12歳なのに、この女性慣れした態度。
どんだけモテるのやら……。
「なになに?
今日は、やっと僕と婚約するために来たのかな~?
僕の方はいつでもいいよ!
幸せになろうね、エミリー♪」
「話を勝手に進めないでね、ルイ」と冷めている私。
「そうだぞ。ルイもエミリーを嫁にするのは止めておけ。
たぶん、マザコンか、お前も下手すると近親相姦と間違われそうだ」とアダムが止める。
「じゃあ、エミリーは養女になろうよ!
本当は、エミリーはうちに生まれるはずの子だったと思うんだ。」とここぞとばかりに切り込むカーク叔父様が、またもや熱心に養女勧誘をする。ならないよー。
「え~、エミリーがお姉さんになるのはやだよ。
小さい頃から、エミリーが僕の本命なのに~」とルイは、可愛い子ぶりっ子して、頬を膨らませる。
「いや、私は、養女にもならないし、ルイとも結婚しないよ。
浮気する男、駄目、絶対!」
「えー!結婚したら一途だよ?
まあ、エミリーがちゃんとイチャイチャさせてくれるならね」というルイにイラッとする。
それはつまり、ルイの場合、結婚するまで一途にはならず、また、結婚後はイチャイチャしたい気分でないと断ったら、浮気するってことなんだよね?そんなやつ、ないわー。
まあ、ルイは、モテるから。
既に5~6歳の頃から、ハーレムを築き、常に3~4人の女の子と同時進行でおつきあいしている。
ルイならお金持ちの息子だし、王子様のような容姿で、12歳で私よりも身長も高く、明るい性格をしている。
だけど、それを差し引いても、浮気するイケメン、駄目、絶対!
だって、イケメンの浮気旦那様の場合、浮気相手に、「お前さえいなければ!」って刺されるリスクがあるから、本当に嫌。怖い。
幼い頃に、ルイと遊んでいたら、「このどろうぼうねこ!」「ぶすのくせに!!」とルイハーレムの女の子達に叩かれたり、引っ掻かれたりしたのは、一度や二度ではない。
「エミリー、僕は本気だよ」と王子様スマイルで悩殺しようとするルイ。まだ12歳なのに色気あるな!でも、私には全く通じないよ!
「そうなんだー。
でも、私も本気で、ルイは結婚相手に考えていないから、ごめんね!」
「あれー?
僕の魅力が効いていないなんて……。
じゃあ、エミリー、僕は将来、有望だよ!
今のうちに、おさえておかないと~」
「……いや、間に合っていまーす」
「は?」
そもそも、将来、有望なら、アリード公爵家のロラン様の方が、よっぽど有望。
うん、ロラン様なら、ルイと違って、浮気もしなそう。
ルイとロラン様のどちらか選べと言われたら、ロラン様かな?
「ちょ、ちょっと、エミリー?
間に合っているって、どういうこと?
まさか、もう婚約したの……?」
「ううん、していないよ。
だけど、ルイよりいいなと思う方から、本気じゃないのかも知れないけど、プロポーズされたよ~」
「何だって!誰に!?」
エミリーがさらっと答えると、ルイは王子とは思えない恐い形相で聞き返してきた。
あれ、カーク叔父様やアダムも何だか渋い顔をしている?
「ん?アリード公爵家のロラン様。
まだ、6歳だけどね。
彼は本当に天才児だよ~」
「な~んだ、6歳のガキか。
そんなプロポーズなんて無効だよ。
ましてや、高位貴族。
それを真に受けるなんて、ピュアだな~」と笑うルイ。
「だから、真には受けてないよ。
それに、ルイも似たようなものでしょう?」
「一緒にしないでよ、エミリー。
僕は本気だって!
僕にしておきなって~」
「いやよ~」
「誰よりも、僕がいいよー」
「やだー」
面倒なので、ルイはもう無視。
「あ、この紅茶、とっても美味しいです。
砂糖を入れてないのに、甘味があって、フルーティな感じですね」
「お、さすがエミリー。
この紅茶は、砂糖はいらないんだよ。
フレーバーに使った果物は、柑橘系の果物なんだけど、香りだけじゃなくて甘味も強いからね」とカーク叔父様が解説してくれる。おいしー!
「エミリー、冷たい……。
僕は優しいエミリーが好きだな~」とルイが横でぶつぶつと恨みがましく何か言っているけど、無視。
それより、美味しいお茶とお菓子に集中する。
「はあ、デミー家のお茶は、いつも美味しくて素敵です!」
「ありがとう、エミリー。
うちの子になったら、毎日、飲み放題だよ。
それに、うちの子なら過酷な訓練なんて、しなくていいんだよ?」とカーク叔父様が誘惑してくる。くっ。
「う~ん、確かにそれは魅力的なんですが……。
訓練については、今のところ、自分がやりたくてやっています」
「そうか。未来の王太子妃とやらは、エミリーにそう思わせる位には、優れた人物なのかな?」
「はい!ラフィーナ様は、素晴らしい方です!!」
「……でも、エミリー。
それで自分の命を落とすような事態になってはいけないわ。
貴族としての義務は確かに大事だけど……。
命がけになるなら、いっそ、平民になるのも生きる道の一つよ。
だから、養女の件は、真剣に考えてね」とナタリア叔母様まで心配してくださる。
「そうだぞ、エミリー。
お前がラフィーナ様とやらの代わりに怪我したり、辛い目にあったりする位なら、うちに養女になる方が幸せかも知れないぞ。
あと、命は1回限りなんだから、絶対、死ぬなよ。
貴族の忠誠心なんか捨てて、逃げて生きる勇気を持て!」とアダムも真剣に忠告してくる。
ああ、私のことを本気で心配してくれているのがわかる。
うーん、ルキラ子爵家の方々とは大違い。
お父様なんか、ラフィーナ様やハロル公爵家のためなら、命をかけろって言われたしね。
貴族なら、しょうがないけど……。
「ありがとうございます。
おっしゃる通り、よく考えてみます」とお礼を言って、本気でよく考えてみる。
そうだった。
命は、大事。
もう怪我をしないことも大事。
そのための訓練だった。
でも、もし自分が生き残るために、ラフィーナ様を見捨てたら、一生後悔しそう。
ラフィーナ様は、お世辞抜きで、あらゆる面で優れた人だ。
将来、ラフィーナ様は、この国を良くしようと、多大な影響を与えられる人物になる。
そんなラフィーナ様を守りたい。
たとえ、この世界がサバイバルゲームのように残酷でも。
そして、私のできることなんか、微力であっても……。
あの夢のように死なせたくない!
今日は、デミー家の方々のおかげで、命の大事さと、それでも、ラフィーナ様をやっぱり死なせたくないという私の気持ちを実感した。
自分もラフィーナ様も、無事に生きて、幸せにならないとね♪
0
あなたにおすすめの小説
ベルガー子爵領結婚騒動記
文月黒
恋愛
その日、王都より遠く離れたベルガー子爵領は、俄かに浮き足立っていた。
何せ、ついに領民一同が待ち望んでいたベルガー子爵の結婚相手がやって来るのだ。
ちょっとだけ(当領比)特殊な領地の強面領主に嫁いで来たのは、王都の男爵家の末娘・マリア。
だが、花嫁は領主であるベルンハルトの顔を見るなり泣き出してしまった。
最悪な顔合わせをしてしまったベルンハルトとマリア。
慌てるベルンハルトの腹心の部下ヴォルフとマリアの侍女ローザ。
果たしてベルガー子爵領で彼らは幸せを掴めるのか。
ハピエン確定のサクッと読めるギャグ寄り恋愛ものです。
【完結】竜王の息子のお世話係なのですが、気付いたら正妻候補になっていました
七鳳
恋愛
竜王が治める王国で、落ちこぼれのエルフである主人公は、次代の竜王となる王子の乳母として仕えることになる。わがままで甘えん坊な彼に振り回されながらも、成長を見守る日々。しかし、王族の結婚制度が明かされるにつれ、彼女の立場は次第に変化していく。
「お前は俺のものだろ?」
次第に強まる独占欲、そして彼の真意に気づいたとき、主人公の運命は大きく動き出す。異種族の壁を超えたロマンスが紡ぐ、ほのぼのファンタジー!
※恋愛系、女主人公で書くのが初めてです。変な表現などがあったらコメント、感想で教えてください。
※全60話程度で完結の予定です。
※いいね&お気に入り登録励みになります!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】私を嫌ってたハズの義弟が、突然シスコンになったんですが!?
miniko
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢のキャサリンは、ある日突然、原因不明の意識障害で倒れてしまう。
一週間後に目覚めた彼女は、自分を嫌っていた筈の義弟の態度がすっかり変わってしまい、極度のシスコンになった事に戸惑いを隠せない。
彼にどんな心境の変化があったのか?
そして、キャサリンの意識障害の原因とは?
※設定の甘さや、ご都合主義の展開が有るかと思いますが、ご容赦ください。
※サスペンス要素は有りますが、難しいお話は書けない作者です。
※作中に登場する薬や植物は架空の物です。
魅了魔法…?それで相思相愛ならいいんじゃないんですか。
iBuKi
恋愛
サフィリーン・ル・オルペウスである私がこの世界に誕生した瞬間から決まっていた既定路線。
クロード・レイ・インフェリア、大国インフェリア皇国の第一皇子といずれ婚約が結ばれること。
皇妃で将来の皇后でなんて、めっちゃくちゃ荷が重い。
こういう幼い頃に結ばれた物語にありがちなトラブル……ありそう。
私のこと気に入らないとか……ありそう?
ところが、完璧な皇子様に婚約者に決定した瞬間から溺愛され続け、蜂蜜漬けにされていたけれど――
絆されていたのに。
ミイラ取りはミイラなの? 気付いたら、皇子の隣には子爵令嬢が居て。
――魅了魔法ですか…。
国家転覆とか、王権強奪とか、大変な事は絡んでないんですよね?
いろいろ探ってましたけど、どうなったのでしょう。
――考えることに、何だか疲れちゃったサフィリーン。
第一皇子とその方が相思相愛なら、魅了でも何でもいいんじゃないんですか?
サクッと婚約解消のち、私はしばらく領地で静養しておきますね。
✂----------------------------
不定期更新です。
他サイトさまでも投稿しています。
10/09 あらすじを書き直し、付け足し?しました。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる