野猿な悪役令嬢

ルナルオ

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番外編 IF 野猿な囚人 36-2.(セリウス外ルート)その後

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 その後、リーリアは、ランダード王国周辺の結界を中心に修復・強化をする仕事についている。
 そして、仕事のために、貴族令嬢にはありえないくらい自由に行動し、主に国内を行き来することができ、場合によっては、アルーテ王国のような同盟国なら海外出張することもできた。
 リーリアの仕事は、基本、関係者にしか知らせず、一応、極秘に動いているため、そんなに危険は伴わないが、リーリアの護衛には、バーナルとフェスがコンビ再結成をして、常に着いてきていた。
 初期の頃は、メナード公爵家から遣わされた護衛もいたが、バーナルとフェスのコンビとの実力差がでてしまい、最終的に、バーナルとフェスのみが、リーリアの正式な専属護衛として雇われることになった。
 安全で簡単な任務は、リーリア達3人とメナード公爵直属の部下が監視役に就いたうえで行い、難しい任務には、ルクレナがリーダーとなり、基本、4人体制でこなしていた。

 一方、8歳児程度に記憶も精神も退行したセリウスは、それでも第2王子の務めを、少しずつ果たしてた。
 ルイスは、そんな未熟なセリウスの代わりに、セリウスの影武者として大活躍であった。
 もっとも、異常に腹黒い……ではなく、とても賢いセリウスは、精神年齢もまだ実年齢より低かったが、わずか数年で、本来のセリウス並みの能力を取り戻し、影武者いらずになってしまった。 
 しかも、なかなか捕まえられなかった本物の野猿が、野猿ハンターにより捕縛され、セリウスへ献上された。
 ずっと野猿が欲しかったセリウスは、その野猿を「エマ」と名付け、非常に溺愛していた。
 そして、セリウスらしく、その野猿がやたら懐いた貴族令嬢に出会った。
 それがきっかけで、セリウスに新たな婚約者が決まったとランダード王国中に噂が広まった。
 もちろん、リーリアもルクレナからその話を聞き、自分より相応しい令嬢がセリウスの婚約者になり、安堵していた。
 また、(やっぱり、野猿が関わったうえでの婚約者なのね。本当に野猿好きな王子なんだな~)と感心した。

 そんなリーリアの元に、セリウスの影武者の任務を解かれ、新たな任務を与えられたルイスが、会いに来た。

「リア!久しぶりだな。
 元気か?」
「はい、ルイスさん!
 おかげさまで、毎日、ご飯が美味しくて、元気いっぱいです!」
「そうか、リアの元気な顔を見れて嬉しいよ」
「私もルイスさんに久しぶりにお会いできて、嬉しいです!」

 久しぶりの再開に、二人の間にはのほのぼのとした空気が流れた。
 ちなみに、その場に、ルクレナとバーナル、フェスも揃っていた。
 ちょうどリーリア達4人で任務のために王都から離れた街に着いたところで、ルイスが合流したのであった。
 ルイスに後まわしで挨拶されたルクレナやバーナルは、「おい、私らは眼中なしか!?ああん!」、「やだやだ、何この甘い空気~、やだわ~」と、ルイスにぶーぶー文句を言っていた。

「リアに大事な話があるから、ルクレナ達は先に宿へ行っててくれ」とルイスがお願いすると、バーナルは「やーね!野猿ちゃんと二人だけで、何する気よ~」とごねた。
 けれども、ルクレナが「わかった、上手くやれよ~」とルイスをからかいながらも、バーナルの襟首を掴んで、ズルズル連れて行ってくれる。
 フェスは、バーナル達に黙って着いていった。

 二人だけになって、ルイスは、「座ろう」と、街の小広場の端にあるベンチへリーリアと移動した。
 ベンチに仲良く並んで座ったルイスは、じっと考えてから、リーリアに話を始めた。

「リーリア、大事な話がある。
 まず、私のこれからの任務のことだか、今後は、私がリア、バーナル、フェス達、特殊部隊の隊長となり、任務に就くことになる。
 ルクレナは、更に難しい任務の際に、協力してもらう予定だ」
「わあ、ルイスさんが隊長さんで4人でいられるのですね。
 わかりました!
 よろしくお願いいたします」
「ああ、こちらこそ。
 任務の内容としては、リアの能力に頼ることが多く、負担をかけることなるが、我々が全力でサポートする」
「いえ、こちらこそ、ルイスさんを頼りにしております。
 あ、もう、セリウス様の代理のお仕事はされないのですか?」
「ああ、こちらの専任になる。
 ただ、万が一、セリウス殿下に予想外の事態が生じた場合は、また影武者の任務に就くこともある」
「そうなんですね~」
「ああ。それで、セリウス殿下の件だが……」
「あ、はい、何でしょう?」
「最近、セリウス殿下や王妃殿下とお会いしているのか?」
「えーと、最近は長期任務が多く、王妃様には3ヶ月前に定期報告でお会いして、セリウス殿下には半年以上お会いしていません」
「……王妃殿下に会った時に、セリウス殿下の婚約について、何か言われなかったか?」
「特に何も……、あ、そういえば!
 ここ数年、挨拶言葉のように、毎回、セリウス殿下の婚約者にまたならないかと尋ねられていましたが、前回の定期報告では、言われなかったですね~。
 セリウス殿下の婚約者が決まったからですかね?」
「……知っていたか」
「はい、ルクレナ様から聞きました!」
「そうか。
 セリウス殿下の飼っている野猿エマがきっかけで、知り合った貴族令嬢だとかも聞いているか?」
「はい、ルクレナ様からそれも聞きました。
 野猿は警戒心が強いのに、エマ自らその令嬢に懐いて、それをきっかけにセリウス殿下がその令嬢を見初めて、婚約されたそうですね?」
「まあ、概ねそうだが、懐いたというか……。
 セリウス殿下の野猿エマは、いたずらが過ぎていて、セリウス殿下に近づく令嬢達にやや攻撃的だった。
 普通の令嬢は、エマに攻撃されて、逃げるか、叫ぶかをするところを、その令嬢は俊敏にエマを捕まえて、見事な躾をしたらしい。
 本来なら、ペットとはいえ、王族のものにそんなことをしたら不敬罪になるところだが、あまりに的確な躾なうえ、殿下が面白がり、罪には問われなかった」
「おぉ、豪胆な令嬢ですね!」
「そうだな。
 どうもただの貴族令嬢ではなく、生まれたての赤ん坊の時に、自分の娘を貴族令嬢として育てたかった使用人によって、使用人の赤ん坊と取り替えられて、9歳まで平民として暮らしていたみたいだ。
 それで、逞しく生きていたらしい。
 しかし、独特の特徴がある子供だったおかげで、取り替えられたことが発覚し、無事に親元に戻れたんだ」
「わあ、それって、まるでお伽噺のようなお話ですね~」と言って、リーリアは、はっと気づいた。

(あれ?待てよ。
 私、そんなヒロインがでてくる別な乙女ゲームを知っているかも………。
 嘘っ!もしかして、今度は、別ゲームの王子役としてセリウス様が!?)

「……あ、あのルイスさん?
 ちょっとお聞きしてもよいですか?」
「ああ。
 ……やはり、セリウス殿下の婚約者が気になるか?」
「えっと、セリウス様の婚約者だからではなく、そのご令嬢自身がちょっと気になりまして……」といって、その別な乙女ゲームのストーリーやキャラ設定などを思い出す。
 そして、声をひそめて、ルイスに尋ねるリーリア。

「………そのご令嬢は、取り替えられてから孤児院で育てられていたところ、動物も扱うサーカスというか、大道芸人の一家に引き取られていませんか?
 そのおかげで、動物の調教もできるのではないのですか?」
「ああ、その通りだが、リアが何故そこまで知っている?
 ルクレナがそこまで詳しく教えたのか?」
「えーと、そのですね、ルクレナ様ではないのですが、とある情報源から聞きまして……。
 あ、ちなみに、そのご令嬢の特徴って、左腕に薔薇のような痣があって、魔力を使うと、青く光るとかですか?」
「……そのことは、ルクレナすら知らないはずだ。
 私は、セリウス殿下の代わりをしていたから、知っているが、ランダード王家とその婚約者の方の一族しか知らない秘密事項だぞ。
 やはり、王妃殿下かセリウス殿下から聞いたのか?」
「いや、王妃様でもセリウス様でもないのですが……」
「では、とある情報源とは?」
「……今はまだ言えません」

 そう言って、リーリアは、かなり考えた。
 リーリアが悪役令嬢として出演する乙女ゲームは、とっくに終了したとされ、次に進んでいるのではないか。
 そう、この世界は、何らかの支配がされているのか、今度は別な乙女ゲームのストーリーが始まっているようである。
 けれども、その別な乙女ゲームの王子の名前が、セリウスではなかったはず。
 しかも、きっかけになる王子のペットも野猿ではなく、別な動物だったような覚えがある。
 ても、たまたまな流れにしては、不自然さを感じるリーリアは、心底、ゾッとして、今後は自分が元婚約者として巻き込まれないように、できる限りセリウスに関わらないでおこうと決心した。

「……なぁ、リア。
 セリウス殿下に、リアは、まだ想いが残っているか、正直に教えてくれないか?」
「え?セリウス様にですか?
 ないです!今さら全くないです!!」とあっさり答え(むしろ、今後はできる限り関わらないと決心しました!)と思うリーリア。
「では、リアには好きな男性がいるか?」
「え、好きな人ですか?
 まだいません!」
「そうか……」と、ルイスは、少しほっとしたような表情をみせる。

「リア、その……。
 リアは、私のことをどう思う?」
「ルイスさんのことをですか?
 ルクレナ様の弟で、魔法も武道も凄いできますよね!
 特に魔法は、私もちょっと自信があったのですが、攻撃魔法はだんとつだし、結界の展開も早く、解術は私より扱いが上手くて、いつか勉強のためにお手合わせをお願いできますか?」
「もちろんいいが、そうではなくて……」
「?
 えっと、ルイスさんは、ルクレナ様のように、上司として、とても頼りになります!」
「……ルクレナのように、か」とふぅとため息をつき、やっと決心する。

「リア、私は君をずっと前から好きだった。
 もちろん、恋愛的な意味で好きだ。
 リアは、まだ私に恋愛感情がないかも知れないが、少しずつ私を知ってもらいたい」
「え、えぇっ、嘘!?
 ル、ル、ルイスさんが私を!?」
「ああ、好きなんだ。
 すぐでなくてもいいから、返事をもらえるか?」
「えっと、その、ちょっとお待ちください……」と焦るリーリア。
「……これからは、仕事でずっと一緒になるが、公私混同は決してしない。
 だから、仕事のことは考えずに、安心して返事をして欲しい」
「あ、そうですよね。
 ルイスさん、私の上司になるんですよね?」
「ああ、上司になるが、関係を強要したりはしない。
 でも、気持ちを隠して、ずっと一緒にいることは無理だし、リアには、はっきり言わないと伝わらなさそうなので、告白させてもらった」
「えぇっと、その、ルイスさんをもっと知ったうえで、お返事をしても良いのですか?」
「もちろんだ」
「ちなみに、ずっと前からというのは、初めてお会いした時ですか?
 あの時は確か、アルーテ王国で誘拐されたのを助けていただきましたね」
「いや、セリウス殿下の影武者になって、すぐの頃だ。
 でも、リアは、セリウス殿下のものだからと、一切の接触を禁じられていたし、あきらめていた。
 もし、リアに許可なく接触したら、顔を変えたうえで国外追放と決められていた。
 それが、セリウス殿下があんなことになり、アルーテ王国で、初めてリアと関わり、あきらめられなくなってしまった。
 リアは、私の初恋の人なんだ」
「私が初恋……?」
「そうだ。
 ……リアの初恋は、セリウス殿下か?」
「うーん、いや~、どうでしょう………。
 でも、小さい頃に一緒にいて、ときめいたことがあるから、セリウス様かな?
 いやいや、でもあれは、もらった『キャロルの店』のお菓子にときめいたような……。
 色気より食気が強いもんで」
「……そうはいっても、やはりセリウス殿下が初恋か」と、寂しい表情になり、悲しそうに語るルイス。
「まあ、よく、わかっている。
 私の人生は、いつも2番目になることが多かった。
 ルクレナの弟に生まれたことで、いつも実力にしろ、やることの多くが2番目だった。
 もちろん、1番はルクレナだ。
 そして今度は、私の顔がセリウス殿下にそっくりなために、影武者として常に他人の代わりという、2番目の人生だった。
 だから、リアにとっても、将来、私は2番目の存在になるかも知れないと考えると辛かった。
 でも、今は、セリウス殿下の次でも、2番目でもいいと思っている。
 私を恋人に選んでくれないだろうか?」
「そんな、2番目だなんて……。
 私は、恋人にそんな順位をつけませんよ。
 その、ちょっと時間がかかりますが、ルイスさんのこと、真面目に考えてみますから!」
「……そうか。
 ありがとう、リア」

 そう言って、ルイスに微笑まれるリーリアは、ルイスはセリウスとはやはり違うなと思われ、また胸の鼓動が早くなるのを感じた。
 そんなルイスの告白現場を、二人が座るベンチからやや離れた木の影から、覗く三人の姿。
 もちろん、ルクレナ、バーナル、ついでにフェスまで覗きに参加していた。

「おいおい、何が『2番目の人生』だ!
 女々しいことを言っていないで、一気に押し倒せ!!」
「やだー、何この下品女は……」
「えぇ、お前には下ネタでは負けるぞ、バーナル?」
「何よ、この下品の塊!」とバーナルとルクレナが言い争っていた。
「もう、二人とも静かに!
 会話が聞こえないだろう?」とフェスが最終的に注意する。
 離れたところで騒ぐ外野に関係なく、ルイスは、リーリアにさりげなくお菓子の包みを渡す。

「そうだ、これ。
 リア、よかったら、食べてくれ」
「わあ、お菓子ですね!
 嬉しいです。
 宿に行って、お茶にしますか?」
「……今、食べてみないか?」
「え?いいのですか?
 歩いてお腹が減っていたので、嬉しいです!
 では、一つ、いただきま~す!」

 リーリアは、そのお菓子を食べてみて、「あ、これは!」と気づいた。
 包装紙こそ異なるが、このお菓子の味は、リーリアの最大のご褒美でたある「キャロルの店」の味であった。

「ルイスさん!このお菓子は、『キャロルの店』のお菓子ですね?」
「いや、違うよ」
「えぇ!?おかしいなー。
 確かに『キャロルの店』のお菓子の味だけどな~。
 あ、わかりました!
 オーナーのお弟子さんが作ったものじゃないですか?
 もしかして、支店ができたのですか?」
「さすがだね。
 支店ではないが、弟子みたいな者が作ったお菓子だよ」
「へぇー、お弟子さんのお菓子ですか。
 オリジナルと同じレベルで美味しいです!
『キャロルの店』のオーナーは、なかなか弟子を採らないので有名なんですが、そのお弟子さん、凄いですね~」
「ああ、まあ、私なんだがね」
「え?どういうことですか?」
「実は、セリウス殿下の影武者の任務を解かれて、長期の休みをもらったので、次の辞令をもらうまでずっと『キャロルの店』でお菓子作りの修業をしていたんだ」
「えぇ!『キャロルの店』に何で?
 どうして?」
「もちろん、リアのためだよ。
 リアは、ここのお菓子が何よりも好きだろう?」
「はい、大、大、大好きです!!」
「だから、あの店のお菓子をリアがどこにいても、味わえるように、できるだけ沢山のレシピをマスターしてきたぞ」
「本当ですか!?
 ル、ルイスさん、凄いですね!!
 しかも、よく、あのオーナーがOKしましたね~」
「ああ、オーナーは、セリウス殿下の大ファンだから、セリウス殿下の紹介状を持って行ったら、喜んで弟子にしてくれたんだ」
「えぇ!そんな奥の手があったとは!
 いいな、私も弟子になりたかった~」
「リアさえよければ、私が教えるよ。
 それに、私と一緒にいたら、リアはいつでも好きなだけ、このお菓子が味わえるよ。
 リアなら、いくらでもリクエストに答えるし、もっとリア好みのお菓子を創作することもできる」
「いつでも?好きなだけ?しかも、もっと私好みに!?」
「ああ、そうだ」
「ま、まさか、あの販売をしなくなって、『キャロルの店』では幻のお菓子となった『口溶けフルーツゼリー』も作れたりするのですか?」
「ああ、レシピは完璧に記憶しているから、作れるよ。
 フルーツのバリエーションもオリジナルより豊富にあるぞ!」

 そう言って微笑むルイスに、今までにないくらいにときめいたリーリアは、むしろ自分からプロポーズをしようかと本気で思った。
 しかし、まだ早まってはいけないと理性を総動員するリーリア。

「えっと、その、前向きに、かなり前向きに考えてみます」と真っ赤な顔したリーリアに、ルイスは「ありがとう、リア」と破顔した。
 勝利は近いと、手応えを感じるルイスであった。
 そして、今だにルイス達を観察していたルクレナやバーナル達。

「ふっ、ルイスも、野猿の心を得るには、餌付けに走ったか……」
「あ~あ、あの二人、とうとうくっついちゃうのか~。
 あーん、私のルイス!
 何だかんだで、若くて可愛い女に、いい男は持っていかれちゃうのよね、やだやだ。
 でも、野猿ちゃんも大好きだから、ちょっと複雑ぅ~」
「おい、ルイスがいつお前のものになった!?
 私なんか、大事な私の弟を、退屈しのぎに飼ったペットの野猿に奪われるんだぞ!
 お前以上に、心中複雑なんだからな!!」
「ブラコンも、やーね!」
「何だと、こら!」

 木の影から覗きながらも、バーナルとルクレナが言い合いをしていた。

「……そもそも、あのルイスの野猿ちゃんへの好意は、ルイス自身の気持ちというより、国の政策じゃないの?
 ほら、野猿ちゃんを他国に渡さないための鎖なんでしょう」
「いや、逆だ。
 野猿がルイスに好意を持つならしょうがないが、国はむしろ、野猿を王族に組み込みたがっている。
 確かに、国は野猿対策をルイスにも覚えさせていたが、それはあくまでも、野猿が王子妃になることが前提だった」
「ん?どういうことかしら?」
「もし、セリウス殿下が不慮の事故で死亡したとしても、それを隠蔽して、ルイスをセリウス殿下の代わりにして、野猿を王族の一員にするつもりだったらしい。
 あの野猿は何というか、野放し禁止の要注意人物だからな。
 でも、セリウス殿下に別な婚約者が決まってしまったから、今度は代わりの王族に野猿を管理させようと準備していたぞ」
「え~、今、独身の王族なんて、ほぼいないじゃない。
 あ、野猿ちゃんを養女にする気?
 そんなんで野猿ちゃんを管理できないでしょう?」
「そうなんだよ。
 実力的に、野猿を管理できるのは、今のところ、私かルイスしかいないんだ。
 正直、ルイスは有能だから、野猿の管理に回すには惜しい人材とも言われていてね。
 だから、私に野猿を雁字搦めに管理させて、私とセットでその王族の養女か妻になるように言われていたんだ。
 嫌だけどな!」
「あら、嫌なんだ~」
「ただのペットならいいけど、野猿に束縛されるなんて無理!」
「へぇー、それでルイスに頑張らせたわけね!」
「……まあ、それはそれで、ちょっと複雑だがな」とやや不本意そうなルクレナ。
「そういえば、フェスは、どう思う?」
「ん?あの二人なら応援する。
 バーナルじゃないから、安心」
「ちょっと、フェス、どういう意味よ!?」

 今度は、3人で言い争っていると、とうとうルイスに見つかり、「お前達、いい加減にしろよ!宿はどうした!?」と怒られた。

 ルクレナを含めて、リーリア達は、何だかんだともめることもあったが、緊急時は異常なほど、連携のとれる部隊に成長していった。
 それから、ルイスを隊長に、リーリアを要にした特殊部隊は、様々な活躍や、リーリアだけでなく部隊の一人一人の実力を発揮して、国に貢献した。
 そしてとうとう、リーリア達の部隊は、別名「野猿部隊」と呼ばれ、王族の後見のもと、ランダード王国では、重要な存在となった。
 国への貢献が認められたおかげで、ルイスは、リーリアと一緒に暮らせるだけの地位と財力を築きあげていった。
 リーリアの方はといえば、ルイスによる「キャロルの店」のお菓子だけではない甘い誘惑に、おちるのも時間の問題であった。
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