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番外編 IF 野猿なヒロイン?
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「ヘレナ・ノーレン、お前との婚約は破棄させてもらう!」と冷たく言い放つセリウス。
ヘレナは、父親が宰相をしており、このランダート王国の第2王子セリウスの婚約者である。
そんなヘレナは容姿端麗、頭脳明晰、冷静沈着と、ほぼ完ぺきと謳われる令嬢でもあり、セリウスに突然、婚約破棄を言い渡されたても、ヘレナには心当たりが全くないため、冷静にセリウスへ確認した。
「セリウス様、婚約破棄の理由をお聞かせ願いますか?」
「ふっ、お前がリーリアをいじめていることなど、わかっているからな!
証拠もある。
公爵令嬢として、あるまじき行いを多々しているだろう?」とヘレナを責めるセリウス。
そして、みんなに守られるように後ろにいたリーリアへ、セリウスは慈愛の目を向けながら、「もう大丈夫だよ、リーリア。僕が君を守ってあげるからね」と優しくいたわる。
野猿なヒロインのリーリアは、その野猿的な魅力で、すぐにこの国の有力貴族子息をおとし、逆ハーができていた。
ただし、野猿ゆえにセリウス以外は恋愛的なものではなく、みんなはリーリアへ餌付けしたいための飼い猿を愛でる会のような集まりであったが……。
「私がリーリア様へそんなことするわけございません。
何か誤解がありませんか?」
「はっ!とぼける気だな」
「いいえ、とぼけておりません。
リーリア様とはお菓子をあげあうお友達なので、むしろ仲良しですよ。
ご本人にご確認くださいませ」
「リーリア、怖がらず正直に言っていいよ。
ヘレナにいじめられていただろう?」
「ちょっと、待ってください!
なんでセリウス様はヘレナ様を私のことで責めているのですか?
そもそもヘレナ様にはお世話になっておりますが、いじめられたことはございませんよ!」
「リーリア、ヘレナを庇うなんて、何て良い子だ!
でも、リーリア、君はヘレナからお菓子を受け取って、かなり食べていたよね?」
「え?ヘレナ様からお菓子をもらってはいけないのですか?」とセリウスが何に怒っているかわからないリーリア。
「そうですよ、セリウス様。
私がリーリア様にお菓子をあげて、何故いけないのですか?」とヘレナもセリウスに尋ねる。
「リーリアの健康(と調教)のために僕が必死でコントロールしているのに、むやみにあげるなんて、いじめ以外の何ものでもないだろ!?
しかも、そのせいでリーリアは僕のあげるお菓子を食べないんだから!」
「それは違いますよ、セリウス様。
セリウス様がリーリア様へあげるお菓子に睡眠薬や惚れ薬モドキなどの妖しい薬物を仕込むから、危険で食べないだけですよ。
睡眠薬を仕込んで、一体、彼女に何をされるおつもりですか?
本当にもう……。
セリウス様が私の婚約者であるうちは、私は婚約者を犯罪者にしたくありませんの。
だから、私からもリーリア様へセリウス様からのお菓子は一切、手をつけないように注意しておりました」と冷静に返答するヘレナ。
「な、なんて、ひどいことをリーリアへ言うんだヘレナ!
もうすぐにでも婚約破棄だ!
そして、リーリアと正式に婚約するからな!」
「承知いたしました。
婚約破棄、喜んで受け入れさせていただきます。
なお、お二人の間で何があっても、私は一切、無関係とさせていただきますからね」
「ひ、ひどいヘレナ様!
私の身に危険がおよぶじゃないですか!?」とセリウスに怯えるリーリア。
「ごめんなさい、リーリア様。
もうこれ以上は私もかばいきれないわ。
あなたもあきらめて、さっさとセリウス様に流された方が、あなたもきっと楽よ。
とりあえず、第2王子を犯罪者にしないためにも、国のためだと思って受け入れることをすすめるわ」
ヘレナはクールに微笑みながら、ぐいぐいリーリアの背中を押して、リーリアをセリウスに差し出した。
「よし、おいでリーリア!
そしてグッジョブ、ヘレナ!!」と差し出されたリーリアを逃げる隙も与えず、力いっぱい抱きしめるセリウス。
「げっほ、ちょっ、くるしぃいー!」とわめき、セリウスの腕をペしぺしと叩き緩ませようとするリーリア。
そんな二人を、「ほほほ、お二人ともお幸せに!」と余裕でクールに笑う美女ヘレナであった。
この婚約破棄で幸せになった人間は3人にいた。
愛するリーリアを手に入れたセリウスはもちろん、犯罪者を夫にせずに済んだヘレナと、あとは……。
それからしばらくして。
セリウスと正式に婚約解消し、婚約者がいなくなったヘレナのところへ、セリウスの幼馴染で魔法省長官の息子クリスが訪れた。
両手いっぱいのヘレナが好きな山百合を持って。
「ヘレナ、僕と結婚をして欲しい」
「お断わりします」
「僕は子供の頃から君を愛している」
「そうですか。
しかし、惚れ薬モドキを開発するような方はお断わりします」
「あれは、セリウス殿下に命令されてやむなく開発したんだよ!
好きで開発したんじゃない。
仕事だから!」
「では、女性関係が激しいかたはお断わりします」
「他の女性と関係をもったことはないよ!」
「では、とりあえず、お断わりします」
「ちょっとまって、よく考えてヘレナ!
僕はお買い得だよ!
将来の魔法省長官だよ!!」
「では、長官になってから来てください。
それまでお断わりします」
「いや、長官になるまで待てないよ!
すぐに結婚してほしい!」
「せっかちな方は苦手なのでお断わりします」
「いやいや、僕は気が長いよ!
何度でも君に結婚を申し込むよ!」
「しつこい方も苦手なのでお断わりします」
「ヘレナ~」
しかし、最終的に、クリスがヘレナの外堀を埋めてしまい、ヘレナの根負けで、クリスもハッピーエンドとなるのであった。
ヘレナは、父親が宰相をしており、このランダート王国の第2王子セリウスの婚約者である。
そんなヘレナは容姿端麗、頭脳明晰、冷静沈着と、ほぼ完ぺきと謳われる令嬢でもあり、セリウスに突然、婚約破棄を言い渡されたても、ヘレナには心当たりが全くないため、冷静にセリウスへ確認した。
「セリウス様、婚約破棄の理由をお聞かせ願いますか?」
「ふっ、お前がリーリアをいじめていることなど、わかっているからな!
証拠もある。
公爵令嬢として、あるまじき行いを多々しているだろう?」とヘレナを責めるセリウス。
そして、みんなに守られるように後ろにいたリーリアへ、セリウスは慈愛の目を向けながら、「もう大丈夫だよ、リーリア。僕が君を守ってあげるからね」と優しくいたわる。
野猿なヒロインのリーリアは、その野猿的な魅力で、すぐにこの国の有力貴族子息をおとし、逆ハーができていた。
ただし、野猿ゆえにセリウス以外は恋愛的なものではなく、みんなはリーリアへ餌付けしたいための飼い猿を愛でる会のような集まりであったが……。
「私がリーリア様へそんなことするわけございません。
何か誤解がありませんか?」
「はっ!とぼける気だな」
「いいえ、とぼけておりません。
リーリア様とはお菓子をあげあうお友達なので、むしろ仲良しですよ。
ご本人にご確認くださいませ」
「リーリア、怖がらず正直に言っていいよ。
ヘレナにいじめられていただろう?」
「ちょっと、待ってください!
なんでセリウス様はヘレナ様を私のことで責めているのですか?
そもそもヘレナ様にはお世話になっておりますが、いじめられたことはございませんよ!」
「リーリア、ヘレナを庇うなんて、何て良い子だ!
でも、リーリア、君はヘレナからお菓子を受け取って、かなり食べていたよね?」
「え?ヘレナ様からお菓子をもらってはいけないのですか?」とセリウスが何に怒っているかわからないリーリア。
「そうですよ、セリウス様。
私がリーリア様にお菓子をあげて、何故いけないのですか?」とヘレナもセリウスに尋ねる。
「リーリアの健康(と調教)のために僕が必死でコントロールしているのに、むやみにあげるなんて、いじめ以外の何ものでもないだろ!?
しかも、そのせいでリーリアは僕のあげるお菓子を食べないんだから!」
「それは違いますよ、セリウス様。
セリウス様がリーリア様へあげるお菓子に睡眠薬や惚れ薬モドキなどの妖しい薬物を仕込むから、危険で食べないだけですよ。
睡眠薬を仕込んで、一体、彼女に何をされるおつもりですか?
本当にもう……。
セリウス様が私の婚約者であるうちは、私は婚約者を犯罪者にしたくありませんの。
だから、私からもリーリア様へセリウス様からのお菓子は一切、手をつけないように注意しておりました」と冷静に返答するヘレナ。
「な、なんて、ひどいことをリーリアへ言うんだヘレナ!
もうすぐにでも婚約破棄だ!
そして、リーリアと正式に婚約するからな!」
「承知いたしました。
婚約破棄、喜んで受け入れさせていただきます。
なお、お二人の間で何があっても、私は一切、無関係とさせていただきますからね」
「ひ、ひどいヘレナ様!
私の身に危険がおよぶじゃないですか!?」とセリウスに怯えるリーリア。
「ごめんなさい、リーリア様。
もうこれ以上は私もかばいきれないわ。
あなたもあきらめて、さっさとセリウス様に流された方が、あなたもきっと楽よ。
とりあえず、第2王子を犯罪者にしないためにも、国のためだと思って受け入れることをすすめるわ」
ヘレナはクールに微笑みながら、ぐいぐいリーリアの背中を押して、リーリアをセリウスに差し出した。
「よし、おいでリーリア!
そしてグッジョブ、ヘレナ!!」と差し出されたリーリアを逃げる隙も与えず、力いっぱい抱きしめるセリウス。
「げっほ、ちょっ、くるしぃいー!」とわめき、セリウスの腕をペしぺしと叩き緩ませようとするリーリア。
そんな二人を、「ほほほ、お二人ともお幸せに!」と余裕でクールに笑う美女ヘレナであった。
この婚約破棄で幸せになった人間は3人にいた。
愛するリーリアを手に入れたセリウスはもちろん、犯罪者を夫にせずに済んだヘレナと、あとは……。
それからしばらくして。
セリウスと正式に婚約解消し、婚約者がいなくなったヘレナのところへ、セリウスの幼馴染で魔法省長官の息子クリスが訪れた。
両手いっぱいのヘレナが好きな山百合を持って。
「ヘレナ、僕と結婚をして欲しい」
「お断わりします」
「僕は子供の頃から君を愛している」
「そうですか。
しかし、惚れ薬モドキを開発するような方はお断わりします」
「あれは、セリウス殿下に命令されてやむなく開発したんだよ!
好きで開発したんじゃない。
仕事だから!」
「では、女性関係が激しいかたはお断わりします」
「他の女性と関係をもったことはないよ!」
「では、とりあえず、お断わりします」
「ちょっとまって、よく考えてヘレナ!
僕はお買い得だよ!
将来の魔法省長官だよ!!」
「では、長官になってから来てください。
それまでお断わりします」
「いや、長官になるまで待てないよ!
すぐに結婚してほしい!」
「せっかちな方は苦手なのでお断わりします」
「いやいや、僕は気が長いよ!
何度でも君に結婚を申し込むよ!」
「しつこい方も苦手なのでお断わりします」
「ヘレナ~」
しかし、最終的に、クリスがヘレナの外堀を埋めてしまい、ヘレナの根負けで、クリスもハッピーエンドとなるのであった。
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