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番外編 IF 野猿な囚人 33-2.(セリウス外ルート)再会
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リーリアは、ルクレナに伝えた通り、まず父親がいると思われる王都のメナード公爵家の屋敷に向かうつもりだったが、ふと、王宮内に軟禁されていると聞いていた兄のアーサーのことを思い出した。
アーサーは、いまだに王宮に軟禁されている。
アーサーも、とっくにアリーシアの人心操作術は解かれているが、まだ本当にアリーシアの洗脳が解けていないのではないかと疑われている。
特にアーサーは、最も長くアリーシアの術を受けていたはずなのに、それでいて、精神的不安定はあっても、何かと適応していたことからも疑いはなかなか晴れなかった。
そのため、王宮内で事件の後始末などの仕事をこなしながら、アーサーは王宮から勝手に外部に出ないように監視をされているのであった。
そんなアーサーが、父親に言付け等などがあるかも知れないし、何よりもリーリア自身が正気に戻ったアーサーに会いたくなり、父親の元に行く前にアーサーに会えないかと考えた。
アーサーに会うには、メナード公爵か、または王族の許可がいるとも聞いていたので、もう一度、ルクレナの元に戻って、王妃様の許可をとろうとリーリアは考えた。
そして、リーリアが、ルクレナに会おうと王宮の廊下を戻って歩いているところを、護衛を連れた王子のような服を着ている金髪のルイスに会った。
「あれ、リーリア?
メナード公爵家の屋敷に戻ったと聞いていたのに、まだ王宮にいたのかい?」とリーリアに話しかけてくるルイス。
事情を知っているリーリアでなければ、「本物のセリウス」と間違えるところだった。
いや、今、ルイスは、対外的にも「敵のアジトから無事に戻って来た第2王子セリウス」を演じているのだろう。
今回、リーリアと一緒に王宮へ戻って来た「本物のセリウス」は、中身が8歳となり、まだ人前に晒すのは危険だと早々に判断されたのだとわかった。
「あっ!るー、えっと、ルクレナ様にお願いしたことがございまして、ちょっと戻ってきました」
「……ルクレナに?」
「はい。……あの、王宮にいる私の兄アーサーに一目会ってから、屋敷に向かうことにいたしました。
それで、ルクレナ様を通して王妃様に兄との面会の許可をいただこうと思いまして」
「ふーん、そっか。
でも、母上の許可をもらうまでもないよ。
僕の許可があれば、大丈夫。
それに、丁度、僕も今からアーサーやクリスに、今回の件のために会いに行くところだったから、一緒においで!」
「え?よろしいのですか?」
「ああ、もちろん。
リーリアがいた方が、話がスムーズかも知れない。
むしろ、助かるよ」
そういって、セリウスに扮したルイスは、優しく微笑ながら、思わずリーリアの頭をいい子いい子っと撫でてくる。
それは、セリウスではリーリアに対してあまりやらない動作であったが、ルイスは、度々、リーリアにしてくれていた。
まあ、いつもは、ルイスがリーリアのことを可愛がっていると、バーナルが必ず邪魔してきたが……。
(もし、これが本物のセリウス様だったら、『アーサーのところに連れて行ってあげるから、リーリアから僕にキスして!』等のスルーされるの前提で、セクハラに近いことを言ってきたんだろうな~。
ルイスさんで良かった!)
そう考えるリーリアは、ルイスに対する安心感で、リーリアもにこにこしまい、仲の良さそうな二人の様子のおかげで、むしろ、ルイスは、周囲に間違いなく野猿を溺愛するセリウスと認識されていた。
セリウスに扮したルイスが、リーリアをアーサーが軟禁されている部屋に連れて行ってくれたので、リーリアは無事にアーサーと再会できた。
「リーリア?リーリアなのか!?」
「お兄様!!お会いしたかったです!」
二人は、久しぶりの再会を涙ぐみながら、喜んだ。
「リーリア、無事でよかった!」
「お兄様こそ!
もう正気に戻られたと聞いておりましたが、お会いできて安心しました」
「リーリア。辛い思いをさせて、すまなかった……。
アウスフォーデュ修道院に入れられて、迎えに行くこともできず、助けてやれなくて本当にすまなかった」
「いいえ。確かにお兄様が助けに来てくれるとちょっとだけ期待はしていましたが、お兄様もお大変だったのでしょう。
とりあえず、お互いに無事でよかったですね!」
そんな風にアーサーとリーリアが仲良くしている様子を微笑まし気に見るルイスと、魔法省長官の息子でセリウスの幼馴染のクリス。
その後、護衛は部屋の外にでてもらい、ルイスらのいる部屋には防音の魔法が敷かれ、セリウスに扮したルイスが、現在の本物のセリウスの事情を説明することになった。
リーリアから補足説明することはあまりなかったが、リーリアから今までのセリウスと8歳になったセリウスの違いについて、具体的に聞いたアーサーとクリスは、二人して、「それは本当に別人なんだな……」と口を揃えて言ってきて、サポートが必要なことをよく理解できたようであった。
ちなみに、ルイスは、子供の頃からセリウスの側つかえ兼影武者として、アーサーやクリスとも面識があった。
今後、アーサーとクリスは、中身が8歳になったセリウスのサポート業務をしてもらうことになり、ルイスと詳細なスケジュールと打ち合わせをすることになった。
それらの内容は、国の重要機密事項も含まれるため、リーリアはここで退出することになった。
「お兄様、私は今からお父様達のいらっしゃる王都の屋敷に参りますが、何かご伝言等ございますか?」
「王都の屋敷?メナード公爵家の?
父上なら、今はそちらには、いらっしゃらないよ」
「え?じゃあ、今はお屋敷にはお母様だけなのですか?」
「いや、実は母上もそちらには、今はいらっしゃらないんだ。
安全のために、我が公爵家の秘密の場所や王宮に一時、父上と避難していたのだか、今は母上だけは、母上の実家のイルマリー侯爵家で療養しているんだ。
父上は、アリーシアの関連で、王族専用の牢獄の方にいるんだ。
問題のセリクルドの元王女、ユリアリーシアだったか?
おそらく、今度はそいつのせいで、父上は、そこからますます離れられないと思う」
「そうなのですね……。
お父様に、できれば早くご相談しないといけない件があるのですが、どうしましょう……」
「父上に何の相談?」
「えっと、その、セリウス様があのような状態になられたので、王妃様より再び婚約者になるように要請があり、お父様に至急、相談するように言われまして」
「ああ、なるほど。
王妃様なら言いそうだね」
「お兄様はどう思われますか?」
「うーん、私の意見よりも、リーリアがどうしたいかが一番、重要なんだけどね。
でも、その、言わせてもらうと、色んな点からも、リーリアはセリウス殿下とまた婚約するより、もっとリーリアを伸び伸びと暮らさせてくれる相手の方が良いと思う……」
「まあ、お兄様はそう思われるのですね?」
「うん、リーリアを溺愛していた以前のセリウス殿下には悪いけどね……。
それで、リーリアはどうしたいの?」
アーサーからそう聞かれて、ちょっと即答はできなかったリーリア。
その時、リーリアは、ルイスの方から視線を感じ、ルイスを見ると、ルイスが寂しそうな顔をしていた。
それは寂しさに加えて、やや諦めたような表情でもあり、ルイスのそんな表情をみたリーリアは、なぜか胸が一瞬、ズキッと痛んだ。
「……王妃様の意向に逆らうのは申し訳ないのですが、セリウス様には私よりもっと相応しい方がいるかと存じます」
「そうか。リーリアは、今はそう思っているのか……。
それは、以前のセリウス殿下が戻ってもそう思う?」
「はい。むしろ、以前のセリウス様なら即答でしたが、今のセリウス様では、断りにくい状況です。
なんだか幼子を見捨てるようで……」
「まあ、確かに、この状況だとね。
これは、早めに父上に相談した方がいいね」
「そのつもりでしたが、そのお父様のいるところは、私が気軽に伺えるところではないですよね?」
「うーん、そうだね。
リーリアにとっても危険人物がいるところだからね。
でも、ルイスから王妃様に頼んだら行けないかな?」
「王妃様の許可ですね。
ルイスさん、ルイスさんから王妃様にお願いしてくださいますか?」
アーサーとリーリアは、ルイスにお願いするように見つめた。
「……わかった。
リアがそんなところに行くのは危険だから反対だが、どうしても必要なら仕方ない。
レイスリーア王妃殿下に私から頼んでみよう」
ルイスは、セリウスとして、すぐに外で待機している護衛に言って、リーリアが父親と会うための王妃の許可と手続きなどを色々と手配をしてくれた。
その手続きで待っている間、リーリアは、その場にいるアーサーや、既に魔法省で働くクリスなら、『効率の魔女』についても自分より詳しく知っているのではないかと気がついた。
「あ、あの!お父様のところに行く前にお兄様達に教えていただきたいことがございます」
「うん、何だい、リーリア?」
「あの黒幕のユリアリーシアが探していた『効率の魔女』のことを何かご存じですか?
このランダード王国に実在するのですか?」
「ああ、『効率の魔女』か~。
文献で書いてあることくらいしかわからないな。
クリスは知っている?」
「いや、私も文献レベルのことしか知らないな。
以前、『効率の魔女』が実在しないか、セリウス殿下と捜索したことがあるし、魔法省としても常に調査しているけど、今のところ、見つかったという報告はないよ。
今、ランダード王国で、『効率の魔女』レベルに魔力がある存在は、リーリア嬢や魔法省長官の私の父くらしかいないんじゃないのかな?」
「そ、そうなのですね。
とりあえず、現段階で『効率の魔女』は実在しないのですね?」
「うん、そう思うよ」
リーリアは、自分が知らないだけで『効率の魔女』はユリアリーシアの言う通りに実在していて、自分は人違いをされた可能性を考えていた。
しかし、どうやらユリアリーシアは実在しない存在に頼ろうとしていたことがわかり、そんな彼女を残念に思うリーリアであった。
しばらくアーサーとリーリア達が話をしていると、王妃から早々に返事が来て、あっさり王族専用の牢獄と言われる特別区の場所にリーリアが行くことを許可し、リーリアが安全にメナード公爵の元に行ける手筈まで整えてくれた。
リーリアは、父親の元に行くのに、護衛付きの馬車で行くことになった。
「おそらく、向こうに、バーナルとフェスのコンビもいるはずだから、合流して、王宮に戻ってくるんだよ」とため息をつきながら、リーリアを心配するルイス。
「わかりました!
向こうでバーナルに会えるなら、とても心強いです」とリーリアは、バーナルの作る美味しいご飯を想像しながら、バーナルに会えることを喜んだ。
こうして、ルイスやアーサー達に見送られて、リーリアは、今度こそメナード公爵のいる場所に向かうことになった。
アーサーは、いまだに王宮に軟禁されている。
アーサーも、とっくにアリーシアの人心操作術は解かれているが、まだ本当にアリーシアの洗脳が解けていないのではないかと疑われている。
特にアーサーは、最も長くアリーシアの術を受けていたはずなのに、それでいて、精神的不安定はあっても、何かと適応していたことからも疑いはなかなか晴れなかった。
そのため、王宮内で事件の後始末などの仕事をこなしながら、アーサーは王宮から勝手に外部に出ないように監視をされているのであった。
そんなアーサーが、父親に言付け等などがあるかも知れないし、何よりもリーリア自身が正気に戻ったアーサーに会いたくなり、父親の元に行く前にアーサーに会えないかと考えた。
アーサーに会うには、メナード公爵か、または王族の許可がいるとも聞いていたので、もう一度、ルクレナの元に戻って、王妃様の許可をとろうとリーリアは考えた。
そして、リーリアが、ルクレナに会おうと王宮の廊下を戻って歩いているところを、護衛を連れた王子のような服を着ている金髪のルイスに会った。
「あれ、リーリア?
メナード公爵家の屋敷に戻ったと聞いていたのに、まだ王宮にいたのかい?」とリーリアに話しかけてくるルイス。
事情を知っているリーリアでなければ、「本物のセリウス」と間違えるところだった。
いや、今、ルイスは、対外的にも「敵のアジトから無事に戻って来た第2王子セリウス」を演じているのだろう。
今回、リーリアと一緒に王宮へ戻って来た「本物のセリウス」は、中身が8歳となり、まだ人前に晒すのは危険だと早々に判断されたのだとわかった。
「あっ!るー、えっと、ルクレナ様にお願いしたことがございまして、ちょっと戻ってきました」
「……ルクレナに?」
「はい。……あの、王宮にいる私の兄アーサーに一目会ってから、屋敷に向かうことにいたしました。
それで、ルクレナ様を通して王妃様に兄との面会の許可をいただこうと思いまして」
「ふーん、そっか。
でも、母上の許可をもらうまでもないよ。
僕の許可があれば、大丈夫。
それに、丁度、僕も今からアーサーやクリスに、今回の件のために会いに行くところだったから、一緒においで!」
「え?よろしいのですか?」
「ああ、もちろん。
リーリアがいた方が、話がスムーズかも知れない。
むしろ、助かるよ」
そういって、セリウスに扮したルイスは、優しく微笑ながら、思わずリーリアの頭をいい子いい子っと撫でてくる。
それは、セリウスではリーリアに対してあまりやらない動作であったが、ルイスは、度々、リーリアにしてくれていた。
まあ、いつもは、ルイスがリーリアのことを可愛がっていると、バーナルが必ず邪魔してきたが……。
(もし、これが本物のセリウス様だったら、『アーサーのところに連れて行ってあげるから、リーリアから僕にキスして!』等のスルーされるの前提で、セクハラに近いことを言ってきたんだろうな~。
ルイスさんで良かった!)
そう考えるリーリアは、ルイスに対する安心感で、リーリアもにこにこしまい、仲の良さそうな二人の様子のおかげで、むしろ、ルイスは、周囲に間違いなく野猿を溺愛するセリウスと認識されていた。
セリウスに扮したルイスが、リーリアをアーサーが軟禁されている部屋に連れて行ってくれたので、リーリアは無事にアーサーと再会できた。
「リーリア?リーリアなのか!?」
「お兄様!!お会いしたかったです!」
二人は、久しぶりの再会を涙ぐみながら、喜んだ。
「リーリア、無事でよかった!」
「お兄様こそ!
もう正気に戻られたと聞いておりましたが、お会いできて安心しました」
「リーリア。辛い思いをさせて、すまなかった……。
アウスフォーデュ修道院に入れられて、迎えに行くこともできず、助けてやれなくて本当にすまなかった」
「いいえ。確かにお兄様が助けに来てくれるとちょっとだけ期待はしていましたが、お兄様もお大変だったのでしょう。
とりあえず、お互いに無事でよかったですね!」
そんな風にアーサーとリーリアが仲良くしている様子を微笑まし気に見るルイスと、魔法省長官の息子でセリウスの幼馴染のクリス。
その後、護衛は部屋の外にでてもらい、ルイスらのいる部屋には防音の魔法が敷かれ、セリウスに扮したルイスが、現在の本物のセリウスの事情を説明することになった。
リーリアから補足説明することはあまりなかったが、リーリアから今までのセリウスと8歳になったセリウスの違いについて、具体的に聞いたアーサーとクリスは、二人して、「それは本当に別人なんだな……」と口を揃えて言ってきて、サポートが必要なことをよく理解できたようであった。
ちなみに、ルイスは、子供の頃からセリウスの側つかえ兼影武者として、アーサーやクリスとも面識があった。
今後、アーサーとクリスは、中身が8歳になったセリウスのサポート業務をしてもらうことになり、ルイスと詳細なスケジュールと打ち合わせをすることになった。
それらの内容は、国の重要機密事項も含まれるため、リーリアはここで退出することになった。
「お兄様、私は今からお父様達のいらっしゃる王都の屋敷に参りますが、何かご伝言等ございますか?」
「王都の屋敷?メナード公爵家の?
父上なら、今はそちらには、いらっしゃらないよ」
「え?じゃあ、今はお屋敷にはお母様だけなのですか?」
「いや、実は母上もそちらには、今はいらっしゃらないんだ。
安全のために、我が公爵家の秘密の場所や王宮に一時、父上と避難していたのだか、今は母上だけは、母上の実家のイルマリー侯爵家で療養しているんだ。
父上は、アリーシアの関連で、王族専用の牢獄の方にいるんだ。
問題のセリクルドの元王女、ユリアリーシアだったか?
おそらく、今度はそいつのせいで、父上は、そこからますます離れられないと思う」
「そうなのですね……。
お父様に、できれば早くご相談しないといけない件があるのですが、どうしましょう……」
「父上に何の相談?」
「えっと、その、セリウス様があのような状態になられたので、王妃様より再び婚約者になるように要請があり、お父様に至急、相談するように言われまして」
「ああ、なるほど。
王妃様なら言いそうだね」
「お兄様はどう思われますか?」
「うーん、私の意見よりも、リーリアがどうしたいかが一番、重要なんだけどね。
でも、その、言わせてもらうと、色んな点からも、リーリアはセリウス殿下とまた婚約するより、もっとリーリアを伸び伸びと暮らさせてくれる相手の方が良いと思う……」
「まあ、お兄様はそう思われるのですね?」
「うん、リーリアを溺愛していた以前のセリウス殿下には悪いけどね……。
それで、リーリアはどうしたいの?」
アーサーからそう聞かれて、ちょっと即答はできなかったリーリア。
その時、リーリアは、ルイスの方から視線を感じ、ルイスを見ると、ルイスが寂しそうな顔をしていた。
それは寂しさに加えて、やや諦めたような表情でもあり、ルイスのそんな表情をみたリーリアは、なぜか胸が一瞬、ズキッと痛んだ。
「……王妃様の意向に逆らうのは申し訳ないのですが、セリウス様には私よりもっと相応しい方がいるかと存じます」
「そうか。リーリアは、今はそう思っているのか……。
それは、以前のセリウス殿下が戻ってもそう思う?」
「はい。むしろ、以前のセリウス様なら即答でしたが、今のセリウス様では、断りにくい状況です。
なんだか幼子を見捨てるようで……」
「まあ、確かに、この状況だとね。
これは、早めに父上に相談した方がいいね」
「そのつもりでしたが、そのお父様のいるところは、私が気軽に伺えるところではないですよね?」
「うーん、そうだね。
リーリアにとっても危険人物がいるところだからね。
でも、ルイスから王妃様に頼んだら行けないかな?」
「王妃様の許可ですね。
ルイスさん、ルイスさんから王妃様にお願いしてくださいますか?」
アーサーとリーリアは、ルイスにお願いするように見つめた。
「……わかった。
リアがそんなところに行くのは危険だから反対だが、どうしても必要なら仕方ない。
レイスリーア王妃殿下に私から頼んでみよう」
ルイスは、セリウスとして、すぐに外で待機している護衛に言って、リーリアが父親と会うための王妃の許可と手続きなどを色々と手配をしてくれた。
その手続きで待っている間、リーリアは、その場にいるアーサーや、既に魔法省で働くクリスなら、『効率の魔女』についても自分より詳しく知っているのではないかと気がついた。
「あ、あの!お父様のところに行く前にお兄様達に教えていただきたいことがございます」
「うん、何だい、リーリア?」
「あの黒幕のユリアリーシアが探していた『効率の魔女』のことを何かご存じですか?
このランダード王国に実在するのですか?」
「ああ、『効率の魔女』か~。
文献で書いてあることくらいしかわからないな。
クリスは知っている?」
「いや、私も文献レベルのことしか知らないな。
以前、『効率の魔女』が実在しないか、セリウス殿下と捜索したことがあるし、魔法省としても常に調査しているけど、今のところ、見つかったという報告はないよ。
今、ランダード王国で、『効率の魔女』レベルに魔力がある存在は、リーリア嬢や魔法省長官の私の父くらしかいないんじゃないのかな?」
「そ、そうなのですね。
とりあえず、現段階で『効率の魔女』は実在しないのですね?」
「うん、そう思うよ」
リーリアは、自分が知らないだけで『効率の魔女』はユリアリーシアの言う通りに実在していて、自分は人違いをされた可能性を考えていた。
しかし、どうやらユリアリーシアは実在しない存在に頼ろうとしていたことがわかり、そんな彼女を残念に思うリーリアであった。
しばらくアーサーとリーリア達が話をしていると、王妃から早々に返事が来て、あっさり王族専用の牢獄と言われる特別区の場所にリーリアが行くことを許可し、リーリアが安全にメナード公爵の元に行ける手筈まで整えてくれた。
リーリアは、父親の元に行くのに、護衛付きの馬車で行くことになった。
「おそらく、向こうに、バーナルとフェスのコンビもいるはずだから、合流して、王宮に戻ってくるんだよ」とため息をつきながら、リーリアを心配するルイス。
「わかりました!
向こうでバーナルに会えるなら、とても心強いです」とリーリアは、バーナルの作る美味しいご飯を想像しながら、バーナルに会えることを喜んだ。
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